米国株式投資の真実を伝える 川田重信の「メディアで鍛える米国株式講座」 [Vol.28]2021年12月27日配信
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米国株式投資の真実を伝える
川田重信の「メディアで鍛える米国株式講座」
[Vol.28]2021年12月27日配信
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***目次***
マーケット振り返り
今週のズバリ!
今週のピックアップ記事
【日本株を買わない日本人 新しい資本主義「貧しくなる」】【金利上昇で来年の株式市場は大きなリターン期待できず】【世界上位1000社の時価総額、米は初の5割超 日本5%未満】
投資のヒント
川田のお散歩
活動情報
質問コーナー
2000万円達成ペースメーカー
出所:金融庁 資産運用シミュレーションを基にエグゼトラスト株式会社作成
※上記数字はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではございません。また手数料、税金は考慮しておりません。
読み方:想定利回りと達成年限
3~4%なら30年以上:ラップファンドやバランス型の投信がこれ
5~7%でも25年はかかるよ:米国以外の株式投信だとこうかな
8~10%なら20年ほど:控えめにみたS&P500の上昇率だとこうだ
S&P500のパフォーマンス実績(配当再投資1970-2021)
正しいリスクテイクで早期に2000万円達成しよう
川田のメッセージはすこぶる簡単。2000万円の達成には余裕資金にできるだけ効率的に働いてもらうことだ。そのためには当事者の皆さんがリスク・リワード(見返り)の意味を正しく理解することが大事だ。毎週メルマガを読む前にこのテーブルを眺め、正しい投資姿勢を確認しよう。
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1.マーケット振り返り(12月20日~12月23日)
<主要指数>
・NYダウ +1.7%
・S&P500指数 +2.3%
・ナスダック総合指数 +3.2%
=駆け足バージョン=
前週後半の地合いのまま続落で始まりましたが、オミクロン株への警戒感が後退したほか、堅調な経済指標の発表でも債券市場が落ち着いていたことが好感されて大幅に反発し、S&P500指数は史上最高値を更新して引けました。
=ちょっとだけ詳しく=
バイデン大統領の歳出計画に対する民主党上院議員の不支持表明で景気見通しに対する懸念が広がったことや、新型コロナウイルスのオミクロン株に対する警戒感から月曜日は続落となりました。しかし、南アフリカの感染者数が大幅に減少したことやオミクロン株は重篤化しにくいとの報道から警戒感は後退しました。11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数や7~9月のGDP成長率(改定値)などの経済指標が堅調な経済を示した中でもインフレ懸念が高まらずに債券市場が落ち着いたことや、ナイキなどの企業業績が堅調だったことも安心感につながり、株式市場は火曜日に反発してから続伸し、木曜日にS&P500指数は史上最高値を更新しました(金曜日は休場)。
S&P500指数チャート1年間
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2.今週のズバリ!
これだけは知っておいてほしい情報をお届けするコーナーです。
きだ。
高値圏のもみ合いで、結局史上最高値
前の週とは逆の動きとなった。前週からオミクロン変異株に対する懸念で一喜一憂しているようだが、その理由は表面的なもので、実態は一部ヘッジファンドのポートフォリオ入れ替えや換金売りと、それが終わった後の買い戻しだと思う。12月の動きを少し長めのチャートを見れば、高値圏でのもみ合いに過ぎず、強い地合いで史上最高値を付けたことになる。
それでも堅調な経済指標と債券市場の動きはファンダメンタルズの注目点だ。12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は5カ月ぶりの高水準で、11月の中古住宅販売件数は今年1月以来の高水準。7-9月期のGDP成長率は市場予想を上回る上方改定となった。連邦準備制度理事会(FRB)が重視する個人所得の物価指数であるPCEコアデフレーターは前月比+0.5%で、これも市場予想を上回った。こうした堅調な経済指標の発表があっても債券市場でインフレ懸念が高まることはなく、長期金利は落ち着いていた。
