【いずれ起こる暴落】現状がリーマン前と酷似という件について。
こんにちは、下山です。
「今の状況は、
リーマンショックが起こる前の状況と酷似している」
「今回もし金融危機が起これば、その影響力は
リーマンショックの比では無い」
リーマンショックが起こってから10年以上が経過した今、
「いつどのタイミングでまた金融危機が起こっても
おかしくない状況にある」と、
アナリストや投資家など様々な市場関係者が
強く警鐘を鳴らしています。
・レバレッジローン
・ハイイールド債
・CLO
などが特に問題視されていますが・・・
1つ言えることは、
「人間の欲望がある限り、金融危機は繰り返される」
これがマーケットの真理だということです。
「とにかく儲かれば良い」と多くの人間が
自己中心的に目先の利益を追求した結果、
マーケットが過度に膨張し、バブルが生まれ、
金融危機が起こる、その繰り返しです。
いずれ必ず金融危機は起こる、
それは歴史が証明しています。
問題はそのタイミングですが、
本当に現在の状況は
リーマンショック前の状況に似ていて、
リーマンショックをはるかに凌ぐレベルの
金融危機が近い将来、起こる可能性があるのか?
今回からそんなテーマで
お伝えしていきたいと思います。
少し複雑な話や、専門用語も出て来ますが、
1つ1つ丁寧にお伝えしますので、
過去の金融危機と、現在の状況を比べていただき
ぜひあなたの投資に役立ててください。
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全ては「夢のマイホーム」から始まった。
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現在と過去の状況を比べるため、
まずは「なぜリーマンショックが起こったのか?」
その歴史的背景から振り返りましょう。
先にお伝えしたように、
金融危機の根底にあるのは
いつも、「人間の欲望」です。
リーマンショックの裏側にも
大きな欲望が渦巻いていました。
その1つが
「マイホームが欲しい!」という欲望でした。
「夢のマイホーム」感情を揺さぶる言葉ですね。
ただ、アメリカ人の感覚は
日本人とは少し違っていて、
家を買うことはそこまで特別なことではありません。
「3年くらい住むなら買っちゃう」というのが
アメリカ人の感覚です。
この背景にはアメリカでは
住宅の価値が下がりづらい、ということがあります。
価値が下がりづらいなら
賃貸するより買ったほうが良いですよね。
とは言え、本当はマイホームを買えるだけの
稼ぎがなければ、賃貸に住むしかありません。
ところが、低所得者でもマイホームを持てる
魔法の方法がアメリカで登場しました。
それが、「サブプライムローン」です。
日本語でサブリーダーなんて言ったりしますが、
「サブ」という単語は「下」という意味を持ち、
「サブプライムローン」は日本語でいうと
「優良客(プライム層)よりも下の層」
という意味になります。
「信用力が低い人のローン」ですね。
年収でいうとだいたい300万円より下くらいの人を
対象にしたローンです。
たとえ年収が低くても
社会的信用が低かったとしても
お金を借りられてしまう
その「サブプライムローン」が
2003年頃から新たに登場し始めます。
サブプライムローン自体は
1980年代初めから存在していましたが、
市場シェアはそれほどありませんでした。
しかし2003年当時、
プライム層に向けた住宅ローン市場が
頭打ちになり、ローン会社が
「そろそろ他の層にも目を向けないと」
と考え、新たなサブプライムローンが登場し始めます。
そして2004年ごろから大きくシェアを伸ばし始めます。
その背景には、例えば
「最初は利息を払うだけで良くて後から元本の支払いが始まる」
というように
優遇されたサブプライムローンの登場があります。
優遇されているとは言え、
後からどんどん重荷が増していきますので
普通の感覚なら、
「将来払いきれなくなるのではないか?」と
不安になるはずです。
でも、理性は欲望に勝てません。
本当は家を買う余裕なんて全くなくて
将来的に所得が増える見込みも一切ない、
そんな多くの低所得者層の人々が
ローン会社の甘い誘惑にのり、
サブプライムローンを組み始めます。
時代の流れも背中を押しました。
当時、アメリカでは住宅価格が上昇していました。
マイホームを購入すると
とにかくその価値が上がる、そんな状態だったんですね。
ですから
「今マイホームを買っておけばその価値が上がって、
価値が上がったマイホームを担保に、借り換えもできる」
多くの人がそう信じ、
サブプライムローンを組む時も安心していました。
また、
「早めにマイホームを買わないと
住宅価格高騰の波に乗り遅れる」
というような焦りを持ってしまった人も
大勢いたことでしょう。
株トレードでも
調子よく株価が上がり続けている時に、
乗り遅れてチャンスを逃すことへの恐怖心から
根拠のないタイミングで
買いポジションを持ってしまい、
気づいたら高値づかみをしていた、
なんてことが起こりがちですが、
多くの人が
「今マイホーム買わないでいつ買うんだ!」
という気持ちになって、
続々とローンを組み始めました。
最初はリスクを恐れて
我慢していた人も、たとえば
所得レベルが同程度の友達が、
マイホームを手に入れている姿を見て、
我慢できなくなる、
ということもあったかもしれません。
しかし、もちろん世の中そう甘くありません。
2007年、住宅価格の値下がりが始まります。
こうなると大変です。
借り換えができなくなります。
もちろん自力でローンを
返済する力なんてありません。
結果、住宅価格の上昇ストップとともに、
ローンを返済できなくなる人が続出します。
崩壊の始まりです。
ここまでの話をざっくりまとめましょう。
2003年ごろから
新たなるサブプライムローンが登場し、
多くの低所得者がマイホーム欲しさに
住宅価格の上昇を拠り所に
危険な住宅ローンを組んでしまった。
ところが住宅価格の上昇が終わり、
多くの人がローンを返済できなくなり・・・
リーマンショックにつながっていく、という話でした。
今回、危険なローンを組んでしまった低所得者の
欲を批判的に書きましたが、
でも危険とわかってローンを組ませた
ローン会社にも責任があると思いませんか?
そうです、ローン会社も強欲で悪いやつなんです。
しかもローンを組ませた後、
自分はリスクを負わずにがっぽり儲けていたんです。
ということで、
ローン会社が低所得者にローンを組ませた裏で
何をしていたのか、
という話を次回させてもらいます。
過去に何が起こり、
そして今何が起こっているのか、
投資家にとって無視できない話をさせてもらいますので
ぜひ次回も引き続きご覧ください。
あなたが投資で利益を
安定的に獲得されることを心から願っています。
下山敬三
よろしいですか?