3/16 怒涛の中銀WEEK
※記事の内容に入る前のお知らせ 当連載記事は初月無料なので気になる方は1か月だけでもぜひ見てみてくれたら嬉しいです。 筆者のモチベーションにもなるので拡散してくれたらなおうれしく思います。 今週は重要イベントが盛りだくさんでかなり忙しい週となりそうです。 主なスケジュールはこちら
□火曜日 エヌビディア基調講演 豪州RBA理事会 日銀会合
□水曜日 イギリスCPI・PPI FOMC
□木曜日 各国PMI BOE金融政策委員会
□金曜日 日本全国CPI
と週半ばがかなり詰め込まれています。また筆者は触りませんが木曜にトルコとスイスの政策金利発表、金曜の早朝にはメキシコの政策金利発表が予定されています。もしかしたらスイス中銀の発表は少しユーロに影響する可能性もあるので一応注意はしておいた方が良いかと思います。
まずは火曜のRBAと日銀でしょう。 RBAは現状維持の公算が高いです。ブロック総裁は消費が予想よりも早く鈍化すれば利下げの可能性があるとのことで現在は懸念する必要もなさそうです。現在の利下げ開始時期は9月か11月が織り込まれています。インフレ率も概ね中銀予測に近いので利上げの可能性もないでしょう。
日銀もマイナス金利解除となってもほぼ織り込み済みだと思いますので大きな円買いが起こる可能性は低いように思います。今月やらなくても4月には解除することはほぼほぼ確実だと思うので問題はないでしょう。大事なのは緩和正常化の部分です。YCCの修正or撤廃、ETF買い入れの中止、一層化の枠組みの変更を今回どの程度変えてくるかでしょう。一度に変えるのか段階的に買えるのかどうかといったところです。とはいえ緩和政策は継続なわけですが、残すところの問題はマイナス金利解除後どの程度利上げするかでしょう、コンセンサスでは0.25%まで上げることが現在の予測の大半です。恐らく0.1%~0.25%に収まってくるとは思いますがそれ以上だとサプライズとなるので植田総裁の会見は要注意です。
FOMCはインフレのラスト1マイルが遠いため政策をピボットできるような状況になく金利は現状維持でしょう。同時に経済予測が発表され恐らくインフレ見通しはやや上方修正されることと思います。またドットプロットの発表もあり前回は中央値4.6%と利下げ回数は3回でしたが、4.6%に入れた委員が2人上方修正するだけで中央値が2回になるため注目度は高いでしょう。恐らく前回3回から2回に変更になるのではと思います。
また中立金利と同等のLonger Runも2.5%から上方修正の可能性もあり、ボスティック総裁は中立金利は2.5%~3%にあるなどとはt減していることから3%に変更の可能性もありそうなるとドル買いが進むと考えられます。後は3月から量的引き締めプログラムの縮小について協議をすると依然パウエル議長が言及していたため具体的な内容に触れてくるかに注目でしょう。今回の会合で発表がなければ議事要旨で触れてくる可能性が高そうです。
BOE金融政策理事会でも政策金利の変更はないでしょう。賃金は低下傾向にありますが依然スピードが緩く時間がかかっています。インフレはベイリー総裁が発言していたようにベース効果により3月に3%、Q2に2%まで一時的に下がる見通しですが金融政策を左右するものではないとしています。2%に下がったとしてもそこから緩やかに再度上昇するとしている為です。最低でも賃金4%台が見えてこないとピボットはしなさそうに思います。マーケットの利下げ開始時期のコンセンサスは現在Q3を見ています。 現状大きな転換は想定していませんが投票配分は確認すべきです。前回発表時は25bps利上げ2人(ハスケル、マン)、据え置き6人(ベイリー、グリーン、ブリーデン、ブロードベント、ピル、ラムズデン)、利下げ1人(ディングラ)でしたが利下げに投票したディングラ理事はずっと利下げ投票してるので変わらずで、タカ派のハスケル理事・マン理事の投票に注目です。
値動きに関しては豪ドルはあまり動かずレンジ、円売り、米ドル買い、ポンド買い方面で見ています。
米金利は急騰しており4.3%まで上昇しています。先ほど述べたシナリオ通りとなるならば4.5%までの上昇も無くはないと思います。
陰謀論的な話になりますがシーズナリーチャートを見てみると非常に現在と似ている気もします。ファンダメンタルを考えるとシーズナリーを参考にするべきではないのですが、今年は大統領選挙もあり議会証言でいきなり利下げについての質問が飛んだりと政治的圧力がかかる可能性も無い話ではないです。もしの話ではあるのですがここまで織り込んできているところにドットチャートの変更がなしということになりでもしたら急落は免れないでしょう。メインシナリオはもちろん最初に言及したものですがもしかしたらを一応考えておきたいです。
◇株式市場
まず第一に米金利が上昇しており利下げが後ろ倒しになる懸念があり株式市場は下落していますがセンチメントは現状悪化しているとはいいがたいです。
VIXは16以下で推移。
ハイイールド債も高止まりしています。
各期間のVIXも安定(通常長期VIXは高く直近でリスクがあると短期VIXが上の期間のVIXを上抜けてきます)。そのため直近ボラティリティが上がるリスクは低いです。
VIX/VIX3Mレシオも同様な見方でリスク懸念は低いです。
ここら辺が崩れてこない限りは落ちたところで調整とし米株は買いで見ていいと思っています。
ビッグテックは調整を続けていますがテスラ以外はまだ調整の範疇のように思います。FOMC前ということと米金利の急騰により相変わらずアロケーションが続いているのでしょう。