ここから、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で示された引き締め方向は既に債券市場に織り込まれたと解釈すべきだろう。先週行われた20年債の入札も引き合いが強く、債券市場が落ち着く要因ともなった。債券市場の見通しに変化があるとすれば、年明け7日に発表される12月の雇用統計の発表だろう。
年初の動きは要注目
今週、米国以外の市場はクリスマス休暇の続きや大晦日で休みがちとなるが、米国株式市場はずっと開いている。もっとも新年まで休暇を取る市場関係者も多く、閑散とした市場になるのが通常だ。
新年は3日からだが、米国では新年の最初の3日間でプラスならその年は好調とも言われる。実際の真偽はともかく、米国の機関投資家は新年の最初からフル稼働となるから、年金などの長期資金の資産配分動向を考える上では重要だ。来年はFRBが引き締めに動くことが確実視されているが、そうした中で、年末に一部で利益確定の動きがあったハイテクなどの成長株が再び買われるのか、それともずっと言われていたようなバリュー株に資金が向かうのかは重要な注目点だ。また、米国株よりも割安、出遅れて言われている米国以外の株式市場にも資金が向かう可能性もあり、この点でも注目したい。
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3.今週のピックアップ記事
資産形成に役立つ情報を、私が得た情報の中から気になるものをセレクトしランキング、極々私的な見解でコメントするコーナーです。
【1】日経新聞 日本株を買わない日本人 新しい資本主義「貧しくなる」 12/19
岸田文雄政権が掲げる「新しい資本主義」にも不信。「金融所得課税を強化すれば、富裕層や起業家が海外に逃げてしまうだけ」。
21年1~11月は首位の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株」に1兆2375億円、海外株ファンド全体では約7兆3000億円が流入した。一方、日本株ファンドは売れ筋から姿を消し、400億円強が流出。
高度成長期以降の日本株は買い手が3回変わった。①バブル期までは金融機関と事業会社の持ち合いの時代。②バブル崩壊による持ち合い解消の受け皿は海外投資家だった。アベノミクス相場が一巡して海外勢が売りに回ると、③日銀と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)という「官」が買い支えてきた。
海外勢が本格的な日本株買いに動く気配はない。こうした状況下で個人の売りがかさめば、日本株は世界からさらに取り残されてしまう。
【川田コメント】
最近、日経でも日本経済への自虐記事と同じく「ダメ日本株」の記事が増えている。ただし日本株が投資家の期待に応えていないのはいまに始まったことではない。
米国株式と異なり日本は日本株式を保有している個人投資家は少ない。だから株価低迷の経済への影響は米国に比べ限定的だ。ただし、これが株式市場に規律やガバナンスが働かない理由でもある。ところで、いまの株価を使ってM&Aや増資で資金調達をする企業は日本では多くない。だから株価が冴えないからといって企業経営者は困ることは少ないのではないか?
一方、日本では株が上がれば上がったで、資産格差の拡大が問題になりがちだ。株を保有していない人が多いことを勘案すれば株が上がらない方が政治家には都合がいいのではないかと勘ぐってしまう。日本には株が上がらないほうがいい理由がたくさんある。
【2】「バロンズ・ダイジェスト」 金利上昇で来年の株式市場は大きなリターン期待できず WEEKLY 2021年12月19日号
マクロ経済
2022年:サプライチェーンへの圧力、労働力不足、インフレも持続する可能性。新型コロナウイルスのオミクロン株の急速な感染拡大に伴い、旅行やレジャーへの支出が抑制される可能性。ワクチン接種者の増加により、社会は維持されるはず。2022年の米国の国内総生産(GDP)成長率は、今年予想の5%超から低下し3.3%増。
インフレの行方
インフレ率は2022年上半期の間は高止まりし、その後、サプライチェーンの問題が解決されるにつれて緩和すると予想。
インフレ率:3%前後に落ち着く、がコンセンサス。
FRB
米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの予測の中央値、2022年に0.25%の利上げを3回行い、その後2023年にさらに3回。
