【銘柄選定】大多数が無視するクリティカルポイント
こんにちは、下山です。
「この前さあ、アメリカからの留学生の子と話してた時、
音楽何聴くの?って聞いたら
“K-POP”て答えが返ってきて
ちょっとびっくりした。BTSが好きって。」
と知人が話していました。
下山:「その留学生はアメリカ人?」
知人:「そう。向こうの音楽は全然聴かないんだって。」
下山:「珍しいアメリカ人だね。」
知人:
「いや、そうでもないみたい。
アメリカでもK-POP人気なんだって。
周りでも聴いている友達いるみたいで。」
どうやらお隣、韓国のK-POPは
世界規模で人気があるようです。
日本でもK-POP好きな若い人は多いですよね。
また、ファッションに関しても日本では
韓国ファッションを参考にする人が増えているようで。
楽天が運営している
フリマアプリ「ラクマ」によるアンケートによると
「日本以外で最もファッションの参考にしている国は?」
という質問に対し、10代、20代のトップは「韓国」です。
10代女性に限って言えば「韓国ファッション」の支持率は
ダントツで約70%です。
(参照:https://ecnomikata.com/ecnews/23056/)
逆に、韓国人の中にも
日本のカルチャーが好きな人は多いようです。
日韓関係の悪化は続いていますが、
若い世代ほどお互いのカルチャーに好意を持っています。
ただ、今の情勢を考えると、
周りの目もあり、なかなか韓国から日本に行きづらい
という事情もあるようで・・・。
実際、韓国からの観光客が
極端に減っているというニュースもよく目にします。
この8月に関して言えば、
「韓国・釜山発着の日本路線8月の航空旅客が前年比32%減」
というデータが発表されています。
(参照:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190904-00000015-yonh-kr)
また、空の便でも運休や減便が相次いでいますね。
日本のLCCであるピーチも
韓国からの観光客が減っていることを理由に、
「3路線の運休、1路線の減便」を発表しています。
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銘柄選定で大多数が無視するクリティカルポイント
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さて、本題ですが、こういった状況を見て
「観光産業関連の銘柄はリスクが高い」
と改めて感じる方も多いかもしれません。
来年は東京オリンピックもあり、
観光は注目される傾向にありますが、
「世界情勢や災害など、さまざまな外部要因に影響を受けやすい
観光関連銘柄はしばらく避けたほうが無難だ」
と考える方もいらっしゃるでしょう。
確かに外部環境の影響を
大きく受けるということは否定できません。
そもそもピークとオフシーズンの差が大きい産業ですし、
有事の際にはピークのシーズンであろうと
想定外に売り上げが落ちるのが観光関連産業ですよね。
ただ、だからと言って
すべての観光関連の企業が危うい、
ということにはなりません。
例えば格安航空会社のピーチ・アビエーションは、
日本の厳しいLCC業界の中で
唯一勝ち組と言われ続ける企業です。
今年6月27日に発表された2019年3月期の単独決算は、
営業利益が41億円で、前期比29%減ではありましたが、
本質的に強い企業とされています。
なぜピーチが勝ち組であり続けられるのでしょう?
実はその成功の裏には企業としての、
ユニークな思いが存在します。
その思いとは?
「戦争をなくす」というものです。
「エッ、航空会社が戦争をなくすってどういうこと?」
と、
普通に考えれば話がぜんぜん繋がらないと思いますが、
しっかり筋が通っている話です。
その意味が説明されている
井上慎一社長の言葉を紹介させていただきます。
↓
“過去には日本とアジアの国々とのあいだで
不幸な出来事がありましたね。
ああいうことを二度と起こさないために、
友達がいろんな国にいるという状態にしたいんです。
そのためには若いうちからどんどん外国に出て、
いろんな文化に触れ、たくさんの人と知り合ってほしい。
ではどうするか?財布の軽い若い人でも乗れて、
いろんな国に行ける、
そういう航空会社が必要なんです。ピーチはそれをやるんです”
山口周
『ニュータイプの時代(ダイヤモンド社)』
2019年7月3日 第1刷
P.89より引用
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いかがでしょう?
とてもユニークな視点ではないでしょうか。
多くの方はピーチに対し、「安い航空会社」
というイメージしか持っていないかもしれませんが、
実はその裏にはこのような熱い思いがあったんです。
そして、この思いこそが
ピーチの強さを作る1つの要因になっていると考えられます。
↓
“この意味があるからこそ
「コストを下げよう」
「路線の数を増やそう」という
経営上の課題に対してシラケることなく、
創意と工夫を引き出すことができるのです。
なぜなら「コストを下げる、路線を増やす」という
「量的目標」に、ちゃんと「意味」が裏打ちされているからです。”
山口周
『ニュータイプの時代(ダイヤモンド社)』
2019年7月3日 第1刷
P.89より引用
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つまり、目の前の仕事に
どういった意味があるのか、ということを
井上社長がしっかりと打ち出すことで
社員の情熱が掻き立てられる、ということです。
あなた自身が社員になったとイメージして考えてみてください。
「この作業が世界平和につながる」
というような意味が感じられれば
モチベーションが高まると思いませんか?
そして、
この変化の激しい時代において
生き残れる企業というのは
こういう企業ではないでしょうか。
「仕事の意味」が存在し、
それが共感できる形で社員に共有されていて
モチベーションが高められている企業かどうか、
ということが、企業を判断する上で
1つの大きなポイントとなります。
あなたが「将来有望な銘柄に投資をしたい」と考え、
投資銘柄を選定する際は、
売り上げや利益などに注目されるかと思いますが、
「その企業が何のために存在しているのか?」
その存在意義に注目してみることも
有意義な視点です。
長期投資をお考えなら、
なおさら重要な視点ですね。
では、
日本企業の中でそういった「会社の存在意義」を
明確に持っている企業は
どういった企業があるでしょう?
・・・・
いかがでしょう、思いつきましたか?
残念ながら、あまり思い浮かばなかったかもしれません。
もちろん、それぞれの企業は理念を持って
経営されているかと思いますが、
代表が情熱を持って会社の存在意義を語り、
それが社員にも共有されモチベーションにも
貢献している企業というのは少ないように思います。
もしかしたら、
NYダウが7月にも再び最高値を更新するような中、
日経平均株価が2万円そこそこをウロウロし続けているのは
そういった点にも理由があるのかもしれません。
それでは本日も
最後までご覧くださいましてありがとうございます。
下山敬三
よろしいですか?