FRBの「隠れQE」でダウ上昇傾向継続か
こんにちは、下山です。
アメリカ・イラン問題に始まり、
コロナウィルスが世界を震撼させ・・・
2020年が始まって1ヶ月しか経っていないのに
世の中が、あまりに騒々しいですね。
2020年が波乱に満ちた年になることを
イヤでも想像してしまう幕開けです。
実際、リーマンショックから
10年以上経過している2020年は
「リーマンショックをはるかに超えるレベルの
金融危機が起こる可能性もある」
と金融業界でささやかれています。
日本市場でも、
「消費増還元のキャンペーンが終わると一気に消費が冷え込む」
とか、
「東京オリンピック開催後の経済がやばい!」
なんて言われていて、
2020年が用心しなければいけない年になることは
間違いなさそうですが・・・。
実は、一方で今年の相場が
非常に大きなチャンスになる
可能性もささやかれています。
それは・・・
FRBが過去最大規模に
「実質的な量的緩和」を実施しているからです。
どうでしょう?
これを聞いてあなたはピンときますか?
もしかしたらあまりピンとこない方も
多いかもしれません。
なぜなら、ニュースなどでは
あまり積極的に報道されていないからです。
なぜ報道されないのか、
その理由はあなた自身で
ご想像いただければと思いますが・・・
とにかく、事実として
FRBは今、莫大な資金を市場にばら撒いています。
一時期減少していたFRBのバランスシートは
昨年から再び大きく膨張しています。
「そもそも株で稼ぐために
金融や経済のことを勉強する必要はない」
というのが自分の投資に対する根本的な考え方です。
たとえ専門知識をたくさん持っていたとしても
未来予測というものは
虚しいくらいに外れるものですから。
ただし、「FRBのばら撒き」が
どのように行われていて
裏でどれだけのお金が動いているのか、
ということくらいは知っておいても良いでしょう、
専門的な単語も出てきますが、
前提知識が全くない方でもご理解いただけるよう、
一から順に丁寧に今回と次回のメルマガで
お伝えさせていただきます。
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それは「レポ金利暴騰」から始まった。
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話は昨年9月にさかのぼります。
昨年9月、ある事件が起こりました。
こちらのチャートをご覧ください。
↓
https://jp.tradingeconomics.com/united-states/repo-rate
一瞬だけ値が急上昇しているのが一目瞭然ですが、
アメリカの「レポ金利」が暴騰しました。
「レポ金利」
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが・・・、
まず金融市場には「レポ市場」
というものが存在します。
一言でいえば
「短期間お金を貸してくれる場所」
ですが、ストレートにその意味をお伝えすると、
分かりづらいと思いますので
身近な例に置き換えて説明させてもらいます。
1つ想像してみてください。
例えばあなたが株トレードをしていて、
気づいたら大半の資金をトレードに回してしまい、
手元にほとんど現金が無い・・・
でも、明日家賃の支払いと
クレジットカードの引き落としがある、
そんな状況にあるとします。
ヤバいですね。
もちろん、株のポジションを決済すれば
現金が手元に入ってくるけれど
たまたま含み益になっていてまだまだ伸びそうだから、
決済するのはもったいない。
次の給料日は近いけどまだ日にちがある。
こんな時、給料日までの短期間だけ
低金利でお金を貸してくれる場所があると
非常に助かりますよね。
金融機関もこれと同じで、
「とにかく今すぐにまとまったキャッシュが必要なんだ!」
という状況に陥ることがあり、
短期間、お金を借りることができる場所があると、
非常に助かるわけです。
そして実際にそういう場所が用意されています。
それが「レポ市場」です。
最短1日から数日間、短期間の現金需要に応えるべく
お金を貸してくれる場所、それが「レポ市場」です。
金融機関が資金ショートに陥ると
経済に多大な影響をもたらしますので
レポ市場はとても重要な役割を果たしています。
ただし、当然のことながら
タダでお金を借りることはできません。
金融機関はまず国債などの担保を用意する必要があり、
金利も発生します。
その金利が先ほど紹介した「レポ金利」です。
通常このレポ金利のレートは低めに設定されています。
万が一貸し倒れになったとしても
お金を貸す側の手元には
担保で差し出された国債などが残りますので、
損をするリスクが極めて低いからです。
ところが、昨年9月、
通常低く設定されているレポ金利が
突然暴騰し、市場が一時混乱に陥ります。
なぜ金利が暴騰したのか?
「お金を借りたい」需要と
「お金を貸したい」供給のバランスが
一時、極端に崩れたからです。
お金を借りたいという需要が
供給を大きく上回ってしまった、ということですね。
なんでこんなことになってしまったのか?
どこかの金融機関が
資金ショートを起こしたことも考えられます。
また、
レポ市場でその大半の資金供給を行なっているのは
・JPモルガン・チェース
・バンク・オブ・アメリカ
・シティグループ
・ウェルズ・ファーゴ
これらアメリカの4大銀行ですが、
資金供給をしたくてもできなかった、
という事情もあったようです。
JPモルガン・チェースのCEOである
ジェイミー・ダイモン氏は
「同社にはレポ市場を落ち着かせるだけの
現金とその意思もあったが、
銀行に対する流動性規則によって阻まれた」
とコメントを出しています。
(bloombergより引用
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-12-09/Q27Y61DWX2PU01)
とにかく需給バランスが
崩れてレポ金利が暴騰しました。
先にお伝えしたように、金融機関にとって
「レポ市場」はとても重要な役割を果たしていますので
そのまま放置しておくわけにはいきません。
そこで登場したのがFRBです。
FRBがレポ市場に資金供給を始めて
事態を収拾し始めるわけですが・・・
長くなってしまいましたので
ここから先の話は次回に回したいと思います。
一瞬だけ大勝ちして消えていくのではなく
何が起こっても利益をあげ続ける、
真のトレーダーが1人でも多く誕生してほしいと願い
メルマガを書いております。
ぜひ次回もご覧いただければ嬉しく思います。
それでは本日も最後まで
ご覧くださいましてありがとうございます。
下山敬三
よろしいですか?