利益成長
S&P500指数:2022年の増益率はウォール街平均で約9%の予想。
バリュエーション
S&P500指数のPERは2022年末までに現在の約21倍から18倍に低下。これは5年間の平均値と同程度だが、過去30年間の上位20%以内に相当。
債券
10年物国債の利回り:2021年3月に約1.75%でピークに達した後、夏には1.25%を下回り、最近では1.41%。債券ストラテジストらは、来年の10年債利回りは2%程度まで上昇。
株式
来年の上昇率はより緩やかになると予想、2022年末の目標値は12月16日の終値4668に対し、仮に目標値が5100なら約9%の上昇。
【川田コメント】
ここしばらくは2022年の相場を占う記事が増える。しかし記事の読み方には注意が必要だ。
①経済成長予測は予想のレンジ内に収まることが多い。
②長期金利は、ここ数年は当初の予想より低い水準で年を終えることが多い。
③企業の1株当たり利益予想はウォール街の“しきたり”なのか上振れが普通だ。
④過去数年間、年末株価を予想するストラテジストの大方の見立ては実際の株価より低い。現時点の予想は、来年末までにここから9%上昇でまずまずの上昇を想定している。
ところで過去10年ほどは4年前の相場と相関性が高い。また地政学リスクや米国中間選挙の年の乱調等を勘案すると、約6%下落した2018年の再来も頭をよぎる。ストラテジストは安易に高い株価は予想しないが、下がると言い切るストラテジストも少ない。
【3】日経新聞 世界上位1000社の時価総額、米は初の5割超 日本5%未満
12/26付
世界の株式市場で米国企業の「一人勝ち」が鮮明。時価総額上位1000社を集計したところ、時価総額の合計は2008年の金融危機後で米国が初めて5割を超え、社数でも最多(約4割)だ。日本企業は時価総額で5%を割り込み、存在感の低下に歯止めがかからない。
中国企業の時価総額比率は12%。前年に15%と過去最高となったが5年ぶりの低水準。欧州企業の時価総額比率は18%。08年には30%あったが低下傾向が続く。
日本勢は1000社のうち68社だ。
【川田コメント】
2008年当時、時価総額上位1000社のうち米国企業の時価総額の占有率は30%台半ばだった。それが直近では53%にまで高まった。
この米国企業の台頭がさらに高まるのか、それとも他の地域の企業が盛り返すのか?私は米国企業の比重の増加がここで留まる理由はないと思っている。それより、今後のDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速化を想定するなら米国企業がさらに有利になるだろう。
常々、株式市場は米国にしかないと訴えているが世界の株式市場はその方向に進んでいる。
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4.投資のヒント
「投資手法」や「銘柄紹介」だけでなく、「気になった指標や発言」や「社会や政治の動き」を書くコーナーです。
「資産形成には 長期投資が一番~米国での資産形成実践録~」
最近、ある視聴者からメールをいただいた。その後、この方と何度かやり取りした。この方「ノリピー」は、長年の米国在住後に直近日本に帰国した純日本人だ。
いただいたメールの主旨は30年以上に及ぶ米国在住と、そこで実践した資産形成で彼が学んだことと私の「朝会」動画にはずいぶん相通ずるものがある、という主旨だった。
その後ノリピーと直接会話する機会があり、米国に対する見方や投資についての考え方にずいぶんと共通項があって学ぶところが多いと思った。
そこで、私のオンラインサロン「夢がかなう資産形成塾」でノリピーの知見をサロンの会員に披露していただくようにお願いし、2回にわたってお話しいただいた。
このメルマガではノリピーのプレゼンテーションを一部ご紹介する。皆さんの資産形成の参考になれば幸いだ。
「ノリピー」米国在住から帰国まで
ノリピーは大手企業の米国駐在を契機に1990年ごろから米国に在住し帰国を機に退社して再度渡米しシアトルに移住した。その後30年以上米国で暮し日系企業の現地責任者を長年務めた。
職務上の専門スキルは経営全般に加え経理、税務、財務そして英語だ。趣味はゴルフで、シアトルでも毎週末は夫婦でゴルフだった。帰国後移住した北海道旭川でも早速名門ゴルフコースの会員になった。
また史跡を訪ねることも大好きで、歴史の浅い米国より長い歴史と伝統のある日本には訪ねる所がたくさんあると言って精力的に国内を旅行している。
