【最悪に備えよ】CLO・ハイイールド債、リスク深刻化の恐れ
人は99%が動物 1%が人間で
その1%が問題を起こす
君は逆だと思ってるんだろ?
『リーマン・ブラザーズ最後の4日間』
(マイケル・サミュエルズ監督)
より引用
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こんにちは、下山です。
「昼も夜もお客さんの入りは以前の半分くらいすね。
少しずつ戻ってきてはいるんですけど、
いや、あと1ヶ月続いたら閉店も考えないと・・・。」
3月の中旬頃、
東京赤坂の飲食店オーナーが冗談ぽく、
しかし真剣な目つきで
そう話しているのを耳にしました。
聞いていて胸が痛くなりましたが、
苦境に立たされている方少なくないと思います。
世界が1日も早くコロナの呪縛から
解放されることを願うばかりです。
でも、コロナウイルスが終息を迎えたら
果たしてそれで安心できるのでしょうか?
そうは思えません。
コロナウイルスの問題があってもなくても、
そもそも金融業界に爆弾が存在していることに
変わりはないからです。
そう遠くない未来に、リーマンショックを上回る
金融危機が訪れる可能性もある、と想定し
準備しておくべきです。
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リーマン・ブラザーズ最後の4日間
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先日、Amazonで
『リーマン・ブラザーズ最後の4日間』
というドラマを観ました。
リーマン・ブラザーズ倒産直前の
焦りや緊迫感がリアルに伝わってきますが、
その根底に流れるものを一文字で表すのならば
「欲」
です。
「マイホームが欲しい」
「無限に金を稼ぎたい」
「リーマン・ブラザーズを安値で売却したくない」
・・・etc
登場人物が抱える果てしない欲が
ぶつかり合い、最悪の結果を引き起こします。
欲が悪いと言いたいわけではありません。
欲があってこその人間ですから。
しかし、金融危機を
引き起こすほどの際限なき欲は
悪だと言わざるを得ないと感じさせます。
そして、
リーマンショックから10年以上を経た今も
相変わらず金融業界には欲が渦巻いています。
今もまた、リーマンショック時に似た状況が作られています。
それもパワーアップして・・・。
人間は懲りずに
何度でも過ちを繰り返す生き物ですから
仕方ありませんね。
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CLOという魔の商品
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今、金融業界は「CLO」という爆弾を抱えています。
「CLO」については以前のメルマガでもお伝えしましたが、
改めて簡単に説明させてもらいます。
まずは「レバレッジドローン」の話から。
企業にとって資金調達は生命線です。
資金の流れが滞れば文字通り終わりです。
特に信用力が低くて
なかなか資金を借りることができない企業にとって
悩みのタネであるわけですが、
信用力が低くても受けられる融資が存在します。
それが「レバレッジドローン」です。
英語で書くと、Leveraged loanとなります。
たまにドローン?
と思う方がいらっしゃいますが、
レバレッジ + ドローンではありませんのでご注意ください。
レバレッジド + ローンです。
レバレッジには
「てこ」という意味があります。
小さな力で大きな力を動かす
むかし学校で習ったあれですね。
トレード経験者の方であれば「レバレッジ○○倍」
という言葉を聞いたことがあるかと思います。
自分が持っている資金の何倍もの資金を使って
トレードできる仕組みですが、
まさに「てこ」のようなものですね。
「レバレッジドローン」も信用力の低い企業が
融資を受ける、ということでいうと、
「てこ」のようなイメージです。
まあどちらにしても結局のところ
「借り入れ」ですから、金融業界では一般的に
「レバレッジ=借り入れ」
という共通概念があります。
で、本題ですが
そのレバレッジドローンをまとめて証券化したものが
「CLO」です。
「信用力の低い企業への融資」をまとめて
証券化した商品ですから、
CLOは誰がどう考えても
リスクの高い商品に違いありませんよね。
しかし、AAAの格付けが与えられるCLOが存在します。
「仮に企業がお金を返せなくなっても
優先的にお金が返ってきますよ」
ということでAAAの格付けになっているのですが・・・
CLOの元になっているレバレッジドローンは
そもそも信用力の低い企業への融資ですからね。
CLOになったからといって
リスクが緩和されると考えて良いのでしょうか?
答えは明白です。
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ハイイールド債も
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もう1つ爆弾があります。
「ハイイールド債」です。
言葉を聞くだけで難しそうでイヤになる方も
いらっしゃるかもしれませんが、
難しいものではありません。
こちらも信用力が低い企業の資金調達方法の1つで、
「社債」です。
イールドを英語で書くと「yield」で、
意味は「利回り」です。
つまり、
「ハイイールド債」=「利回りが高い債権」
ということですが、
利回りが高い、ということは
「リスクが高い」ということです。
信用力の低い企業が発行する社債ですから、
リスクが高いのは当たり前ですね。
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特にヤバいのはシェール関連企業
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で、今まさに
レバレッジドローン、CLOやハイイールド債などが
金融業界で不安視されています。
コロナウイルスの影響で経済が停滞し、
多くの企業が大きなダメージを受けているのは明らかです。
信用力が低い企業は体力がありませんから、
レバレッジドローンやハイイールド債への
ネガティブな影響は免れないでしょう。
特に怖いのは、原油価格暴落の影響により
窮地に立たされているアメリカのシェール関連企業です。
アメリカのシェール関連企業は
1バレル40~50ドル程度で
採算が取れると言われており、
それ以下の価格が続くようですと、
倒産の可能性が一気に高まってきます。
そして
「低い格付けがなされている
アメリカ・シェール関連企業のハイイールド債がヤバい」
と囁かれています。
ヤバいヤバいと不安を煽りたくはありませんが
現実を直視して、常に備えておくことが重要です。
それでは本日も最後まで
ご覧くださいましてありがとうございます。
下山敬三
ใช่ไหม?