嘘つきは誰!?「世界的ファンド暴落に備え」報道をダリオ氏が否定
こんにちは、下山です。
先月11月22日、トレーダーとして無視できない、
“衝撃的な記事”が流れました。
世界最大のヘッジ・ファンドである
ブリッジウォーター・アソシエイツが、
『2020年3月までに世界の株式市場が下落することに
10億ドル以上賭けた!』という記事です。
(*ちなみに
ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者は
レイ・ダリオ氏ですが、著書『PRINCIPLES』の日本語訳版が
今年3月に発売されたこともあり、投資にあまり詳しくない方でも
その名をどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。)
『2020年3月までに世界の株式市場が
下落することに10億ドル以上賭けた!』
という記事は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙によって
報道されました。
(こちら↓
https://www.wsj.com/articles/bridgewater-bets-big-on-market-drop-11574418601)
世界最大のヘッジファンドですから、
その影響力は無視できません。
「えっ、あと4ヶ月以内に下落するの?」
と世界中のトレーダーが反応します。
しかも、単なる下落ではなく、
「歴史的な暴落が起こることを想定している」と読み取れます。
ただ、その後事態は思わぬ方向へ向かいます。
ブリッジウォーター創業者である
レイ・ダリオ氏がTwitterで即座に「It's wrong」
つまり、「記事は間違いだ」と反論したのです。
「えっ、フェイクニュースだったの?」って感じですよね。
情報の発信元はウォール・ストリート・ジャーナルです。
メディアの記事に多少のウソや間違いが混じっていることは
日常茶飯事ではありますが、こんな大々的にウソを書くのでしょうか。
あなたはどう思いますか?結局何が真実なのでしょうか。
ファンダメンタルズ分析に頼って
トレードをされる方も多いと思います。
真実を見極めることは極めて重要な要素ですから、
ぜひあなたなりに考えてみていただければと思いますが、
自分としてはダリオ氏が、
「記事に間違いがある」と言った後も
ウォール・ストリート・ジャーナルが
記事を削除していないことが
1つヒントになると思っています。
もし記事の内容が100%間違ったものであるのなら、
さすがに記事は削除されるでしょう。
ウォール・ストリート・ジャーナルが
記事を削除しないところを見ると
ブリッジウォーター・アソシエイツが、
10億ドル以上の空売りポジションを持ったことは
事実ではないかと推測されます。
「下落を想定したポジション」という部分は
間違いだったのかもしれません。
10億ドル以上の空売りポジションを持ったことは
事実だけど、万が一を想定した
「保険のポジション」だった、ということも考えられます。
==========================
真実はどこに?
==========================
でもですね・・・
もしかしたら、ダリオ氏は記事に書かれた通り、
本当に下落に賭けたのかもしれません。
その事実をウォール・ストリート・ジャーナルが
すっぱ抜いてしまった。
「なんで書くんだよ(怒)」
と焦ったダリオ氏が真実を隠すためにウソをついた、
というシナリオも考えられますよね。
もしくは、
「ウォール・ストリート・ジャーナルが記事を書き、
ダリオ氏がそれを否定する」
という全ての流れが戦略だった可能性もあります。
ウォール・ストリート・ジャーナルとダリオ氏にとって
メリットがある方向へ投資家を誘導する
ポジショントークだった、ということも考えられなくはありません。
もちろん、憶測でしかありませんし、真実は分かりません。
ただ、重要なことは
「目の前にある情報をいろんな視点で見てみる」
ということです。
たとえば、ダリオ氏の立場になって考えてみたり、
ウォール・ストリート・ジャーナルの
記者の立場になって考えてみたり。
それぞれの人にとって何が一番利益になるのか?
ということを考えてみると、新たな視点が生まれてきます。
「絶対にこうだ!」と決めつけるとあなたが損をします。
ぜひいろんな可能性を考える癖をつけて
情報に振り回されたりダマされることのないよう、
お気をつけください。
==========================
実は・・・情報は「その日の終値」だけで十分
==========================
と言っても、難しいんですよね。
人間の思考には必ずバイアスがかかります。
バイアスに100%左右されずに考えるなんて不可能です。
情報に振り回されないで
生きられる人なんてこの世に一人もいません。
例えば、
『2020年3月までに世界の株式市場が下落することに
10億ドル以上賭けた!』
と聞いてしまえば、もうその時点で
脳は下落イメージから逃れることはできません。
相場を100%フラットに見ることはできなくなります。
じゃあどうすべきか?
情報をトレードの拠り所にするのをやめるしかないですよね。
情報を無視してトレードするということです。
多くの方は情報を無視してトレードすることを
受け入れられないでしょう。
情報がないことに対し、不安を感じるでしょう。
でも、はっきり言いますが、
株トレードなら、「その日の終値」という
たった1つの数字だけで利益を出すことができます。
経済指標も要人発言も
あらゆる情報を捨てて、
ただその日の終値だけを知ることができれば
それだけで利益を出すことが可能です。
それでは、本日も最後までご覧いただき
ありがとうございます。
下山敬三
よろしいですか?