つまりノリピーは仕事と余暇の両方に長けたマルチ人間だ。彼は資産形成でも米国の制度のメリットに素早く気づき、制度をフルに活用して資産形成に大きく成功している。
以下ノリピーとのやり取りから皆さんの参考になりそうな箇所をご紹介する。
米国株との出会い
米国株式に目覚めたのは、1996年にシアトルのファイナンシャル・アドバイザー(米国人)から退職金制度の説明を受けた時です。ご存知の通り、米国人のほとんどの退職金は401kと言われる法律に基づく確定拠出型の制度で退職金を運用しています。
私の場合は、Capital GroupのAmerican Fundsで運用していました。色々なファンドの過去の運用成績を見て、日本株よりはるかに高い率で伸びていることを知り驚きました。4つのファンドを選び毎月積み立てましたが、全て米国株のグロース株やバリュー株を中心とするファンドだけに資金を拠出しました。
マッチング(米国の退職貯蓄制度に置ける企業負担)
個人が積み立てる金額と同額(マッチングと言います)を企業が負担して、毎月給与支給時に積み立ててくれるところが多いです。但し上限を給与の3%とか6%までなどに規定している企業が多いです。
投入できる資金の限度が決まっていて、企業負担と個人負担の合計額が1年間で $64,500を超えることはできません。また、これに対しては税金が掛かりません。引き出した時に初めて課税されます。
1996年から2019年までの24年間で投入資金が約4.3倍になりました。この金額は日本の優良企業のサラリーマンの退職金よりかなり大きいはずです。米国で、普通のサラリーマンならこの程度の退職金を貰っていることになります。優良企業ではこの2倍、3倍になっていると思われます。
401kとは別に米国株式投資を開始
1996年頃から毎日夜にExcelシートで左端に日付、天気、気温、そしてダウ終値(数年後からはナスダック終値も追加)、ドル/円為替レートを入力し、その右横に保有株式の終値総額と退職金ファンド評価額を入力し、大きく変動があった日には、その主な理由を記してきました。
最後の枠には、簡単な日記メモとして散髪に行ったとか誰々に会ったとかを書いてきました。今もそれを続けていて、毎日どのくらい株価の変動があったのかを寝る前に必ず確認しています。
そして、ダウやナスダックが最高値を更新する都度に黄色を付け、目立つようにしてきました。この作業をすることによって、どのような経済情勢の時に、株価が上がったとか下がったとかは、一応頭の中に入っています。この流れを掴むことで、株価の今後の動きをある程度予想できるようになりました。
10年前の2011年初め頃には他の銘柄も持っていましたが、代表的な8銘柄で各々2万ドル程度保有していました。その中には大化けしているGAFAM銘柄も含まれています。
金融危機の後はより積極的に
2009年4月頃より株価が上昇トレンドに変わりましたので、もっと保有株を増やしたいと考えました。そこで取引銀行のBank of Americaから資金を借りることを思い付きました。家のモーゲッジ・ローンも借り手いましたが、その頃にローンの返済を完了していて借金はゼロでした。そこで、もう少しローンをしようと思って、エクイティ・ローンという借り入れを始めました。つまり、家を担保に借金を作ったのです。
米国株投資はまだまだ素人だった
どの株を買って良いか分からなかったので、ダウ30銘柄の中で私が良く知っている会社とGAFAMだけを買ったと思います。新興企業の株は一日に7%、8%と急騰することもありますが、その逆に同程度暴落する時もありますので、とにかく知っている企業の株を買いました。
業績が安定している大企業であれば、ある日突然倒産するリスクは少ないと思ったからです。そして、売買は毎日ではなく、3カ月程度で見直しをしました。デイ・トレーダーではなく、クオーター(四半期)・トレーダーでした。
半年に一回程度、ダウ30銘柄の中で、自分なりに入れ替えをしていました。作業としては、YahooFinで米国株を見て、その中でアナリストが、“Sell”、“Buy” 、“Hold”と格付けをしていますので、“Buy”だけを見て、今後一年の株価目標が10%~20%の上昇を予想しているものを選び、後は自分の好き嫌いで常に8~13銘柄の株取引を行っていました。
ここで一つ本を紹介します。この本を読んで、米国株投資を積極的に行いました。リーマンショックから立ち直り、株価が上昇している時期でした。シアトルにある紀伊国屋書店で買いました。タイトルは「アメリカ株長期投資入門」(出版 ダイヤモンド社、著者 中丸友一郎 発行2010年6月17日)で、そのサブタイトルが「2022年にはNYダウは4万ドルへ上昇する」です。正にダウの勢いはその通りとなっています。米国株は本当に強いですね。
