米国株式投資の真実を伝える 川田重信の「メディアで鍛える米国株式講座」 [Vol.29]2022年1月3日配信
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
米国株式投資の真実を伝える
川田重信の「メディアで鍛える米国株式講座」
[Vol.29]2022年1月3日配信
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
***目次***
マーケット振り返り
今週のピックアップ記事
【米中対立、日本企業どう対応? ファストリ柳井氏に聞く】【大型ハイテク銘柄に上昇余地】【武者リサーチストラテジーブレティン(297号)】
川田の気になる銘柄
投資のヒント
川田のお散歩
活動情報
質問コーナー
休刊日:1月31日号
2000万円達成ペースメーカー
出所:金融庁 資産運用シミュレーションを基にエグゼトラスト株式会社作成
※上記数字はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではございません。また手数料、税金は考慮しておりません。
読み方:想定利回りと達成年限
3~4%なら30年以上:ラップファンドやバランス型の投信がこれ
5~7%でも25年はかかるよ:米国以外の株式投信だとこうかな
8~10%なら20年ほど:控えめにみたS&P500の上昇率だとこうだ
S&P500のパフォーマンス実績(配当再投資1970-2021)
正しいリスクテイクで早期に2000万円達成しよう
川田のメッセージはすこぶる簡単。2000万円の達成には余裕資金にできるだけ効率的に働いてもらうことだ。そのためには当事者の皆さんがリスク・リワード(見返り)の意味を正しく理解することが大事だ。毎週メルマガを読む前にこのテーブルを眺め、正しい投資姿勢を確認しよう。
さあ、2000万円達成までのカウントダウンを今すぐ始めよう!
皆様が資産形成で成功するために一緒に学び啓発し合うオンラインサロンです。 大好評のメルマガ「メディアで鍛える米国株式講座」だけでは伝えきれない内容や、 米国株式投資の魅力を体感できる会員向けのセミナーを提供します。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
1.マーケット振り返り(12月27日~12月31日)
<主要指数>
・NYダウ +1.1%
・S&P500指数 +0.9%
・ナスダック総合指数 -0.1%
=駆け足バージョン=
週前半は年末商戦の好調が伝えられたことやオミクロン変異株への警戒感が和らいだことで、景気敏感株を中心に買われ、水曜日にS&P500指数とNYダウは史上最高値を更新しました。その後は年末の薄商いの中、小幅に下落しました。
=ちょっとだけ詳しく=
マスターカードから年末商戦の好調が伝えられたことや原油価格が上昇したことなどから、週前半は景気敏感株を中心に買いが優勢となりました。新型コロナウイルスに対する警戒感が和らいだことも投資家のリスク許容度を高めたことから、水曜日にS&P500指数とNYダウは史上最高値を更新しました。
一方、国債入札の不調や2022年の金融政策の方向性から長期金利が上昇したため、成長株は上値が重く、ナスダック総合指数は出遅れる展開となりました。
その後は主要な経済指標の発表もなく、年末を控えて市場参加者が少なく薄商いとなる中、新年に向けた買いが一部で見られたものの、感染者数の再拡大が懸念されたこともあり、小幅に下落して年末を迎えました。
S&P500指数過去1年間
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
2.今週のピックアップ記事
資産形成に役立つ情報を、私が得た情報の中から気になるものをセレクトしランキング、極々私的な見解でコメントするコーナーです。
【1】日経新聞 米中対立、日本企業どう対応? ファストリ柳井氏に聞く
2021/12/29 19:00
米中の対立が続いています。
「対立しているかのように見えて実際は対立していない。米国の金融資本は中国への投資に流れ、逆に米アップルなどの製品もみな中国製。中国の対米輸出額も増えている。米中は経済的にはうまくいっている」
米中のはざまで日本企業の対応策?
