【バフェット氏の歴史的大敗】6600億を失った心理学的理由
こんにちは、下山です。
もしあなたが現金100万円を渡され、
「1年以内にとにかく投資で稼いでください。」
というミッションを言い渡されたら何から始めますか?
「ポジションを持たないと何も始まらない。」
ということで焦ってポジションを持ってしまう方が
かなり多いのではないかと思います。
しかも100万円全額を使って全力買いをしてみたり・・・。
もし実際にあなたがそのタイプの方なら、
共有したい名言が1つあります。
こちらです。
↓
『木を切るのに8時間もらえるのなら、
私は最初の6時間を斧を研ぐことに費やす。』
第16代アメリカ大統領・リンカーンの言葉です。
斧を研ぐ、その準備こそが
何よりも重要だということですね。
この言葉に従うのなら、投資を行う際も
一年間のうち少なくとも最初の9ヶ月くらいは、
現金を一切動かさず、戦略を考え
適切な手法を身につけるための
準備にあてるべきだ、ということになります。
9ヶ月はちょっと長いかもしれませんが
少なくとも、3ヶ月、あるいは半年くらいの間は
現金を投入することなくデモトレードなどで
練習もしてみるべきでしょう。
「とにかくポジションを持ってみる」
なんてやり方は言語道断です。
確かに、実際に現金を動かして取引してみないと
分からないこともたくさんあります。
練習と本番では違いますからね。
しかし、何の戦略も持たないで
焦って現金を動かすことほど
愚かなことはありません。
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投資には、絶対に避けるべき道がある。
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では、投資を始める前の準備として
どのように学ぶのが良いのでしょう?
実際に勝っている人から教わる、
ということももちろん有効ですが、
「他人の失敗」から学ぶのも有効です。
正しい行動をとることはもちろん大切ですが、
投資には「絶対に通ってはいけない道」
があり、その道を避けられるかどうかが
勝敗を分ける、と言っても過言ではありません。
そして、その避けるべき道というのは
「他人の失敗」から学べます。
ただ、残念ながら失敗談は
成功談に比べてあまり世の中に出回りません。
誰だってそうですが、自分の「失敗談」を
人に話すのはイヤですよね。
あなたも「実はこれだけ損をしました」
なんてこと、できれば隠しておきたいはずです。
ですから、失敗談はあまり聞く機会がありません。
とは言え、失敗や過ちを素直に認め、
包み隠さず公表する稀有な投資家も中にはいます。
世界No.1投資家である、
ウォーレン・バフェット氏もその1人です。
あのバフェット氏だって、万能ではありません。
時には大きな過ちをおかします。
多額の損失を出してしまったことも実際にあります。
しかし、バフェット氏はそれを包み隠さず
適切に対処し、そして今の地位を確立しました。
では、バフェット氏は具体的に
どのような過ちをおかしたのか?
今回はバフェット氏がおかした
その最大のミスについて紹介させてもらいます。
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バフェットがミスをおかした心理学的理由
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1993年、バフェット氏が率いる
バークシャー・ハサウェイは
アメリカの靴メーカーである
デクスター・シュー・カンパニーを
4億3300万ドルで買収しました。
しかし、最終的にデクスターの価値はゼロになります。
ゼロです。
しかも、デクスターを買収する際、
バークシャー・ハサウェイは
4億3300万ドル分の自社株を使っています。
その4億3300万ドル分の自社株を
今のバークシャー・ハサウェイの株価で換算すると
約60億ドル分になります。
日本円換算すると約6600億円です。
つまり、
バフェット氏は6600億円をまるまる失った
とも言えます。
では、なぜバフェット氏ともあろう人物が
これほどまでに大きなミスをおかしてしまったのでしょう?
1つ、心理学的観点からの考察を紹介いたします。
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心理学者のデール・グリフィンと
エイモス・トベルスキーは、
「手に入った証拠が問題の仮説をある程度裏付けていると、
直観的な判断はその影響を過度に受けてしまう」
と指摘した。
バフェットの手元にあった事実は、
デクスターの財務データと買収価格案、
そして、H・Hブラウン買収に
成功した体験だけだった。
しかもその成功からまだ2年もたっていなかった。
バフェットは、人であれば誰でも陥る行動パターンにはまり、
デクスター買収の決断に当たって、
「つい最近、H・H・ブラウンの買収がうまくいった」
という最も鮮明な成功体験にすがってしまった。
マイケル・バトニック
『ビッグミステイク(日経BPマーケティング)』
2019年9月24日 第1版第1刷発行
P.133より
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一言で言えば、
過去の成功体験にすがってしまった、
ということですね。
「前もうまくいったから今度もうまくいくだろう」
という安易な気持ちが失敗を生んでしまったと。
百戦錬磨のバフェット氏でさえ
このようなミスをおかすのです。
ぜひあなたもバフェット氏の失敗を
糧にしていただければと思います。
投資を行うと、思いがけず
大きな利益を手にすることがあります。
いとも簡単に大金が転がり込んでくることがあります。
しかし、転がり込んできたラッキーな大金を
不幸の始まりにしてしまう方が
大勢いらっしゃいます。
12月に入り、日経平均株価は
年初来高値を更新しました。
このタイミングで大きく利益を伸ばした方も
いらっしゃるでしょう。
しかし、もし大きな利益を得られたとしたら
こういうタイミングこそ気をつけるべきです。
たとえば2020年に入って
一気に株価が下落してしまい
年末に得た利益をすべて失った、
なんてことにならないよう
どうぞお気をつけください。
本日も最後まで
ご覧くださいましてありがとうございます。
下山敬三
Is it OK?