為替相場について
帰国してから米国の年金はまだ貰っていません。いつ日本円に換えるかを考えていますが、まだまだ先の方が有利だろうと思っています。これから$1=125~130円が定着すると仮定すると、円貨ではさらに13%程度増える計算になります。日本の国力を冷静に考えれば、円高に向かう要素は無いと思っています。
ただのサラリーマンにとって、米国生活をして米国株に出会えたことは、本当にラッキーでした。「川田重信のありがとうアメリカ株式」で発信された情報が大いに役に立ちました。川田様が推奨した企業の株も沢山買ってきました。私としては、「ありがとう川田重信様」です。
日本人の多くは、思考が停止していて、株取引は危ないものと思い込んでいます。自ら貧乏の道を選んでいるような気がしています。今、円をドルに換えて米国株を購入しても、まだまだ資産を増やせるでしょう。株価が伸びるだけでなく、数年後に円転すると円安効果で更に増えると思うのですが。
情報収集
日経新聞は毎日隅々まで読んでいます。一面ではなくどこかの小さな記事に多くのヒントが隠れています。私が良く意見を聞いているエコノミストは武者陵司さんです。彼の発言や解説は非常に説得力があると感じています。株価動向や為替トレンドについては、彼のコメントを参考にしてきました。
米国株投資から学んだこと
私が米国生活を通して実感するのは、米国経済の底力はとてつもなく強いと言うことです。政府の巨大な債務問題はどこの国でもあり米国だけの問題ではありません。最後に、米国株投資の経験から学んだことを書いてみます。
1)株とは、上がれば下がるし下がれば上がるので、明確なその理由は存在しない。エコノミストや経済専門家が言う理由はいつも後付けの説明でしかない。
2)「株式市場は米国にしか存在しない」ので、日本、欧州、新興国市場で株式運用しても、ほとんど意味が無い。米国には社会の生活スタイルをガラッと変えるほどの全く新しい産業が生み出す巨大なパワーがある。
3)リーマンショック時の株暴落も、今考えれば通常の調整の一つでしかない。
4)株の大幅下落が無いと大きな上昇も無い。値が大きく下がった時は、買い足しができるので喜ぶべきことである。暴落しても必ず戻り、それ以上のパフォーマンスを上げる結果に必ずなっているので、怖がる必要はない。
5)米国株は永久に上がり続けるのか? 回答は「はい」です。上下の調整はあるものの永久に上がり続ける。
理由はアメリカには本当の資本主義があるからです。では、その資本主義とは「人間の欲望」のことです。自由で公正な市場で益々成長したい、利益を生み出したい、お金を増やしたと言う「欲望」が資本主義の基本であることに気付きました。株価上昇が止まって下落が続くことがあるとすると、それは人間が欲望を捨てた時で、それは米国が地球から消滅する時であると考えています。
6)今後のインフレを考慮すれば、株式投資を怖がってゼロ金利の銀行預金だけに資金を置いておくことはかえってリスクがあり、米国株投資の方がむしろ安全で有利な投資であることは明白である。
7)ETFなどのインデックス・ファンドに、個別株での運用では絶対に勝てない。個別株での売買は一種のゲームで自己満足でしかない。何を買って良いか分からない時は、2つ、3つのインデックス・ファンドを買って数年放っておくだけで十分である。
以上、本当に貴重で有益な機会を頂いたものだ。「ノリピー」ありがとうございました。
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新連載「これでばっちり!米国株式を使った資産形成術のすべて」
はじめに
今回、資産形成に必要な基本的な内容を網羅した連載シリーズを始めます。全体の構成は以下のように考えています。
我々はどのような時代に生きているのか?全二回
自立した日本人と自立に欠かせない資産形成 全三回
株式市場は米国にしかないの? 全4回
日米株式文化の違い 全二回
知っておくべき米国市場の特徴 1回目
S&P500とは
なぜ米国は強いのか
おすすめの投資戦略~コア・サテライト投資~
コア部分の投資戦略
サテライト部分の投資戦略
何を買ったら良いのか
情報源と投資
第5話 知っておくべき米国市場の特徴
米国株式市場の特徴
私にとって、株式市場は米国にしかありません。ですからその他の選択肢はないのです。今回は米国株式の特徴をいくつかチャートで例示します。
①株式市場は米国にしかない?
