注文を出してから約定するまでのタイムラグには、いくつかの要因が絡みますが、その一因となるのが業者サーバーとの通信の往復時間(Ping)です。「約定が遅い気がする」「スリッページが多い気がする」と感じても、その原因が通信なのか、それとも別の要因なのかを切り分ける手段は普段あまり用意されていません。
「PingStopwatch」は、MT4が内部で計測しているサーバー往復時間を複数回サンプリングし、平均・最小・最大・ばらつきをその場で表示するMT4専用スクリプトです。さらに、光速を基準にした理論上の最小距離も概算表示するため、「今どれくらい遠いサーバーと通信しているのか」を数値だけでなく距離感としても体感的に掴めます。良し悪しの断定はせず、時間と距離という事実だけを渡し、VPS導入などの対策を取るかどうかはご自身に委ねる設計です。平均Pingは「非常に良好(30ms未満)」「良好(30〜80ms)」「標準的(80〜150ms)」「やや高め(150ms〜)」の4段階で表示されます。
特に役立つのは、約定の遅さやスリッページの原因を切り分けたい場面です。同じくSemura Lab.の「SlippageAutopsy」で滑りの実額を確認し、本ツールでPingも高めだと分かれば、通信環境の改善が有効な対策の一つだと判断できます。また、VPS(業者サーバー近くの仮想環境)の導入を検討する際の判断材料にもなり、導入前後でPingを比較すれば実際にどれだけ改善したかを数値で確認できます。ばらつき(最大-最小)が大きい場合は、通信が不安定である可能性の示唆にもなります。
なお、本ツールが計測するのは表示中の銘柄ではなく、口座が接続しているサーバーとの通信品質そのものです。どの銘柄のチャートで実行しても同じ値になります。「理論上の最小距離」は光速を基準にした概算の下限値であり、実際の通信経路は中継サーバーを複数経由するためこれより長くなるのが通常で、物理的な位置を正確に特定するものではありません。Ping値は回線状況・時間帯・ブローカー側の負荷などで変動するため、1回の計測結果だけで判断せず、気になるときに複数回試すことを推奨します。環境・ブローカーによってはMT4がPing値を提供していない場合があり、その際は取得不可の表示になります。本ツールは表示専用で発注は一切行いません。VPS導入や通信環境の変更は必ずご自身の判断で行ってください。
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