株は世紀の大バーゲン!?フィボナッチ61.8%の押し目価格は。
こんにちは、下山です。
少々前の話になりますが、ブルームバーグで
『「一生に1度の大バーゲン」、世界の超富裕層が株式爆買い』
そんな見出しの記事を見かけました。
↓
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-20/Q7HKRPDWLU6901
こういう記事を見ると血が騒ぐ方も
いらっしゃるかもしれません。
「ここで買わないでいつ買うんだ?」と。
一方で、
「買いのチャンスだ!
と言っている人がいる時点で底はまだまだ深い」
と見る人もいます。
相場の未来はどれだけ真剣に考えても分からないので、
こういう記事は気にせず
ただご自身が決めた取引ルールに従い
淡々と取引を続けることが肝心です。
ただ、人間は弱いもので
先が見えない状況に恐怖をおぼえてしまい
非合理的な行動に走ってしまうものです。
そんな時、何かしらの目安が1つでもあれば
メンタルが安定する方もいらっしゃるでしょう。
そこで本日は日経平均株価にも大きな影響を与える
NYダウについて、目安となる価格を考えてみたいと思います。
====================
リーマンショック時は50%超オフ
====================
まずは、リーマンショック時のNYダウ平均株価の動きを
(終値ベースで)振り返ってみましょう。
NYダウは2007年10月9日に
14164.53ドルをつけました。
当時の史上最高値です。
しかし、そこから一気に下落し、
リーマン・ショックの翌年、
2009年3月9日には6547.05ドルをつけました。
14164.53ドル
↓
6547.05ドル
その下落率は約53.8%です。
半額以下の大バーゲンです。
もし今回も同様に
約53.8%下落したとしたら・・・
2020年2月12日につけた
史上最高値29,551.42ドル
をもとに計算すると、
約13653.75ドルとなります。
今回の暴落が
リーマンショック級であれば、
これくらいの下落があってもおかしくない
と考えられます。
当時は約1年半かけて50%以上、下落しましたが、
そこまで時間がからない可能性もありますね。
====================
フィボナッチ・リトレースメント
====================
と言っても過去は過去であり、
リーマン時と同じような動きになるという理論は乱暴です。
そこでテクニカル分析の
「フィボナッチ・リトレースメント」によって
示される価格も合わせて紹介させてもらいます。
多くのトレーダーが参考にする
テクニカル分析ということもあり、
知っておいても損はないでしょう。
最初に断っておきますが、
自分自身、普段テクニカル分析によって
取引は行っていません。
テクニカル分析に頼らずとも
利益を出すことができますので。
ただ、冒頭でも申し上げた通り、
何らかの目安となる価格があることで
安心できるトレーダーの方も少なくないはずです。
ですから、ここでは1つの参考価格として
テクニカル分析の
「フィボナッチ・リトレースメント」によって
導き出される押し目買いのチャンスとなり得る
目安の価格を紹介いたします。
====================
押し目買いの目安となる価格を計算
====================
まずは
「フィボナッチ・リトレースメント」について
簡単に紹介しておきます。
「フィボナッチ」
というのは人の名前ですね。
昔、フィボナッチさんという
イタリア人の数学者がいました。
1170年ごろから1250年ごろまで
生きていたと言われる天才数学者です。
そして、彼の名前にちなんで名付けられた
フィボナッチ比率というものがあります。
フィボナッチ比率について
ここでは詳しく説明しませんので
興味があればご自身で調べてみてください。
「フィボナッチ・リトレースメント」
の「リトレースメント」は「戻り」という意味です。
ご存知のように株価は基本的に
波を打ちながら動きます。
上昇相場の中にも押し目があり、
下落相場の中には戻りがあります。
ずっと上昇し続ける相場も
ずっと下落し続ける相場もありません。
で、上昇の中にある押し目、
下落の中にある戻りの目標価格を
「フィボナッチ比率」を使って計算する方法が
「フィボナッチ・リトレースメント」です。
では、具体的に計算してみましょう。
=====================
フィボナッチが示す押し目価格は14,216ドル
=====================
「フィボナッチ・リトレースメント」において
38.2%、
50%、
61.8%
これらの水準が一般的によく計算に使われます。
たとえば上昇相場においては
安値から高値まで上昇したその値幅に対し、
38.2%、
50%、
61.8%
それぞれの比率だけ下落した価格水準が
押し目買いのチャンスになる可能性がある、ということです。
フォボナッチの計算をする際は、どの価格を
最安値と最高値に指定するかによって
もちろん計算結果は変わってきますが、
今回はリーマンショック後の最安値、
6547.05ドルと、
2020年2月12日につけた
史上最高値29551.42ドルを基準に計算してみます。
(※計算を簡潔にするため小数点以下は切り捨てます。)
6547ドルから29551ドルまでの上昇値幅は
23004ドルです。
で、29551ドルから下落する中で
押し目となる価格を計算するわけですが、
まずは上昇値幅23004ドルに対する
38.2%、
50%、
61.8%
の値幅を計算します。
38.2%:約8788ドル
50%:約11502ドル
61.8%:約14216ドル
ですね。
29551ドルから
それぞれの数字を引くと・・・
38.2%:20763ドル
50%:18049ドル
61.8%:15335ドル
という価格が割り出されます。
上記それぞれの価格水準で
下落トレンドから
再び上昇トレンドに転じるか、
もしくは一旦短期的な反発がある可能性がある、
ということですね。
では、61.8%の価格水準を超えて
下落していった場合は?
76.4%という数字が使われることもありますが、
上昇トレンドが終わってしまった可能性も考えられます。
ただし、最後に強調しておきますが、
フォボナッチが相場の全てを教えてくれるわけではありません。
テクニカル分析全般を徹底して、
しかも適切に学ばれるのであれば話は少々違ってきますが、
そうでないのなら、フィボナッチの数字にとらわれすぎず
あくまで1つの目安として参考にされるべきです。
そして相場が思っていたのと違う動きに
なった時のシナリオを常に頭の中に描いておくべきです。
それでは本日も最後まで
ご覧くださいましてありがとうございます。
下山敬三
Is it OK?