「日本には本来何もないことを認識すべき。だから世界中で稼ぐ以外にない。世界の人材を呼び、日本人を世界へ出す。開かれた国でないと生き残れない」
「新型コロナウイルス禍で日本は鎖国状態になり、IT(情報技術)の高度人材の入国が難しくなった。少子高齢化が進み輸出も難しくなれば、日本から海外へ出稼ぎするようになり、国内は老人ばかりになる可能性もある」
日本はなぜ長期停滞にある?
「ハングリーさがない。安定した職業はもうないのに(キャリアの)線路があるかのように思っている」
「中小企業はもっと元気をだしてほしい。日本は中小企業を保護しすぎだ。規制せずに自立できる方策を取るべきだろう」
【川田コメント】
柳井さんへのインタビュー記事から私が納得する箇所を抜き出した。世の中にはいろいろな価値観が共存していい。柳井さんは事業で桁外れの成功を収めているので強欲、非情と思う人がいるに違いない。その成功に対してやっかみに近い感情は誰にでもある。さらに「強者の論理」と断ずる気持ちも分かる。
それでもビジネスの見地から、そして世界から見える日本という意味で彼の認識は正しい。特に「安定した職業はもうないのに(キャリアの)線路があるかのように思っている」。私はここが好きだ。
【2】「バロンズ・ダイジェスト」大型ハイテク銘柄に上昇余地 This Top Strategist Says Big Tech Still Has Room to Run|【WEEKLY】2021年12月26日号
Q:インフレが企業の利益に悪影響を与えるとの心配は見当違いか。
A:企業には、インフレ率に連動しない固定費もある。データで確認すると、1970年代の企業の利益成長率はインフレ率と同程度で、株式市場の上昇率も利益成長率と同程度。
相場の要は、今も昔も企業の利益だ。来年のS&P500指数の1株当たり利益(EPS)を240ドルと考えるのは全くもって妥当、ウォール街の予想は222ドルだ。
参考:S&P500 指数構成企業 EPSの推移(年度)
現時点の予想では今年2022年の1株当たり利益が222ドル程度だが、これが240ドルにまで上振れする可能性を示唆
S&P500 指数構成企業 EPSの推移(年度)S&P500 指数構成企業 EPSの推移(年度)
Q:企業の利益率を高く保つにはどうするのか。
A:価格決定力だ。S&P500指数は、地球上の他のどの指数とも大きく異なる。最も重要なのは、大型のハイテク企業だ。S&P500指数の約20%を占めるアルファベット<GOOGL>、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>の存在がどれほど重要であるかは、いくら強調してもし過ぎることはない。これらのビジネスモデルを他と同列に扱うことはできない。
Q:これらの企業は長年にわたって勝者であり続けているが、今後も勝者であり続けるか。
A:石油の重要性は60年間続いた。データが「新しい石油」だと言われるのは、データが従来のビジネスモデルよりも長く競争力を保つことを示唆している。
エクソンモービルの超長期チャート(1968年~、対数)
2005年頃から株価は上昇していない
Q:投資家はこれらの銘柄を押し目買いすべきか。
A:最も優れた巨大企業を所有したいなら、S&P500指数こそ、そのような企業で構成された指数だ。
Q:海外市場はここ数年、米国と比べ出遅れている。投資家は資金を海外に移すべきか。
A:オランダの半導体製造装置メーカーASMLホールディング<ASML>やドイツの大手ソフトウエア会社SAP<SAP>を除いて、これらの地域のハイテク企業に、米国と比較して重要度が増すような目新しい材料はない。
S&P500指数、ASML、SAPの過去5年間相対チャート
ASMLの露光装置は世界でほぼ独占状態で、その株価パフォーマンスも素晴らしい。ただしSAPはそれほどでもない。
2022年の市場展望 ~NEXT GAFAMを担う日本企業のビジネスモデルに注目せよ~
2021年もハイテク敗戦、グリーン敗戦、金融敗戦、コロナ敗戦と自虐思考のオンパレードであった。ここまでくれば悲観も陰の極ではないか。
この12年間で日本の株価は4.37倍(年率13.1%)になった。このペースの株価上昇が維持される可能性は大きい。となれば10年後の2031年には日経平均は10万円になる。
