【双月 開発ストーリー 第2回】行き過ぎは、戻る ― 逆張りという考え方
第1回では、私が「損切りのある逆張りEA」を作った理由をお話ししました。今回は、その根っこにある「逆張り」という考え方そのものに踏み込みます。双月が前提にしているのは、たった一つのシンプルな見立てです。行き過ぎた相場は、いずれ戻りやすい。なぜそう考えるのか、そしてその見立てが外れるのはどんなときか。順番に整理していきます。
相場への向き合い方は、大きく二つに分けられます。ひとつは順張り。動き出した方向に乗り、その流れが続くほうに賭けます。もうひとつが逆張り。行き過ぎた動きの反動をねらい、戻るほうに賭けます。
双月は、後者の逆張りです。価格が一方向に伸び切ったところで、その勢いが緩んで反転する瞬間を取りにいきます。順張りが「続く」に賭けるのに対し、逆張りは「戻る」に賭ける。同じチャートを見ていても、狙う場所がちょうど裏返しになっています。
短い時間の値動きは、しばしば感情で振れます。下げが続けば「まだ下がる」と怖くなって投げ売りが出る。上げが続けば「乗り遅れる」と焦って買い上がる。こうした行き過ぎは、ひと呼吸おいて落ち着くと、平均的な水準へ引き戻されやすくなります。これが平均回帰という考え方です。
イメージは、引き伸ばされたゴムです。中心から離れるほど、元へ戻ろうとする力が強くなる。逆張りでいう「行き過ぎ」とは、ふだんの平均からどれだけ離れたか、その距離のこと。下の図のように、価格は中心線のまわりを行き来し、離れすぎた両端で反転しやすくなります。
※イメージ図。価格は平均(中心)のまわりを行き来し、離れすぎた両端で反転しやすい、という逆張りの見立てです。
行き過ぎは、下方向だけに起きるわけではありません。売られすぎもあれば、買われすぎもある。下に伸び切れば買いの好機、上に伸び切れば売りの好機です。
双月は、この両方向の行き過ぎを、それぞれ別々にねらいます。買いの反動を待つ玉と、売りの反動を待つ玉。ひとつの空に浮かぶ二つの月のように、買いと売りを独立して持つ――それが「双月」という名前に込めた、いちばんの設計思想です。
ここまで読んで、うますぎる話だと感じた方は鋭いです。逆張りには、はっきりした泣きどころがあります。行き過ぎが、さらに行き過ぎていくときです。
強いトレンドが出ると、ゴムは戻るどころか、そのまま伸び続けます。やがて切れることもある。「もう下がりすぎだ」と買った後、さらに下落が続けば、逆張りは踏まれます。だからこそ第1回でお話ししたとおり、双月は損切り(SL)をセットで持たせました。戻る前提で入りつつ、戻らなかったときは早めに引く。逆張りと損切りは、こうして噛み合います。
大切なのは、「行き過ぎ」を感覚で決めないことです。なんとなく下がったから買う、では、ただの難平になってしまいます。双月は、行き過ぎの度合いをルールで数値化し、一定の基準を超えたときだけ動きます。判定は確定した足だけで行い、ダマシの多いヒゲには飛びつきません。
この「行き過ぎをどう測るか」は、双月の心臓部です。具体的な測り方は、回を改めて詳しくお話しします。
- 逆張りは「行き過ぎた相場は平均へ戻りやすい」という見立てに賭ける
- 行き過ぎは上にも下にも起きる ― だから買いと売りを別々に持つ「二つの月」
- 強いトレンドでは戻らない ― その弱点を損切りで限定する
- 行き過ぎは感覚でなくルールで測り、確定足で淡々と取る
次回は「なぜEURUSD専用にしたのか」。たくさんの通貨ペアがあるなかで、なぜユーロドル一本に絞ったのか。その理由をお話しします。最後までお付き合いいただければうれしいです。
※本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。掲載している運用結果は過去の実績であり、将来の利益を保証するものではありません。FX・CFD取引はリスクを伴います。投資判断はご自身の責任において行ってください。