米主要株価指数が下落しているにも関わらずラッセル2000が下げ渋っていることからも読み取れます。
短期の話をするのであればFOMC直前で米金利も節目にいるためそこまで加速はしてこないでしょう。直近の材料だとFOMC前の火曜早朝のエヌビディアの基調講演が注目材料となるでしょう。
S&P500の週足は2本連続クロスで引けています。調整の地合いととっていいでしょう。
サポートは5100、5080、5060とこの3段で考えています。5050を割ってくるとチャート的にも買っていける形ではなくなるためプライスアクションを見ながら拾っていきたいです。
筆者は金曜ナスダック100を17900のサポートで買いましたが割ってきたのでいったん損切りしています。ハイテク株の頭が重いです。エヌビディア要因で吹く可能性もありますがロングしていくのであればS&P500のほうが値持ちもよく担がれるリスクは低いように思います。
SOXも上値が重たいのでしっかり4709を付けに来るでしょう。
日経平均は日銀の政策修正も織り込まれていることや円安の恩恵もあり米株に比べ値持ちがいいです。
そもそも今回の下落はマイナス金利撤廃報道の要因もありましたがGPIFによる売り要因だった可能性が高そうです(信託銀行はGPIFから運用を委託されています)。恐らく4万円台という節目、日銀のマイナス金利解除も耳に入っていたでしょうし年度末も重なることからリバランスと見ていいでしょう。
その間海外投資家やディーラーは買い越しており依然としてセンチメントは上昇方向に見ておりマイナス金利解除の影響も小さいことが予測されることからも買いで見ていていいと思います。
現在はレンジ中央に位置しているため38400付近までの調整を待ちたいところ。
ダウ日経スプレッドはチャネル上限で抑えられ下落。ネックライン、短期E計算値が重なるため一旦の反発が考えられ120くらいまでの調整を期待したいところです。
ドル建て日経平均はチャネル下限で反発。短期下降ラインを突破して底固めしてくれると買っていきやすい。
◇商品市場
原油動向を考えるうえでイスラエルのラファ侵攻が重要となってくるでしょう。同盟国は戦闘停止などを要請しているが首相は受け入れる姿勢を示していません。
イスラエル、ラファの民間人「避難」を準備-首相は作戦計画承認 - Bloomberg
ハマスが回答を提出した後、イスラエル代表団が人質取引に関する更なる交渉のためドーハに向かうことを決定しましたが交渉は難航するでしょう。
チャート的にはWTIよりブレント原油の方がわかりやすく感じます。このまま安値を試すようであれば高値切り下げとなるので84.5付近までの押しは考えておきたいです。
ゴールドは予測通りディセトラを形成してきています。
先物価格では下限で引けておりファンダを考慮すると割ってくる可能性が高いため要注目でしょう。
調整中の動きが続く可能性がありますが金ETFが大量に買い込まれているためショートは狙いに行かない方がよさそうです。
買っていくのであれば引き続き円建てゴールドを狙っておきたいです。レンジをブレイクしロールリバーサル位置まで返ってきているので明けから注視していきたいと思います。レンジ等倍分の伸びを利確目安に設定しておきます。
◇為替市場
ドル円は日銀会合前により利益確定の動きが出てくるでしょう。148.8、148.4付近に大きめのオプションが出ているためその価格帯付近でもみ合いになりそうです。148円付近まで押すようなことがあれば買ってみてもいいとは思いますが円買いが進まない中で1年幅の下落も考えにくく調整待ちのスタンスで臨みたい。
ユーロ円はレンジ予測でしたが上昇し高値を更新しました。161.9のローリバを待ちロングポジションを仕込みたいところです。
同じくポンド円も買い方向で見ています。189.6-.5でローリバできるかに注目です。割ってきた場合の目安は189.2、188.8付近で割ってくるようですと一旦買いは厳しそうに思います。
オジドルは引き続き売り目線継続です。0.658付近が売り候補のレートとなります。上抜けた場合0.6595付近となります。この2本で見ており上抜けてしまうと下降ライン抜けてくるような動きとなるでしょう。
豪ドル売りの根拠の一つに鉄鉱石の大幅下落が頭を重くしている要因と考えられます。オーストラリアは鉄鉱石の輸出が多い国のため影響しているものと考えられます。
ただし注意点としてRBA理事会が火曜に行われますが投機筋のネットショートが膨らみ最低水準に位置しておりかなり売り込まれていますので発表時にショートカバーが起こる可能性があります。そのため浅いポジション取りは命取りとなりそうです。浅いポジションは理事会前に手仕舞っておくのがベターでしょう。
ニュジドルは下限まで下落しており非常に弱い推移をしています。というのもウィリス財務相が2週間後に控える予算編成方針の発表で今後数年の経済成長見通しを大幅に引き下げることを示唆したためであり、悲観的になっておりNZドルは売られています。
現状下限に位置しているため0.611までの戻りを待つか下割れてからのローリバを狙うしかなさそうです。
ユロオジは筆者の想定通り1.6555でロングし1.66付近で利確しています。
引き続きロングで立ち回っていきたく1.6555での再度ロング、もしくは高値更新後のロールリバーサルを狙っていくこととなりそうです。こちらもRBA理事会を意識しながら立ち回っていきたく理事会前の動きがアンワインドぽい動きをしていたらスルーしたほうがいいかもしれません。
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