悲観論者と楽観論者で財産形成に極端な格差ができている。格差を非難する株式投資批判者は、政治や体制を糾弾するのではなく自らの不明さを反省するべきである。
【川田コメント】
尊敬する武者さんがまた吼えた!日本人が失った(とされる)自信を呼び覚まし、日本企業が世界で活躍し、その果実を投資家にもたらす日の再来を信じて疑わない。そんな武者さんの揺るがぬ主張に深く敬意を表する。
今回も私が感心したのは「格差を非難する株式投資批判者は、政治や体制を糾弾するのではなく自らの不明さを反省するべきである。」これなかなか言えないでしょう。私も同じメッセージを伝えているつもりだが、そんなにストレートに言えない、さすが武者さん。
ところで下記のNISA口座は着実に増えている。ただし、いまだ1000万口座を超えたところなので、口座開設者はざっくり10人に一人の割合だ。また枠の中身がスカスカな口座も多いと訊いている。
買付け金額は昨年9か月で約17兆円だ。これも桁が1つ増えるくらいの数字が見たい。売買益や配当が無税で貰える。私は2014年にこの制度が出来た時には国民へのプレゼントだと思った。全ての国民がこの制度を上手に使ってほしい。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
3.川田の気になる銘柄
川田の保有銘柄を始め、米国株の情報に触れている中で、気になった銘柄を紹介するコーナーです
今週の銘柄
MSCI <ティッカー:MSCI>(MSCI, Inc)
概要
ベンチマーク提供業者の大手。ETFを中心に、指数を基にして運用される資産や先物・オプションの一定比率から得られるライセンス収入と、分析サービスの手数料が売り上げの柱です。
同社の魅力
パイの拡大と利益率と参入障壁の高さです。「パイの拡大」はETFなどの運用資産残高の拡大が追い風になっています。簡単に言うと、MSCIが提供する指数をベンチマークとして使用するファンドの残高が運用会社に関わりなく増えるほど、売り上げが増える仕組みになっています。特に最近のETFへの資金の流れは強力な追い風です。
既存の指数に加えて、新たな指数の開発もパイの拡大に貢献しています。最近は特にESG(環境、社会、ガバナンス)関連の伸びが大きく、同業他者でも指数の開発が行われる中、MSCIは抜け出た存在です。
利益率は非常に高く、売り上げの約6割を占めるライセンス収入部門のEBITDA(調整後利払い・税引き・償却前利益)利益率は70%を超えています。これには参入障壁の高さが関係しています。これまで運用会社が自社開発の指数で運用商品を販売した例はあるものの、既存の指数を脅かすほどの成功例はありません。
過去のデータの豊富さや、信頼感などのブランドイメージなどの差は非常に大きく、高い利益率を守る参入障壁となっています。ちなみにMSCIはMorgan Stanley Capital Internationalの大文字で、1965年に計算を開始したCapital International Market Indicesの権利を1986年にモルガン・スタンレーが権利を買収した経緯があります(その後、発行元のキャピタル・グループとモルガン・スタンレーが合弁事業として始めた指数開発会社が上場して、現在のMSCI)。こうした歴史と実績は簡単には越えられません。
リスク
①他社との競合、②政治・規制、③運用資産の減少が挙げられます。①に関しては、手数料率の引き下げが懸念されることはあるものの、参入障壁の高さから影響は短期的で引き下げも最終的にパイの拡大で補えるものになりそうです。②は、具体的には、中国A株の指数組み入れなどへの議会からの圧力や、EUでの「ベンチマーク規制」などが挙げられますが、実際の影響は大きくありません。③は株式市場の上下などの影響はありますが、長期的な株価上昇やパッシブファンドの拡大を前提とすれば、短期的です。
MSCIの基本データ(出所:会社データ、Yahoo! Finance)
(12月31日現在)
株価 612.69ドル
時価総額 505億ドル
総収入 17.0億ドル
予想PER 55.6倍
実績利回り 0.59%
