【フジトミ】リビアの減産解消を受け、原油は反落
(NY貴金属)
3日のNY金はロシアでの地下鉄爆破や米経済指標の悪化を受けて小幅続伸。NY金期近6月限は前週末比2.8ドル高の1254.0ドル、NY白金期近7月限は同5.8ドル高の958.2ドル。
米ISM製造業景況感指数は57.2で、事前予想の通りだったが、前月の57.7を下回ったことで、景況感の悪化が警戒され、株価が売られ、金のヘッジ買いにつながっていた。その前にロシアでの地下鉄爆破事件が発生していたが、イマイチ、リスク買いにつながらず。この米ISM製造業景況感指数をキッカケにして、ロシアの事件もリスク要因に評価され、1255.9ドルの高値を示現した。ただ、6-7日には米中首脳会談、7日には米雇用統計を控えており、金の上値追いの買いもイマイチ限定的だった。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
3日のWTI原油は反落。WTI原油期近5月限は前週末比0.36ドル安の50.24ドル、北海ブレント期近6月限は同0.41ドル安の53.12ドル。RBOBガソリン5月限は同0.93セント安の169.37セント、NYヒーティングオイル期近5月限は同1.12セント安の156.34セント。
原油急伸のキッカケの一つだったリビアの原油減産が週末の日曜日に回復したとの情報が流れた。武装勢力の攻撃で減産を強いられ、22万バレルの減産をみせていたが、それが12万バレル程度、回復したという。まだ、完全な回復ではないが、今週末にも完全に回復する見透しも示され、原油の値崩れにつながった。また、原油急伸のもう一つのけん引役だったNYガソリンの反落も売り材料に。NYダウの急落もあり、利食い売りをもたらしていたようだ。米国ではトランプ米大統領が署名した環境規制撤廃の大統領令を提訴する動きもみられ、原油増産に対するブレーキがかかるとの心理面の売り材料に。結果的に、WTI期近5月限は51ドルを前にして足踏みで、50ドルを試す水準まで反落している。さて、注目のロイター通信による在庫統計に対する事前予想の中間報告がなされ、原油在庫は前週比40万バレル減に、石油製品在庫は軒並み減少しており、目先の支援材料になるとみられているが。
(CBOT大豆)
3日のCBOT大豆は期近中心に続落しており、引けにかけて下げ幅を拡大している。期近5月限は前週末比6.50セント安の939.50セント、新穀11月限は同3.25セント安の950.75セント。
アジア時間帯では自律反発の動きをみせ、その戻り歩調をしばらくみせていたが、米国の取引時間帯を意識すると、売り込まれることに。弱気な米農務省の作付意向面積と全米在庫を再評価して、売りを集めていた。4月の需給報告では、南米の生産高の上方修正が期待される中、弱気な全米在庫の影響で、米国の期末在庫の上方修正も避けられず、世界の大豆供給のさらなる拡大が想定されている。南米の売りが本格化する4月に入って、ファンドの失望売りが膨らみ、引けにかけて下げに拍車がかかったとみる。3月のブラジルの大豆輸出が過去最高だったことが明らかにされたことも、ファンドの失望売りにつながった模様。期近5月限は9.40ドルを下回っているが、9.20ドルが視野に入っているとみる。米農務省が発表した週間輸出検証高は事前予想範囲だったが、弱気な事前予想だっただけに、結果的には売り材料に評価されていた。
(CBOTコーン)
3日のCBOTコーンは一時続騰も、引けにかけて上げ幅を縮小している。期近5月限は前週末比3.00セント高の367.25セント、新穀12月限は同3.25セント高の391.50セント。
前週末に発表された強気の作付意向面積に加えて、週末のシカゴ引け後に発表されたCFTCの取組内訳で、大口ファンドのネットショートが指摘されたこともあり、週明けの一段高をもたらしていた。テクニカルな買いに拍車がかかり、期近5月限は3.70ドル台を示現する場面もみせた。米農務省が発表した週間輸出検証高が事前予想範囲内だったものの、高い水準の内容だったことも買い材料に評価されていた。ただ、引けにかけて、上げ幅を縮小し、3.70ドルを下回って取引を終えた。大豆の下げ幅拡大もあり、利食い売りをもたらしたとみられる。米コーンベルトでは前週末から恵みの雨が確認されており、作付には問題がない中、コーンの作付シフトの動きも予想され始めているとも考えられており、利食い売りにつながった可能性もありそうだ。
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