【フジトミ】高値から海外原油は大きく値を崩し、続落
(NY貴金属)
5日のNY金は続伸しているものの、上げ幅を縮小するなど、上値の重さも目立っていたという。NY金期近8月限は前週末比2.5ドル高の1282.7ドル、NY白金期近7月限は同4.2ドル高の957.6ドル。
週明けのNY金は1280ドル台で推移することになったが、イマイチ、上値を追っての買いは消極的で、1286.0ドルの高値示現後、1280.2ドルまで値を崩していた。8日にはコミ―前FBI長官の議会証言、そして英国の総選挙、また週明けにはサウジやエジプトなどの5か国がカタールと断交したことによる中東情勢の緊迫化も警戒され、リスク要因からの急伸も予想されたが、株式市場の底固さや6月の米利上げも警戒され、結果的に上値の重い展開を強いられていた。目先、1280ドル台を維持するかどうか注目されている。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
5日のWTI原油は続落し、再び47ドルを下回る場面もみせた。WTI原油期近7月限は前週末比0.26ドル安の47.40ドル、北海ブレント期近8月限は同0.49ドル安の49.46ドル。RBOBガソリン7月限は同3.90セント安の153.81セント、NYヒーティングオイル期近7月限は同2.55セント安の145.93セント。
サウジやエジプト、UAE、バーレーン、イエメンの5か国がテロへの支援を理由にカタールと断交すると発表。当初は支援材料に評価する場面もみられ、テクニカルな買いと重なり、ストップロスがヒットしてWTI期近7月限は48ドルを上抜き、48.42ドルまで一気に急伸した。しかし、48ドル台は長続きせず、欧州時間帯にはマイナス圏に逆戻りをみせ、そして前週末に続いての47ドル割れもみせた。カタールはOPEC加盟国であり、協調減産に参加しているが、市場では協調減産の足並みの乱れを警戒する声も挙がっていた。週明けにはロシア最大の石油会社であるロスネチフのCEOが協調減産は失敗と指摘したことも認識され、売り材料に。米国の原油増産基調に変わらない中、実勢悪から売り直されたが、それでも前週末の安値である46.74ドルを維持したこともあり、47ドル台を何とか回復している。NY石油製品の急落の影響で、それにリンケージしている北海ブレントの下げが大きくなっていた。
(CBOT大豆)
5日のCBOT大豆は高安マチマチで取引を終えた。期近7月限は前週末比0.25セント安の921.00セント、新穀11月限は同1.25セント高の926.75セント。
アジア時間帯には一段高を演じていたが、前週末の強調地合いを受けた格好だったが、世界的な供給過剰に変わりなく、その後、ズルズルと値を消してしまった。米農務省が発表した週間輸出検証高は事前予想下限を下回る弱気な内容で、期近7月限は9.20ドル割れへ。ただ、下値ではドル安による今後の輸出改善がまた期待され、結果的に9.20ドル台を回復している。シカゴ引け後に発表される全米平均の作付進捗率に対する事前予想平均は81%(前週67%)。
(CBOTコーン)
5日のCBOTコーンは狭いレンジの取引の中、引けにかけて買い直され、小しっかり。期近7月限は前週末比0.25セント高の373.00セント、新穀12月限は同1.00セント高の392.00セント。
狭いレンジでの売り買いが交錯する中、テクニカル主体の展開をみせ、20日移動平均線を維持したこともあり、意外に底固い動きとなった。米コーンベルトの生育に良好な天気予報も指摘されているものの、週明け発表される作柄状況の改善は限定的ともみられ、売りはイマイチだった。さて、シカゴ引け後に発表される作柄状況に関して、全米平均の優と良の合計に対する事前予想平均は67%(前週65%)となっている。作柄改善は次回の発表でみられるとの見方が一般的。
https://www.fujitomi.co.jp/?p=15721
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