MSCI IRサイト より業績動向2021年9月末現在
(左上から時計回りに、総収入(百万ドル)、調整後EBITDA(同)、フリーキャッシュフロー(同)、調整後1株当たり利益(ドル))
本社:ニューヨーク州、ニューヨーク
上場:2007年11月
株価チャート 5年
チャートはTradingView.comによる
(本コーナーは一般的な情報提供のみを目的としており、特定の有価証券の売買を勧誘するものではありません)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
4.投資のヒント
「投資手法」や「銘柄紹介」だけでなく、「気になった指標や発言」や「社会や政治の動き」を書くコーナーです。
今年の株価の注目点
アナリスト、ストラテジストの集約的意見
強気派:S&P500指数5000突破へ(直近は4766)
株価は引き続き上昇を続けるとみる。それまでにS&P500指数は5000を突破するだろうが、利上げ開始を受けて今年後半には調整入り(10%下落)だろう。その後は持ち直し、2022年末には5000を回復する。新型コロナ感染症がパンデミック(世界的大流行)からエピデミック(普通の流行)になることに期待。
弱気派の論拠
S&P500指数の営業利益率予想が昨年10月中旬に勢いを失った。決算発表シーズンでは、投入コストの上昇と労働力不足に関する企業の警告が相次いだ。
【川田コメント】
ストラテジストのコメントは、相場の注目点を気付かせてくれるので意味がある。ただし彼らの予想水準を信じることはない。
何を頼りにマーケットに対峙するのか?
米国株式の長期上昇に対する信念
マーケットの季節性、アノマリー
金利と株価
地政学リスク
コロナはもう相場にサプライズではない
以下、いくつかの視点を列挙
なお、債券と株価の関係については連載中の「これでばっちり!米国株式を使った資産形成術のすべて」の今週号「第5話 知っておくべき米国市場の特徴」で「金利と株価」について言及している。この記事と併せてお読みいただきたい。
①季節性
過去20年間のS&P500指数の日足を合成した年間チャート。
年初はそれほど強く無い
②大統領選挙と株価
大統領の任期と株価には相関関係がある。そして就任2年目、つまり今年の株価は、過去の記録によると任期の4年間で最低だ。
大統領就任2年目の株価パフォーマンス
上昇率は大統領の出身政党が共和党の2.9%に対して、民主党は5.6%と約2倍。下記の薄赤は共和党で青が民主党出身の大統領
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
新連載「これでばっちり!米国株式を使った資産形成術のすべて」
はじめに
今回、資産形成に必要な基本的な内容を網羅した連載シリーズを始めます。全体の構成は以下のように考えています。
我々はどのような時代に生きているのか?全二回
自立した日本人と自立に欠かせない資産形成 全三回
株式市場は米国にしかないの? 全4回
日米株式文化の違い 全二回
知っておくべき米国市場の特徴 二回目
S&P500とは
なぜ米国は強いのか
おすすめの投資戦略~コア・サテライト投資~
コア部分の投資戦略
サテライト部分の投資戦略
何を買ったら良いのか
情報源と投資
第5話 知っておくべき米国市場の特徴 二回目
金利と株価
■金利や為替と株価の関係
継続的に景気が良くなり、金利が上昇する環境下では、金利水準が過熱しつつも、資金調達ニーズが強くなり続け、企業業績向上への期待が高まります。投資対象としての魅力は債券から株式に移り、投資マネーは債券市場から株式市場へ移動するため、下図のような流れで、金利上昇と株価上昇が起こりやすいです。
それでも、金利上昇が悪い影響を及ぼす場合があります。これは金利が上昇することで企業の借入れコストが上昇する為、設備投資が縮小しがちになるためです。個人消費でも、住宅ローン金利の上昇を背景に住宅購入を見送ることも考えられ、企業業績低迷への不安が高まって株価が下落することもあります。
金利や為替と株価の関係│はじめての株式投資│SMBC日興証券
■金利と株価の現実の関係、過去40年間
米国国債と金利
米国の債券市場は、世界の債券価格を決定する土台です。その中心である米国債は経済成長を反映するベンチマーク(指標)とされています。
