FX裁量トレード無料講座#003ダマシで稼ぐ!ブレイクアウト手法…ダメ!ゼッタイ!
FX
はじめに
この講座ではトレード歴30年のEA職人が裁量トレードのノウハウを無料でお伝えしてまいります。私は名前の通りEAの開発を得意としておりますが、裁量トレードが苦手な訳ではありません。
実際、EAを運用しつつ裁量トレードも並行して行っており、16年前の脱サラ以降年単位で負けたことがありません。
その30年で培った知識をテクニカル分析を中心に、いつもお世話になっているフォロワーのみなさまへご提供したく思います。
私のEAに関してはこちらの記事をご参考になさってください。
夢の損小利大
#002機関投資家の悩みと大衆心理を利用して稼ぐ!の続きです。
今回はブレイクアウト手法についてです。
それまでインジケーターを見ながら何となく売ったり買ったりしていた超初心者がテクニカルトレードに目覚めた初期の頃、必ずと言っていい程通過する手法では無いでしょうか?
「上昇相場を観察すると、必ずレンジや直近高値をブレイクするところから始まっているのだからその瞬間にエントリーすればいい!」
と言う理屈ですが、実際やってみるとどうも上手く行かないことの方が多い。
『勝っているトレーダーは逆指値でエントリーする!』
と、どこかのサイトで聞きかじり…
「そうだったのか!」
と、このように青丸に逆指値を置き、「ブレイクアウト!ロング!月まで吹っ飛べぇ~!!」
と思った矢先すぐに落ちてきてしまい、せっかくの含み益がどんどん減ってガッカリ(´・ω・`)
「いや、勝率が多少低くても損小利大でトータルの利益を残せいいのだ!」
と頑張って続けてみるも、何故かトータルで利益が残らない。たまに大きく獲れるのだが、その後のトレードでコツコツ利益を吐き出し損切り貧乏に。
「何故だ!?」
トレーリングストップとチキン利食い
まずは基本的なことから。何故ブレイクアウトした後、すぐ息切れして落ちてきてしまうことが多いのか?前回の記事では大口の資金が~大衆のナンピンが~と解説しましたが、それ以外に短期トレーダーによる利益確定もあります。
当たり前ですが相場の参加者には様々な時間軸でトレードしてる人が居ます。同じデイトレーダーにしてもtick足を見ているスキャルパーを始め、1分足~1時間足を基準にトレードをしている参加者が居て、狙う値幅も0.1pips~100pipsと様々。
その中で比較的短い時間軸でトレードしている参加者による利益確定が、この押し目を作ることがあります。
それならこの後も上昇して行く可能性が高いので放って置けば良いのですが、大衆の多くはここでチキン利食いや建値撤退で振り落とされてしまいます。
プロスペクト理論などを学んだことのある方なら分かると思いますが、動物の本能として損失に耐える事より一度得た利益を失うことの方が何倍も苦痛なのです。
トレーリングストップなどはその苦痛を和らげつつ少しでも稼ごうという苦肉の策ですが、その本質はチキン利食いと同じ。
「余計なことをせず素直にホールドしておけば良かった…」
という経験ありますよね?
ダマシのメカニズム
更に問題なのが次のケース。いわゆるダマシですね。相場はどうしてこのような意地悪な動きをするのでしょう?誰が誰を騙しているのでしょう?
前回の記事でもやったように、想像力を働かせ考えてみましょう。
まず初めに、もし誰かがこのようなことを意図的にやっていると仮定した場合、そんなことが出来るのはやはり大口の投機家ですよね。
大口投機家の立場になってトレードすることを考えると、これも前回の記事でやりましたが彼らは資金量が豊富でポジションサイズも大きいという、我々からすると羨ましい悩みがあり、それがネックになっていると。
注文量が大き過ぎて思うようにエントリー出来ない。ポジションを集めるのに一苦労すると。
ここまで話せばもうお分かりですね?前回の記事をキチンと理解された方であれば。
あなたがファンドのトレーダーだとします。上司の命令でこれからショートポジションを大量に保有しなければなりません。少しでも有利な場所でショートすればボーナスが出ます。
「何とかして大衆を騙し、少しでも上の方でショートポジションを集めなければ!俺のボーナスの為に!!」ってなりますよねw
前回の記事と同じで、レートをなるべく動かさず大量にショートするためには誰かにロングさせなければなりません。
そこで前回と同じように板情報を見ます。
そして…『おや?赤いラインの少し上にストップ注文が大量に溜まっているぞ!』ということを発見したとします。
「ショートしたときは直近高値の少し上に損切り注文(逆指値)を置きましょう」
という自称FX講師がセミナーで言ってそうなルールを忠実に守っているようです。ワンワンッ!
