【フジトミ】弱気な在庫統計を嫌気して海外原油は高値から大きく値を消す
(NY貴金属)
5日のNY金はNYダウ急伸を嫌気して急落している。NY金期近6月限は前日比9.9ドル安の1248.5ドル、NY白金期近7月限は同4.9ドル安の959.6ドル。
NYダウの不安定な値動きに翻弄され、NYダウの急伸局面では1245.4ドルまでNY金は急落した。その後のNYダウの高値から100ドル以上の値崩れを好感して、1250ドル台を一気に回復し、下げ幅を縮小している。前日の1260ドル台示現の水準から20ドル近くも急落するものの、その後の切り返しで、下ひげのやや長いチャートを形成するなど、底固さも伺えるという。NYダウの波乱の展開に今後ともNY金は振り回されることが想定されるが、それだけに、金をリスクとして買う動きが強まると考えたい。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
5日のWTI原油は波乱の中、小幅高にとどまった。WTI原油期近5月限は前日比0.12ドル高の51.15ドル、北海ブレント期近6月限は同0.19ドル高の54.36ドル。RBOBガソリン5月限は同0.64セント安の171.53セント、NYヒーティングオイル期近5月限は同1.12セント高の160.35セント。
注目の米EIAの在庫統計で、原油在庫は前週比156.6万バレル増、ガソリン在庫は同61.8万バレル減、中間留分在庫は同53.6万バレル減となった。原油在庫は予想以上の増加をみせ、石油製品在庫の減少幅は予想以下の水準であり、市場が期待した強い内容とは対照的で、弱い結果が示された。石油需要が後退する一方、原油生産は6週連続の増加をみせるなど、原油在庫は統計上の過去最高をさらに更新した。発表に対する期待先行でWTI期近5月限は51.88ドルまで急伸していたが、その後、急落し、米EIAの発表から1時間語には50.86ドルの安値を示現した。その後、51ドル台を回復したが、上値の重い展開をみせていた。弱気な内容だった割に、プラス圏を維持する展開をみせたが、取り巻くファンダメンタルズはあまり良くない。
(CBOT大豆)
5日のCBOT大豆は値ごろ買いとアルゼンチンの降雨を好感して反発している。期近5月限は前日比6.25セント高の944.00セント、新穀11月限は同5.00セント高の954.00セント。
アルゼンチンでは降雨が続くとみられ、収穫遅れの連想も台頭した。また、中国の習国家主席の訪米に合わせて、米国大豆の大量成約期待もあり、思惑買いに一時急伸した。しかし、アルゼンチンの降雨による影響は限定的で、ブラジルからの輸出攻勢に影響はなく、中国の大量成約があっても、前倒しで成約されるだけに、知ったらしまいの展開も予想され、米国時間帯では高値から値を消していた。11日の需給報告でのかなり弱気な内容も警戒されるだけに、自律反発に過ぎないとみられている。
(CBOTコーン)
5日のCBOTコーンは小反発。期近5月限は前日比1.50セント高の364.50セント、新穀12月限は同1.25セント高の389.00セント。
大豆反発を好感してコーンも戻り歩調をみせていた。戻り局面では米コーンベルトの降雨予報も支援材料になっていた。しかし、作付序盤だけに、この降雨は恵みの雨とも評価されるだけに、作付遅れにつながるとの思惑も限定的。引けにかけてテクニカルな買いに高値を更新する動きもみられたが、利食い売りでその後、上げ幅縮小へ。
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