特に「長期金利」のベンチマークである米10年国債の金利は、債券市場だけでなく、株式市場から金融市場、経済市場まで広範囲に影響します。なお、「政策金利」とも呼ばれる短期金利は各国の中央銀行の金融政策に基づいて決定されるのに対し、長期金利は資金の需要と供給のバランスにより変動します。
■米国10年国債金利(過去40年)
過去40年ほど長期金利は一貫して低下傾向にありました。
10年国債利回り過去5年
2018年年末2.686%、2019年末1.919%、2020年末0.916%、2021年年末1.512%
政策金利:FF金利(1954年以降)
米国の長期金利上昇局面における株価の動き
岡三証券グローバルリサーチセンター高田創さんの「40年の体験に基づく、米国金利上昇事例の回顧 -」によれば、彼の定義に基づく金利上昇局面は過去40年ほどで18回あった。その間に株価が上昇したのは14回で下落は4回だ。
高田さんのレポートでは、以下の期間の長期金利、FFレートそして株価の動きをチャートで解説しているので参照頂きたい。
①1980年代前半、二桁の米国長期金利
②1980年代後半、ブラックマンデー前の金利上昇も含め、市場の過熱から利上げに
③1990年代前半、不動産不況後の金利上昇
➃1990年代後半、「根拠なき熱狂」と金利引き上げ
⑤2000年代前半、ITバブル後の金利低下は2003年に底入れ
⑥2000年代後半、リーマンショック後の緩和と金利反転
⑦2010年代前半、リーマンショック後のテーパリング
⑧2010年代後半〜現在、ポスト・コロナショックへの金利上昇
高田さんの40年の経験
「2020年のように、金利が低下するなかでも株価が上昇する「いいとこどり相場」はあくまでも例外的で、過剰流動性によるもの。通常、株式と債券は逆相関の関係で現在はその正常化への過渡期的な状況だ」
今回の利上げ
今回の政策金利(FFレート)は、現時点で今後3年ほどかけて10回程度上方に誘導されるとされています。前回のサイクルでは、2015年12月から2018年12月まで9回引き上げられ、2.5%に達しました。2018年後半に入り景気が弱含んでいるなかでFRBは利上げの姿勢を崩さず、S&P500指数は秋の高値から12月24日まで19.8%下落しました。
今回の利上げサイクルでは、どこまで引き上げられるのでしょうか?現時点では今年と来年に3回ずつ、そして2024年は2回というのが基本シナリオです。そして上限では2%程度と考える専門家が多いようです。
また米10年国債の利回りですが、私が編集している「バロンズ・ダイジェスト」では、2021年初の時点で2021年末は1.8~2%程度だと予想していたストラテジストが多かったです。しかし現時点の10年債利回りは1.5%程度なので、この予想利回りは“未達”状態です。そして2019年、2020年も年初予想に利回りが達しない、“未達”状態でした。ちなみに、2018年末2.686%、2019年末1.919%、2020年0.916%、2021年12月31日現在1.512%。
10年国債の利回りがそれほど上がらないのは、「先進国の成熟化、高齢化、生産性の低下、潜在成長率の低下」など、世界共通の構造問題があるからだと言われています。
今年はFFレートが上方に誘導されて、短期金利には押し上げ圧力がかかります。この状況で景気回復を反映して長期債の利回りが上がらなければ、10年国債と2年国債の利回りが逆転する“逆イールド”が起こるかもしれません(可能性は低いと思いますが)。そしてこの逆イールドから1~2年以内に、多くの場合は、景気後退を経験してきました。
米国の長期金利上昇局面における株価の動き(1980年~2000年)
米国の長期金利上昇局面における株価の動き(2000年~2021年)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
5.川田のお散歩
◇◇最近行ったお気に入りのお店(映画、美術館編)◇◇
映画『ダークウォーターズ』
「1998年、オハイオ州の名門法律事務所で働く企業弁護士ロブ・ビロットが、見知らぬ中年男から思いがけない調査依頼を受ける。
