評価損益と実現損益の違い
ポジションを解消しない状態の計算上の損益を「評価損益」といいます。
これに対してポジションを決済した場合に出る損益を「実現損益」といいます。
仮に現在、ドル/円レート105.50で1万米ドルのロングポジションを持っているとします。ポジションを作った後、順調にドル高へ動いた場合、もしこのポジションをすぐに決済したらどうなるでしょうか。
■ ドル高の状態
現段階ではプラス4,600円の評価益が発生しています。しかしポジションを持ったままの状態であれば、刻々と動く為替レートに合わせて損益も変動していきます。この時点ではあくまで評価損益の段階なので、評価益を出金する事は出来ません。
では反対にドル安方向に動いた場合はどうなるでしょうか。
■ ドル安の状態
この時点ではマイナス4,600の評価損益となっています。
このままドル安が続けば、純資産はどんどん目減りしまいます。この損失が際限もなくマイナスとならないために、「自動ストップロス」という仕組みを採用している会社があります。
選ぶコースにもよりますが、例えばレートが2円変動すると強制的に自動決済がかかり、ロスカットされます。上図の場合103.50で反対売買が執行されます。1万米ドルのポジションを持っているので、2円×1万米ドルで2万円でロスカットとなるため、必要証拠金以上の損失が生じる事はほとんどありません。
しかしあくまでも緊急避難的なセーフティーネットでしかないので、自分自身でコントロールする事が何よりも大切です。