全世界の株式市場の時価総額は現在、1.2京円(1200兆円の10倍)程度です。ご覧のように下記の円グラフでは米国が世界の61%を占めていますが、日経新聞の数字などでは5000兆円で44%程度です。占有率の違いは、浮動株などのカウントの仕方に起因するようです。
いずれにしても、米国株式は世界の半分ぐらいと思っておけばいいと思います。そして2番手、3番手は中国と日本が続きます。
意外かもしれませんが、欧州の主要国の株式市場の時価総額は400兆円程度で大きくありません。
世界の株式市場の時価総額
②米国vs.新興国vs.先進国vs.日本
東西冷戦終了時の1990年からの比較チャートです。新興国株は2007年のピークといまだほぼ同じ水準です。米国を除いた先進国株は騰落トレンドは米国株と同じですが、上昇の度合いがずいぶん緩やかです。日本株の低パフォーマンスは突出しています。
③S&P500指数の長期上昇(算用目盛り)
超長期のS&P500指数:目盛りが算用数字なので株価は天に向かって駆け上がっています。チャートは1950年から直近まで。ちなみに先週末の12月23日には史上最高値の4725で引けました。
④S&P500指数長期上昇(対数目盛り)
そのS&P500指数も、目盛りを対数にすると右肩上がりでゆっくり、そして着実に駆け上がっているように見えます。
⑤米国株式の年間騰落率(過去50年、配当込み)
S&P500指数が下がるのは、配当込みのリターンで計測すると、過去50年間に限れば5年に1度程度です。
⑥S&P500指数年間騰落率(過去65年間、配当抜き)
S&P500指数は、1957年3月4日にスタンダード&プアーズにより現在の形で算出が開始されました。
1957年から今年2021年(変化率が+約25%)までの65年間で、指数がマイナスになったのは18回。ただし配当込みならプラスの年(1960年、1994年、2011年、2015年)もあるので、それらを除くと14回です。
⑦騰落率の分類
S&P500指数は長期では年率約10%で上昇しています。年間の騰落率が0~10%の狭い範囲に着地するのは65年のうちの12回だけです。それ以外の騰落率はけっこうブレます。過去65年間(含む2021年)では;
20%~上昇 17回(2021年含む)
10~20%上昇 18回
0~10%上昇 12回
マイナス 18回
⑧S&P500指数 年間騰落率棒グラフ(1928年以降)
⑨最近の大幅下落
過去20年で株価が半値になったことが2回あります。ただし過去100年遡っても、あの「大恐慌」を除けば米国株式の下落は最大でも約半値です。そして、そのあと株価は回復して新値を更新するのが通常のパターンです。
⑩S&P500指数 2009年以降の主な下落率。過去12年で約20%以上の下落率は3回(2011年、2018年、2021年)
S&P 500 Snapshot: Down 1.9% From Last Friday - dshort Post Recommendation - Advisor Perspectives
⑪S&P500、10年毎のリターン (1940~2020年)
10年単位のリターンでもバラつきがあります。2010年代(2001年~2010年)のパフォーマンスは、2回の大幅下落を経験しているので、ずいぶんと悪かったです。
⑫S&P500長期保有の実績(1970~2020年の51年間)
下記は1970年以降の計測結果です。1970年年初にS&P500指数に投資し5年保有した後に売却します。さらに1971年~1975年末まで保有して売却します。この投資手法は「赤線」で表示されています。同様に10年保有が「青色」で15年保有は「緑線」です。
5年保有を1970年からくり返すとそれは47回計測できます。同様に10年保有は42回で以下同様です。
5年保有のパフォーマンスで最高の5年間は年率28.56%上昇し最低の5年間は年率-2.35%で下落しました。
ここでの示唆
15年以上保有すれば投資リターンは全てプラスです。
長期でコツコツ買い続ければ投資リターンは配当込みで10%以上のリターン実績があります。
基本は右肩上がりですが、年初に下げ、その後上昇、さらに夏場に横ばいで秋口に一度下がってその後年末までラリー、これが米国株式の平均的な株価推移です。今年もだいたいこのような動きでした。なぜこうなるのかはいろいろ後付けで説明されていますが、明確な因果関係は特定できないと思います。
⑭S&P500指数 月別騰落率(1928~2020年10月まで)
