ロスカット以外の『含み損の対処法』
こんにちは、下山です。
トレーダーの方へ、
今年、2019年は稼げましたか?
今年は日経平均が大幅に下がり続けるようなことは
ありませんでしたし、多くの方にとって
相場状況は決して悪いものではなかったはずです。
ただ、それでもこの相場状況の中、
大きな損を出された方もいらっしゃるようです。
一気に損を出した、というよりは
バタバタと取引をして細かいロスカットをし続け、
気づけば結構な損失になっていた、という感じですね。
たとえば日経平均株価は
今年の6月、8月、2万円台に下落しましたが、
そういった場面で
「もしかしたら2万円割れもあるのではないか」
と恐怖を感じロスカットしてしまい、
結局2万円を割らなかったので
ロスカット分の損失を取り返そうとして
再度買いを持ち直し・・・
しかし、また下がり気味になってきた場面で
「ああ、やっぱり今度こそヤバイかも」ということで
再度ロスカット。
こんなふうに過度におびえすぎて、
ロスカットを繰り返し、トータルで
結構な額の損失を出してしまった方も
いらっしゃるでしょう。
「損切り貧乏」というやつですね。
でも、なぜそこまで恐怖を感じてしまうのでしょう?
一言で言えば、先のことが考えられていないからです。
下落したらどうするのか、
その対処法が考えられていないから
余計な恐怖を感じるわけです。
人間は先が見えないことに対して
最も恐怖を感じますからね。
ですから、いつもお伝えしているように
先のことをきちんと考えて、たとえ下落しても
その対処法が用意できていれば、恐怖心によって
余計な損失を出すこともなくなるでしょう。
ただ、残念ながら
一般的に株トレードの世界で
下落に対する対処法として教えられるのは
ロスカットばかりです。
「とにかく早くロスカットしなさい」
そんな教えばかりです。
これでは無駄なロスカットが増え、
損切り貧乏になるだけです。
そこで、本日はあなたに改めて
ロスカット以外の含み損への対処法を
お伝えしたいと思います。
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目標金額設定を大きくすると稼げなくなる!
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ロスカット以外の対処法について
お伝えする前に、1つお伝えしたいことがあります。
それは、「目標設定のワナ」です。
あなたはきっとトレードを始める際、
「これくらい稼ぎたい」という野心を持って
始められたと思います。
「とりあえず月に1万円稼げればいいや」
と考える方は少ないでしょう。
「年間に千万単位、もしくは億単位の利益を出す」
そんな壮大な目標を掲げて始められた方が多いでしょう。
世間一般的に「夢は大きく」という教えが
多いものですから、
投資の世界に壮大な夢を見て
大きな目標設定をされている方が
たくさんいらっしゃいます。
ただ、壮大な目標を掲げるのは避けるべきです。
かえって損をしやすくなるからです。
なぜか分かりますか?
ペンシルヴァニア大学の
ガブリエーレ・エッティンゲン博士らによる
こんな研究結果があります。
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ガブリエーレ・エッティンゲン博士らは、
「想像する成功が壮大すぎたり、
遠すぎる未来のものであると、かえって悪い結果を招く」という
研究結果を報告しています。
壮大で漠然としていたり、遠い未来の成功イメージは、
油断や甘えを生み、途中で遭遇する挫折への準備や、
目標達成に必要な努力をないがしろにするというのです。
濱栄一
『なぜ、成功者たちは「フシギな習慣」を持っているのか?(株式会社宝島社)』
2013年8月16日第1刷
P.33
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根拠もなく現状から遠すぎる目標を立てると、
その目標までの距離が遠すぎて、
真剣味が薄くなるんですね。
その目標がリアルに考えられなくなり、
行動にも甘えが生まれます。
だからこそ、壮大すぎる目標は避けるべきです。
では目標はどのように立てるべきか?
1つアドバイスを紹介いたします。
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それに対して、「近い未来の具体的な成功」を想像することは、
目標を達成するために効果的であることが分かりました。
期間や回数が決められている、
長期(大)目標のための短期(小)目標とでもいうべき
成功の想像です。
濱栄一
『なぜ、成功者たちは「フシギな習慣」を持っているのか?(株式会社宝島社)』
2013年8月16日第1刷
P.33
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これをトレードに当てはめて考えると、
短期的なトレード目標、
1回1回のトレードに対する目標を
立てると良い、ということですね。
一気にドカンと稼ぐことを求めるのではなく、
利益を積み重ねていくイメージです。
株アカデミーで教える「波乗り投資法」も
一気にドカンと稼ぐことを求めるのではなく、
利益を積み重ねていく手法ですが、
まさに上記アドバイスに合致する手法だと言えます。
では、その波乗り投資法を使う場合、
含み損に対してどのように対処するのか、
ということをお伝えいたします。
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ロスカット以外の『含み損の対処法』
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まず、ロスカットは「可能性をつぶす行為」です。
多くのトレーダーの方は
「ここまで株価が下落したのだから、
含み損が、含み益になることはもう考えられない。
早く楽になりたい」
と思いロスカットをしがちですが、
そのことによって1つの利益の可能性が消えます。
もしかしたら株価が一気に暴騰し、放置しておいたら
含み損が含み益になっていた可能性もあったわけです。
実際、
「ああ、ロスカットせず待っていればよかった」
と後悔された経験、あなたにもありますよね。
その貴重な可能性を
ロスカットは綺麗につぶしてしまいます。
これ、単純にもったいないと思いませんか?
「でも放置していたら損失が膨らむ可能性もあるから、
やっぱりロスカットしないといけない」
と思われるかもしれませんね。
その通りです。
傷口がこれ以上広がるのは絶対に避けたいところです。
では、傷口が広がらないようにしながら、
可能性も残すことはできないものでしょうか?
「そんな都合の良いことできない」
と思われるかもしれませんが、
できます。
反対売買を行えば良いのです。
「信用取引」が前提ですが、
買いポジションに対して含み損があるのなら、
売りポジションを持てば良いのです。
そうすれば
いったん含み損が一定額で固定された上で、
ポジションが決済されていないので
可能性も残されたままです。
その固定された含み損に対して
どのように対処するのか?ということですが、
例えば、固定された含み損はいったん放置し、
別のポジションを使って、
その含み損以上の利益を出して
最後にまとめて決済しまえば良いのです。
100円の含み損があるのなら、
他のポジションで100円以上の利益を出して
相殺決済すれば良いのです。
また、場合によっては
他にもそれら含み損を出しているポジションを
生かして利益に変えていく方法もありますが、
そのことについては今日は話しません。
さて、ロスカット以外の『含み損の対処法』
についてお伝えしましたが
この話は以前にもしたことがあります。
ただ、世間一般的にこのような話を聞くことは
無いかと思いますので
理解してもらうまでに時間がかかるかと思います。
ですから、何度でもお伝えします。
ぜひ、リスクを抑えた上で可能性も減らさない、
そのために反対売買を持つ、という考え方、
参考にしてみてください。
本日も最後までご覧くださいまして
ありがとうございます。
下山敬三
Is it OK?