暴落の大損を堅実に回収する為に『損切り無しの投資戦略』
「私は天体の動きなら計算できるが、人々の狂気は無理だね」
アイザック・ニュートン
マイケル・バトニック
『ビッグミステイク(日経BPマーケティング)』
2019年9月24日 第1版第1刷発行
P.63より
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こんにちは、下山です。
突然の暴落に呆然。
「えっ、なんでこんなに下がっているんだ!?」
と、
心拍数を高めながら、
あわてて経済ニュースを見ると、
「コロナウイルス感染拡大懸念による下落」との見出し。
胃に穴があくほどの含み損に
気持ちが耐えきれなくなって思わずロスカット。
しかし今もまだその精神的な傷は癒えていない・・・
このような状況に陥っている方、少なくないはずです。
もうロスカットしてしまったものは仕方ありません。
受け入れるべきです。
金額があまりに大きくて
気持ちを切り替えることが難しい方も
いらっしゃると思いますが、
良き経験として次に活かすことだけが
唯一あなた自身を救う術です。
最悪なのは気持ちが暴走し、
「とにかく失った資金を取り返さなくてはいけない」
と考え、リスクの高い取引に走ることです。
気持ちが落ち込んだ時に正常な判断ができるはずがありません。
さらに傷口を広げて終わりです。
新しい未来のため、冷静に現実を受け入れる覚悟を
持たなければいけません。
間違いのない人生などありません。
あのウォーレン・バフェット氏でさえ、
間違いを何度もおかしています。
しかし、バフェット氏が普通の人と絶対的に違うのは
その間違いを認めている点です。
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実際、間違いもゲームの一部であることを認めるのもバフェットの強みだ。
バフェットはこれまで、
年次レターの中で「間違い(mistake)」という言葉を
163回使っている。
少額を投じるごく一般の投資家と同じく、
バフェットもお粗末な投資とまったく無縁というわけではないのだ。
マイケル・バトニック
『ビッグミステイク(日経BPマーケティング)』
2019年9月24日 第1版第1刷発行
P.135より
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あなたが今つらい状況にあったとしたら
やるべきことは1つです。
間違いを素直に認め、気持ちを切り替えることです。
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足さずに引くべき
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ただ、ここで注意が必要です。
大きな失敗をおかしてしまった時、
多くの方は新たに何かを足すクセがあります。
たとえば
「次こそ損をしないようにもっと経済のことを勉強しよう」
「投資のことを勉強しよう」
「四季報を読もう」
そんなことを考える方がたくさんいらっしゃいます。
「自分には○○が足りなかった」と考えがちです。
でも、次の利益のためにすべきことって
そんなことでしょうか?
違います。
何かを足そうとするのではなく
いらないものを引くべきです。
不要なものを容赦なくそぎ落とし、
株トレードの本質を見極めることに全力を注ぐべきです。
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経済ニュースは本当に適当
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では何をそぎ落とすべきか?
削ぎ落とすべきものの1つとして
「株価の動きに理由を求めること」があげられます。
たとえば、1つ考えてみてください。
株価が大きく下落した時、あなたが最初に考えたことは何でしょう?
おそらく「なぜ下落した?」
という理由について、ではないでしょうか。
実際、大半のトレーダーの方が
株価が大きく動いた時、理由を知りたがりますが・・・、
そういった行動に対して自分が思うのは
「終わったことに対する理由なんかどうでも良い」ということです。
なぜなら、世に報道される株価が動く理由の多くは
基本的に適当だからです。(全てが適当とは言いませんが。)
たとえば先週、NYダウ、日経平均株価ともに
大幅に下落して「コロナウイルス感染拡大懸念による下落」
という報道が大々的になされていましたが、
そもそも下落した本当の理由なんて誰にもわかりません。
誰かが株を売ってその結果株価が下落した、それだけのことです。
売った人、1人1人にその理由を聞いて回ることなど不可能ですから、
コロナウイルスの脅威を感じていたかどうかなんて分かりません。
コロナウイルス以外の理由で売った人、機関もあるでしょう。
でも、「理由はよく分かりませんが株価が下落しました。」
とニュースで報道するわけにはいきませんよね。
だからたいていの場合は、とりあえず
一番それらしい理由を当て込んで報道されている、
それだけの話です。
そんな嘘か本当か確証のない理由を知ったところで
何の意味があるのでしょうか。
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理由が分からないと不安な人間
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もちろん、「理由が分からないと不安だ」
という気持ちもわかります。
例えば通勤途中に電車が止まったとき。
その理由がアナウンスされないと
すごく気持ち悪いですよね?
病人が出たとか、扉に荷物が挟まったでも
とにかく何かしら理由がアナウンスされないと、
イライラする方も多いでしょう。
それと同じで株価下落の理由も分からないと
不安で仕方ないのも分かります。
それが人間心理です。
ですが、真実かどうか分からない理由を後から知って
安心したところで本質的には無意味ですし、
そんなものに振り回される人間が
勝ち組になれるはずもありません。
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暴落時にロスカット無しで生き残る為の投資戦略
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そしてもう1つそぎ落とすべきものとして
「ロスカット」をあげておきます。
ロスカットはあらゆる投資本に
基本中の基本として説明されていますが
自分はその教えに反対です。
そもそもあなたは思うようにロスカットできますか?
「ここまで下がったらロスカットしよう」と考えていても
あまりにも早い下落に追いつけず、ロスカットのタイミングを逃し、
精神的な限界に達するまでズルズルと放置し、
最悪のタイミングでロスカットをしてしまった、
なんて方も多いと思います。
ロスカットは言うだけなら簡単ですが
実際に実行するのは極めて難しいのです。
ですから、自分としてはロスカット以外の対処法を
使ってリスクヘッジをすべきだと考えています。
たとえば、買いと売りを持つ方法です。
簡単な例を使ってその考え方を紹介いたします。
23000円で買いを持って
株価が22000円まで下落したとします。
この時点でロスカットはせず
売りを入れて、含み損が増えるのを一旦食い止めます。
1000円の含み損ですね。
そして他のポジションで1000円以上の利益を出し、
相殺決済で含み損を消すことを考えます。
自分が実際に利益を獲得している手法の
考え方の流れをざっくり説明するとこんな感じです。
もちろん、この短い文章では説明しきれませんので
色々と疑問はあるかと思いますが、勘が良い方なら
今の説明だけでもこの手法の有益性を感じていただけるはずです。
暴落はまた必ず起こります。
時には、1日で日経平均株価が
1000円下落することもあるでしょう。
その時にあなたが大きな過ちを犯さず、
むしろ大きな利益を得られることを願います。
それでは本日も最後まで
ご覧くださいましてありがとうございます。
下山敬三
よろしいですか?