【ホームデポ徹底解剖 第2回】:「店舗」から「BtoB卸」へ──プロ市場制覇に向けた巨額M&Aと売掛金急増のカラクリ
ICHIRO|決算書解剖ラボ
第1回では、インフレと住宅市場の冷え込みによって一般消費者の来店頻度が落ちる中、ホームデポ(The Home Depot, Inc.)が「客単価の上昇(+2.8%)」と「一時的な関税還付金(約6.85億ドル)」によって純利益率10.0%を死守した構図を紐解きました。
しかし、同社の経営陣は既存店の値上げだけでこの難局を乗り切ろうとしているわけではありません。足元で進んでいるのは、創業以来の屋台骨である「オレンジ色の倉庫型ホームセンター」という枠組みを大きく超えた、ビジネスモデルそのものの地殻変動です。
その証拠に、2026年度第2四半期報告書(Form 10-Q)を開くと、貸借対照表(B/S)の資産の部で構造的な変化が起きています。売掛金(Receivables, net)が、わずか半年間で約56億ドルから約70億ドルへと、約14億ドル(+24.4%)も急増しているのです。
現金やクレジットカードでの即時決済が基本であるはずの小売チェーンで、なぜこれほど巨額の「ツケ(掛売り)」が発生しているのか。その背景には、ホームデポが総額240億ドル超の資金を投じて推し進める「プロ(Pro)市場の囲い込み戦略」が存在します。
今回の企業分析ホームデポシリーズの過去記事はこちらから?
【ホームデポ徹底解剖 第1回】:客数減を値上げで耐える米住宅市場の現在地──純利益率10%死守のウラ側
前回の分析企業Palantirシリーズの記事はこちらから?
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