上のチャートと合わせてみると年間の騰落イメージがより明確に分かります。年末にかけてマーケットが強いのは良く知られていますが9月に下げる前の3カ月も相場は実はけっこう強いです。
1928年以降、S&P500指数の9月の月間リターンは、平均マイナス1.0%。次に低調な月は2月と5月のマイナス0.1%です。
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5.川田のお散歩
◇◇最近行ったお気に入りのお店(映画、美術館編)◇◇
文明の生態史観(中公文庫) 文庫 – 1998/1/18 梅棹 忠夫(著)
最近も日経新聞で誰かが紹介していたので気になって購入した。メディアでは時々紹介される名著だ。
私の手元にあるのは2020年6月の改訂14刷発行だが、著者が「文明の生態史観序説」を『中央公論』に発表したのは1957年だ。60年以上も前の本だが今も頻繁に参照されている。
ところでこの本で扱っているのは旧世界(ユーラシア大陸)だけで新世界、南北アメリカと豪州大陸は含まない。したがって、分析には米国は含まれていないことを申し添える。
この本を読み終わってネットで関連情報を探していたら「21世紀日本の安全保障環境と進むべき道-今蘇る梅棹忠夫の生態史観-」というレポートにぶつかった。これを読んでから本書を読んでもいい。このレポートに本書の要点が解説してある。
梅棹の生態史観について概要
世界を「東洋」と「西洋」で区分することは不十分で旧世界(ユーラシア大陸)を「第一地域」と「第二地域」に類別。
「第一地域」は、ユーラシア大陸の東西の両端、すなわち日本と西欧で、封建体制を経験した高度な資本主義の文明国である。
「第二地域」は、「第一地域」に挟まれたユーラシア大陸の大部分を占める中央部分で、主に第二次世界大戦後に独立した国々からなり、封建体制を経験しておらず、資本主義が未成熟な地域である。
このような相違が生じた要因として、生態学理論、すなわち「遷移(サクセッション)」=共同体の生活様式の発展法則=に基づく生態史観を提起した。
「第一地域」の「遷移」は、共同体内部の力による「オートジェニック(自成的)」なもので、「第二地域」のそれは、共同体外部の力によって左右される「アロジェニック(他成的)」なものであったというのである。
すなわち、「第一地域」では、中緯度温帯、適度の雨量、高い生産力という恵まれた環境のもと、順調に発展したのに対して、「第二地域」は、まさに「乾燥地帯は悪魔の巣」で、「破壊と征服の歴史」であったため、「遷移」が円滑に進まなかったとされる。
加えて、「第一地域」には、「第二地域」の暴力が及ばなかったため、破壊から守られた「温室」のように社会が繁栄していった。
このような議論を踏まえて梅棹は、「日本はアジアではない、これはべつのものだ、というのが、アジア体験をかさねたすえでの、私の結論である」とまで述べている。また、福沢諭吉の「脱亜入欧」を取り上げて、
「日本ははじめからアジアと違うから脱亜する必要はないんですよ」と指摘したのである。
松岡正剛 1628夜 『行為と妄想』 梅棹忠夫 − 松岡正剛の千夜千冊
この本は名著だ。妙な魅力のある直観的な名著なのである。読んだことがない者は、何がなんでも一読したほうがいい。
大胆な東西文明についての基軸変更を悠揚迫らぬ勢いで徐々に追い込み、そこに誰もが言い忘れてきた「日本を文明論的に見る」という視点を既存の文明論(歴史学や文化人類学)のエクリチュールをいっさい使わないで自在に織り込んだのである。
【川田コメント】
いわゆる文明史観ものは、必ずといっていいほど英国か欧州、そして米国の知識人がキリスト教をベースに論理を展開する。そうすると西洋文明の優越論になりがちだ。
梅棹博士は西洋人には思いつかない、つまり宗教や西洋中心の歴史史観に引きずられない発想と論理展開なので、日本人には納得感がある。
この本の欧州での評価は分からない。しかし日本人の文明論が世界の主流になることは簡単ではない。
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6.今後の活動情報
◇2022年1月5日(水)午前11時 ストックボイス
◇2022年1月19日(水)午前11時 ストックボイス
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7.質問コーナー
12月25日(土)午後3時~4時20分までメルマガ紹介のライブを実施しました。以下、視聴者からのご質問とコメントを掲載します。質問には動画内でお答えしています。
コメントと質問