ウェストバージニア州パーカーズバーグで農場を営むその男、ウィルバー・テナントは、大手化学メーカー、デュポン社の工場からの廃棄物によって土地を汚され、190頭もの牛を病死させられたというのだ。
さしたる確信もなく、廃棄物に関する資料開示を裁判所に求めたロブは、“PFOA”という謎めいたワードを調べたことをきっかけに、事態の深刻さに気づき始める。デュポンは発ガン性のある有害物質の危険性を40年間も隠蔽し、その物質を大気中や土壌に垂れ流してきたのだ。
やがてロブは、7万人の住民を原告団とする一大集団訴訟に踏みきる。しかし強大な権力と資金力を誇る巨大企業との法廷闘争は、真実を追い求めるロブを窮地に陥れていくのだった……。」
【川田コメント】。
ESGの気運がこれだけ高まっていることもあり、興味深く観た。デュポンは地元への雇用をもたらすが、映画の中では徹底した悪者だ。ただし訴訟に踏み切る弁護士もなかなか報われない。
デュポンのような企業は世の中に必要だが、その社会的コストがずいぶん高い。文明の利器を享受するには社会全体でのコスト負担が必要だ。ここでも株主の冷徹なESG意識を企業の活動に反映する必要がある。株主は企業に儲けだけを求めてはいけない、その事を再確認する映画だ。
映画の中身については以下のサイトが参考になる
【映画】Dark Waters:米デュポン社を巡る裁判、化学物質PFOA | Amy's Blog(あみぶろ)
デュポン、S&P500指数の相対株価(1968年頃~)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
6.今後の活動情報
◇ストックボイス:1月5日、1月12日(水)11:00~
◇日経CNBC:1月19日(水)8:18~電話中継
1月25日(火)10:15~ゲストトーク
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
7.質問コーナー
質問
「ノリピ―も資産形成で失敗しているはずだが、どんな失敗を経験しているのだろうか?その失敗からも学びたいが?」
この質問のバックグラウンド
私のオンラインサロン「夢がかなう資産形成塾」で資産形成の極意を披露頂いたのがノリピ―(イラスト)です。彼は長年にわたる米国在住後、直近帰国した純日本人です。
「米国株式に目覚めたのは、1996年にシアトルのファイナンシャル・アドバイザー(米国人)から退職金制度の説明を受けた時で、それ以来401k(確定拠出型の退職金制度)で退職金を運用した。それと同時に米国株式の本質を知ってしまった彼は1996年頃から運用を始めた。毎夜Excelシートで日付、天気、気温、そして株価指数、ドル/円為替レートを入力し、その右横に保有株式の時価での総額と退職金ファンド評価額を入力し、大きく変動があった日にはその主な理由を記録。」
お答え
ノリピーは大きな失敗はしていないと思います。彼が401kと同時に個人でも投資をスタートしたのが1996年です。
勝利の方程式
①投資のタイミング:1996年はITバブルの2年目あたりで、このあと2000年までS&P500指数は毎年2割程度上昇しました(このメルマガのトップの年間騰落率表を参照)。
②投資に慣れるまで、最初はダウ銘柄だけに絞っていました。つまり最初はハイフライング銘柄はおろか、優良企業であっても見知らぬ企業には手を出さなかったわけです。ここが普通の人と違ってずいぶん謙虚で慎重です。そして、ここが資産形成で成功する秘訣の一つでしょう。
株式投資はビジネスと同じ感覚
私の周りにいる証券上がりの人間や怖いもの知らずの若者、そして日本株の“飛んだり跳ねたり”の短期売買が体に染みついているオジサン連中は、株価は見ていても投資先企業の財務や事業活動のリスクには恐ろしいほど無頓着です。
思うにノリピーの中では、それまで勤めていた日系大手企業の海外プロジェクトで身につけたリスク管理感覚が、安易な銘柄選びに本能的な警鐘を発したのかもしれません。ビジネスマンが仕事と同じ感覚で株式投資をしている、つまり投資が“虚業”ではなく“実業”になっているわけですね。
③エクセルできっちり毎日ポジション管理。これも実行している人はずいぶんと少ないでしょう。私もエクセルで管理していますが、皆さんはどうですか?
