スパンモデルとボリンジャーバンド

スパンモデルとスーパーボリンジャーは、エフピーネット株式会社のマーフィーこと柾木利彦氏が考案したインジケーターで、何社かのMT4には標準で入っているものですし、色んな所で紹介もされているので、あらためてここにアップするのもなんですが、私自身好んで使っていることもあり、まだ知らない方もいるでしょうから参考にしていただければと思って取り上げました。

 

下図の上段がスパンモデルで下段がスーパーボリンジャーです。

 

最初にスパンモデルについて説明します。

スパンモデルは、一目均衡表をアレンジしたもので、基準線と転換線は省略し、終値を26本分過去へずらした遅行線はそのまま使っていますが、先行スパンAと先行スパンBを現値の位置に持ってきていることが特徴です。

 

一目均衡表は、時間の概念を重要視していて、終値を過去にずらしたり、先行スパンを未来に描いくことで将来の価格を想像するのです。また、半値という売りと買いの強弱を示す値を採用しているのも大きな特徴です。半値は過去の高値と安値の中間、つまり過去の最高値と最安値を足して2で割った値のことで、売りと買いの拮抗点を表しているとも言えます。したがって、現値が半値よりも上にあれば買いの勢力が強く、下になっていれば売りの勢力が強くなっていると判断します。

 

そして、ざっくり言えば、基準線、転換線、先行スパンA、先行スパンBは、それぞれ短期、中期、短中期、長期の半値の移動平均線とも捉えることができます。

 

このスパンモデルは、先行スパンAと先行スパンB、つまり短中期と長期の半値を現在の位置に描くことで、現状の売りと買いの勢力の強弱がつかみやすくなっています。

 

スパンモデルのパラメータは次のとおりです。

一目均衡表の転換線、基準線、先行スパンBの計算期間を設定します。

この9、26、52という数値は意味のある値なので、一般的には動かしたりしません。

 

また、線の色と太さを変えたい場合は「色の設定」タブで設定します。

上から、転換線、基準線、先行スパンAが上にあるときの雲、先行スパンBが上にあるときの雲、遅行線、先行スパンA、先行スパンBについて表しています。デフォルトでは転換線と基準線は表示しない設定になっています。

 

 

続いて、スーパーボリンジャーについて説明します。

こちらは、名前からも分かる通り、ボリンジャーバンドを改良したもので、ボリンジャーバンドの1シグマ、2シグマ、3シグマのラインを一度に描いたものです。そして、そこに一目均衡表の遅行線を加えたインジケータです。

これによって、価格のボラティリティがわかりやすくなり、また、移動平均線からの乖離状態が明確になります。

柾木氏は遅行線を重視しているため、スパンモデルとスーパーボリンジャーの双方にそれが入っています。

 

下図のパラメータで分かるように、ミドルライン(移動平均線)の計算は、単純平均、指数平均、平滑化平均、荷重平均、HULL平均の5種類の計算方法を選べます。そして、移動平均線の計算期間を設定します。

 

また、線の色と太さはスパンモデルと同じく、「色の設定」タブで設定します。

こちらは、上から、ミドルライン、+1シグマ、-1シグマ、+2シグマ、-2シグマ、+3シグマ、-3シグマ、そして、一目均衡表の遅行線を表しています。

 

 

ソースファイル(SpanModel.mq4、SuperBollinger.mq4)と実行ファイル(SpanModel.ex4、SuperBollinger.ex4)をお渡します。
元はと言えば他の方が作ったものですし、改変・再配布等ご自由にしていただいて構いませんが、バグ・改善点等お気づきの点があれば、お教えいただければ幸いです。