①メルマガ、米国市場の情報エッセンスと教養の手引きとして、いつも参考にさせていただいてます。
②朝会で紹介されてた「なぜ日本は没落するか」(森嶋通夫)買って読んだけど、ホント面白かったなぁ。ご紹介ありがとうございます。
③資産管理アプリで確認したところ、7年で4倍資産が増えました。川田社長のおかげです。ありがとうございます。米国株VTI・IVV(sp500)・QQQを中心に引き続き購入していきたいと思います。
④石の上にも三年テスラに今から入るのは遅いですか。
→テスラの時価総額はすでに100兆円。時価総額トップのアップルは300兆円。テスラを買う理由はここから10倍ですか?それを狙うならテスラ以外の銘柄の大化け株を探すほうが現実的なように思います。
テスラ上場来株価(目盛り対数)
⑤長期資産形成にあたり、米国株と分散投資で必ず何か選べと言われたら何を選ばれますか?他の国の株、債券、コモディティ、不動産、何でも結構です。
→米国の個別銘柄です。私の朝会で保有銘柄を開示しています。
⑥メルマガで言及した1-梅棹さんは、「知的生産の技術」で一世を風靡しました。2-「両学長」と言われている人で、この道では有名なYouTuberです。3-説明されていませんでしたが、川田さんの頭の中はTwitterをフォローすることで分かって来ます。
⑦2022年のアメリカと日本の経済の予測をお願いします。
→動画では来年の米国のGDPの伸び率を6%程度と言っていますが3.3%ぐらいがコンセンサスのようです。
⑧小室直樹本おすすめベスト3教えてください。
→最初は「日本人のための憲法原論」、さらには「評伝小室直樹上下」ぐらいでしょうか。
⑨川田社長と箱田社長の言うこと聞いてたら36%今年は上昇しました。感謝しております。
⑩来年は、ハイテクは利上げでモタモタするのでエネルギーや観光関連の個別株を買った方が良いとおっしゃっている方がおられますが、川田さんはどう思われますでしょうか?
→買わないようにしています。
⑪川田社長!いつもお世話になっております。MSCIはまだホールドでしょうか?
→はい。まだ成長が期待できる「青年」銘柄だと思っています。
MSCIチャート5年間(対数)
⑫来年にむけて、キャッシュとS&P500の投信の割合は、どのくらいにしたらいいですか?来年が買場といわれてましたが、積立以外に、スポット買いのためのその資金も用意しとこうかなと思ってます。
⑬VOOとQQQを持っております。川田社長はどんな比率で運用されていますか?
→ほとんどがQQQです。
⑭川田理論に沿って10年後資産が2倍以上になっていると思っています。
⑮来年はナスダックには少し厳しい見立てでしょうか?
⑯アメリカのGDPは2030年には中国に、2037年にはインドに抜かれる予想となっていますが、そうなったとしてもアメリカ株の優位性は揺るがないとお考えでしょうか。
⑰川田社長は小林秀雄を読まれたことはございますか。ございましたらオススメの本など教えてください。
⑱まとまった資金が満期となり、S&P500指数とNASDAQへ均等で入れる場合、何回に分けた方が良いですか?それとも短期でなければ一度に買ってもいいですか?年齢60歳。
⑲今日はありがとうございました。川田社長のサロンでアメリカ株の勉強をこれからもします。煽りなくホッとしながら長期目線で自分の成長を感じながら勉強できるいいサロンです。
⑳長期投資を行う中で、常時キャッシュポジションを全体のどのくらいの比率で維持しているのでしょうか?比率ではなく決まった金額とかですか?
㉑最近のレバナスブームをどう思われていますか?
→私もレバレッジETFを買っています。
㉒ブル益だししたくて、売りたくて売りたくて仕方ないときに、ポチポチ病をおさえる方法
→ご本人の意思次第です。
㉓メルマガ毎週楽しみにしています。書籍の紹介も参考にしてます。分量も丁度いいです。もっと多くてもいいですが、川田さんの無理のない範囲で。
㉔今年現時点で川田さんの個別銘柄はQQQに勝ってますか?
→勝っています。下記は私のポートフォリオ。個別銘柄とレバレッジETFを少しずつ買っています。「年末からの変化率」をみればわかりやすいです。
今年の途中から買った銘柄もありますが概ね年初から保持したままです。
保有銘柄の年初来相対チャート
㉕川田さんの個別銘柄について、買った理由などをメルマガで紹介して欲しいです。
→来年から個別銘柄の紹介も始めます。
㉖また、この企画やってください。酒を飲みながら、聞いてました。
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