赤いラインの下でショートをしたトレーダー達の損切り注文(逆指値)とは、つまりロングのことですよね。であれば、そこまで値を動かしてから自分のショート注文をぶつければ、何もせずにエントリーするよりは平均取得単価を有利にすることが出来ます。
まずはロングで値を持ち上げ、ストップの溜まっているところまで到達したら決済と同時にドテンショート。この時、新規でブレイクアウトのロングをしてくれる大衆トレーダーもいるでしょう。
しかし1回目の記事でもお話したように大衆トレーダーが1000人集まっても1ファンドの資金量には及びませんので、結局多数決では大衆が勝っても資金量では負けてしまい、結果下落します。
これがダマシのメカニズムです。
【多数派はいつも間違える】
マーク・トゥエインが残した有名な警句ですが、特に日本人は大衆迎合・全体主義のDNAがあり、流され易いので注意が必要です。
右往左往する大衆
想像力を働かせながら実際のチャートを見てみましょう。それぞれの場所で何が起こっているか分かりますか?まずは典型的なダマシですね。レンジを上にブレイクしたと見せ掛けて反対方向へ抜けていく。俗に言うストップ狩りです。ここで大口がショートポジションを大量に保有しました。
レンジを上に抜けた時、ここで飛び乗りロングをした大衆が一定数いると思います。飛び乗らなかったとしても目線が上になり、「どこかでロングしよう」と考えていたと思います。
ところがその後、一直線に下落して行ったので大衆はどうしていいか分からず思考停止します。ロングしてしまって含み損に耐えているトレーダーもいる事でしょう。
その伸びた先で再びレンジになりました(画像中央)。大衆は最初の下落に乗れなかったことを悔やんでいます。
前回の記事でもお話ししましたが、大衆と言うのは目立つ値動きにばかり注目し、「何とかしてそれを獲る方法は無かったのか!?」の手法ばかり追いかけ、そして「次こそは…!」と考えています。
そんな状況で再びレンジブレイク!安値更新!「もう置いて行かれるのはイヤだ!!」と飛び付きショートをします。下の白丸です。
「さっきは怖くてショート出来なかったけど、再び入りそびれて悔しい思いをする方がもっと怖い!流れは下だし大丈夫だろう!」
しかしあれよあれよと戻って行ってしまい、「またダマシなのか!?大きく戻って行ってしまうのか!?」と怖くなって撤退。その後、再び下落して「ちくしょー(゚Д゚)!俺が撤退したら!!」となるw
大衆には耐えられない動き
このように途中で意地悪な動きをして大衆を振り落とすのにも理由があります。それは値を軽くする為。今回の例の場合ですと、大衆のショートポジションが足枷(あしかせ)となり、思うように下落が進まなくなることが懸念されます。
何故なら大衆はちょっと利益が出るとすぐ決済しますよね。ショートの決済はロングです。
この後、大衆に新規ショートさせながら大きく下落させたいのに途中で水を差すような決済(ロング)が頻発すると進みが悪くなり(値が重くなり)、大口はこれを嫌います。
だからそうなる前に纏(まと)わり付く大衆を振り落としておくのです。大衆がこのような揺さぶり―――含み益が増えたり減ったりする値動き―――を乗り越えられないことを大口は心理学的な側面からも良く研究し理解しています。
対策
はい。ではどうすれば良かったのか?ですよね。前回の記事を理解された方ならもうお分かりかと思いますが、赤丸のところで戻り売りをするのが最も安全で優位性も高いです。最初の下落も獲れれば良かったのですが、前回の記事でもお話したように裁量で全ての値動きを獲ることは不可能です。
もし最初の下落を獲るのであればストップ狩りになることを予想し、最初の白丸で大口と同じようにショートをするか、その後のブレイクアウトに乗らなければなりません。
左側の状況によっては最初の白丸でショートすることも不可能ではありません。実際、私もストップ狩りを利用した手法を持っており、そのようなエントリーをすることはありますが上級者向けです。
まずは赤丸のような場所を確実に獲れるようになってから少しずつ腕を磨いていくのがスキルアップの順番としては健全かと思います。
基礎が出来ていないのに、いきなりプロ選手のハイレベルな技をマネしようとするのは小学生がごっこ遊びでやることで、それでは上達しません。
幻想
最後に、こんなブレイクアウトは幻想と言うお話をします。注目するのは3ヶ所です。
- ダマシ 上に抜けるとしたら、まず下に抜けて大衆を騙す。
- 前の攻防 なんの抵抗もなくレジスタンスラインを抜けるのは怪しい。再びレンジに潜ってくる可能性が高い。
- 後の攻防 途中で押しを作らず一直線に上昇して行くことは稀。
毎日トレードをしていれば、これらのどれも満たさずブレイクアウトしていくことも勿論あるでしょう。例えば指標発表など。
ですがトレードとは可能性に賭けるゲームですよね。3つのうちのどれも満たさない可能性が低いことは統計的にも間違いありません。
どこに統計的優位があるのか?を理解していればトータルで負けることは無くなるはずです。
例えばですが、一番最初の下抜けブレイクをご覧ください。
このブレイクの直前にダマシ(白丸)がありますよね。だから今回のブレイクには信憑性がある…優位性が高い…本物だ…のように考えることが出来ます。
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#004手法を使い分ける為、相場環境をキチンと定義する
■私の開発したEAもよろしくお願いします。
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