証券会社の報告書を印刷して綴じてもいいのですが、すぐに枚数がかさんできます。そこで毎日でなくても週次でも月次でも証券会社の報告書
を観ながらエクセルかノートに記帳するのはどうでしょう。
その際に大事なのはS&P500やナスダック100の指数と自分の資産の変動が分かるような記帳の仕方が有効です。そうすることで、自分の資産が主要指数に勝っているのか負けているのかが判るようにすることが大切です。
乱暴な言い方ですが、単純に株価が上がった下がったで一喜一憂している人には、主要指数に負けている人が多いと思います。指数との相対パフォーマンスを明確にすることで、運用手法や支払い手数料への気づきがあります。
米国社会の理解度がノリピーの強み
もちろんノリピーにも小さな失敗はいくつもあるでしょうが、基本は優良株のバイ&ホールドとハイフライング銘柄の短期売買なので、失敗といえるほどの失敗はないでしょう。
ノリピーの強みは米国の社会と経済構造を知り尽くしていることです。そのため安易にポジション量やリスク量を落としていないし、銘柄選択も謙虚で賢明だと思います。
ノリピーが私の「朝会」動画に共感してコンタクトしてくれたことに本当に感謝しています。私は世界中で資産形成に目覚めた人を発掘し、ネットワーク化することで、日本に資産運用革命のトレンドを作りたいと思っています。
───────────────────────────────────
★ご質問は、以下の【質問ルール】をご一読後、
info@kawata-magazine.comまでお願いします。
【 質問ルール 】
◆全ての質問への回答はいたしかねます。あらかじめご了承ください。
◆いただいた質問は、当社サイト、YouTube動画等のSNS・書籍等に、個人を特定できない形で掲載する可能性があります。
◆ご購読が確認できない方の質問には回答いたしません。
◆明らかな広告・宣伝とみなされる部分は割愛する対象となります。
◆未購読にもかかわらず悪質な質問を投稿された方には、然るべき措置をとらせていただきます。
───────────────────────────────────
★免責事項
◆当社は、本メールマガジンにて提供する情報にて、株式、債券、ファンド、ETF等の有価証券、およびセクター等に関する売買等の推奨はしておりません。また、投資判断はメールマガジン購読者(以下、会員)の責任にて行うものであり、当社は一切の保障責任を負わないものとします。
◆当社は、会員が当社の提供するメールマガジンを利用して被った損害について、一切の保障責任を負わないものとします。
◆当社は、当社が提供する本サービスにおいて、会員間で生じたトラブル(違法又は公序良俗に反する行為の提案、名誉毀損、侮辱、プライバシー侵害、脅迫、誹謗中傷、いやがらせ等)に関して、一切の責任を負わないものとします。
◆当社は、本サービスの情報の内容が会員若しくは第三者の権利を侵害し、又は権利の侵害に起因して紛争が生じた場合、その侵害及び紛争に対して何らの責任も負わないものとします。
◆当社は、本サービスの停止又は中止、本サービス内容の変更によって受ける損害について、賠償する義務を一切負わないものとします。
───────────────────────────────────
■ 発行元:株式会社日比谷テクノロジー・ファイナンス
■ 川田重信のありがとうアメリカ株式
https://www.kawataamekabu.com/
■ Twitter:https://twitter.com/ShigenobuKawata
■内容に関するご意見・ご要望、購読解除はこちらから
【メール】info@kawata-magazine.com
■メールが届かない場合などは迷惑メール等に分類されている場合もありますので予めお確かめください。
───────────────────────────────────
ใช่ไหม?