『退職金投資』で勝つ人はホメオスタシスの怖さを知っている。
こんにちは、下山です。
「投資で退職金が消えた・・・。もう未来はないかもしれない。」
先日、そんな悲惨な話を人伝てに聞きました。
「年金だけでは老後資金が足りない」
と世間で騒がれる中、大切な退職金を失い、周りや家族から
「なんでそんなバカなことをしたんだ」
とののしられ・・・
自暴自棄になっていなければ良いのですが。
でもこれ、珍しい話ではありません。
誰にでも起こり得ることです。
そう、「私ならそんな無茶はしない」と思われている慎重なあなたにも。
仮にあなたがすごく堅実に生きていて、
無茶なことをしないタイプの方であったとしても
こういった悲惨な事態に陥る可能性は十分にあります。
退職金に限らず、遺産相続など、なんらかのタイミングで
まとまったお金が入ってきた時、
それを根こそぎ溶かしてしまうような行動を
自ら選んでしまうかもしれません。
なぜなら、それが「人間の本能」だからです。
どういうことか?
いまいちピンとこないかもしれませんが、以下の文章が
その理由について説明してくれています。
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人がいきなり、あるいはほとんど準備もなくーー
快適ゾーンの上限を突破した時には、
大抵は慣れ親しんだ安心な元のゾーンに戻ろうという
強いプレッシャーを潜在意識のなかで感じる。
だから大金を人にくれてやったり、長期の贅沢な休暇旅行に出かけたり、
その他いろいろな方法で新たに取得した富を使い果たしてしまう。
あるいはビジネスへの投資、家の増築、株式投資に手を染める。
こういう考え方そのものは別に悪くはないが、
ほとんどは大金を運用した経験がないから、
ビジネスの判断も投資判断もお粗末で、結局、金を失うはめになる。
ブラッド・クロンツ、テッド・クロンツ
『お金で不幸にならない11のカルテ(大和書房)』
2012年6月1日 第1刷発行 P.70より
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上記文章が説明するように、
人間は今まで慣れ親しんだ心地良い環境にとどまろうとします。
心地良い環境の外に出てしまった時、
人は元の環境に戻ろうとします。
経済レベルが上がった時でも
下がった時でも、とにかく今まで自分がいた経済レベルに戻ろうとします。
「宝くじに当たった人の多くがその後、破産する」
という話を聞いたことがあるかと思いますが、
この破産もまさに、
今まで自分がいた状態に戻ろうとする本能が働いて起こってしまうことです。
「せっかく経済レベルが上がったのに
わざわざ経済レベルを落として元の状態に戻ろうとするなんて・・・」
と、
納得し難いことかもしれませんが、
食べる欲求を抑えきれないのと同じように、
これまで慣れ親しんだ経済レベルに戻る無意識的な衝動を抑えきれないのが人間です。
例えば人間の体には、体温を一定温度に保ち続けるように働く
「ホメオスタシス」と言われる機能が備わっていますが、
「同じ状態を保ち続ける」ということは
人間が生きるために非常に大切なことです。
また、
経済レベルが上がってしまうと、
今までの人間関係が壊れやすくなります。
例えば友達とご飯を食べに行く時でも
それまでお互いに値段を気にしてお店を選んでいたのが、
あなたがいちいち値段を気にしなくても良いくらい
お金持ちになってしまい、
値段を気にするのが煩わしくなると・・・
なんとなく友達との間に距離感ができますよね。
あなたの友達は
「え、今まではあんなに値段気にしていたのに・・・なんで?」
とあなたに対し嫉妬するかもしれませんし、
あなたはあなたで、
「いちいち合わせるの面倒だな」と煩わしくなり。
そういったことはお互い口に出さないとしても
なんとなくの雰囲気でお互いの感情は伝わってしまい、
人間関係崩壊の原因になり得ます。
人間関係において、お互いの経済レベルは
極めて大きい要素です。
だからこそ、
あなたが人間関係を大切に思えば思うほど
その関係を維持するためにも
あえて経済レベルを落とすような行動を
選んでしまう、ということもあり得ます。
もちろん、いろんなケースがありますので、
全ての場合において上記のようなことが起こるわけではありませんが、
急激に大金を手に入れた際は特に要注意です。
例えば1千万単位の退職金が急に入ってきて、
投資に回して資金を増やそうとされるような時は
あなたがどれだけ慎重な方であっても
ルールを破った投資をして、
資金を失う可能性が極めて高くなりますのでご注意ください。
そういえば、日経新聞(6月30日付朝刊)に
以下のような世論調査の結果が
公開されていました。
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老後資金の不足への対応を聞くと
「年金以外の自助努力で不足を賄うべきだ」
が62%だった。
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半数以上の方が老後の資金は
自分でなんとか用意しなければいけない、
という危機感を抱いていると捉えられます。
こういう背景もあり、
「まとまった資金ができたら投資に回してみよう」
と考える方は決して少なくないと思いますが、
これを読まれているあなただけは、
いきなり全額を投資に回すような
危険行為に手を染めないよう願うばかりです。
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退職金は安全運用で十分
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ここまで、
「退職金、遺産相続など、急に大金が入ってきた時は注意してください」
という話をさせてもらいましたが、
あなたがこの記事を真剣に読んでくださっていたとしても
いざ大金が入ってくると、「これだけお金があるんだから」
と気持ちが大きくなり、リスクの高い投資をしたくなるかもしれません。
そこでもう1つお伝えしたいことがあります。
「それだけ十分なお金があるのなら
わざわざリスクの高い取引なんてする必要はありませんよね?」
ということです。
手元に大金があるのなら守り重視のトレードで
利益率がそれほど高くなくても、十分な金額の利益が残せますよね。
一攫千金なんて狙う必要はありません。
困ったことに、これまで投資経験が無くて
投資の怖さを知らない方ほど、欲張って1千万円を2倍、3倍にしたい、
みたいな感じで無茶な取引をしがちですが、
ぜひあなたは、そのような欲にとらわれないでくださいね。
では、退職金など
まとまったお金が入ってきた時、
具体的にどのようなトレードをするのが良いのでしょう?
自分が株アカデミーで教える「波乗り投資法」は
ガチで最強だと自負しています。
なぜなら
ルールさえしっかり守っていただければ、
まず資金を溶かすような事態にはなり得ないからです。
それでいて着実に利益を積み重ねることが可能です。
途中、含み損を抱えるタイミングはありますが、
実質的にロスカットをすることなく、他の含み益と相殺するなど
精神的に楽な方法で、含み損を消す仕組みがあります。
せっかく老後自由に使える時間があるのに、
トレードのストレスでその時間を無駄にしたくないですよね。
とにかく、資金が十分にある方、
もしくは今後その予定がある方は
ぜひ無駄に損をすることのないよう、
着実に資金を増やすことを考えてみてください。
それでは本日も
最後までご覧いただきありがとうございます。
下山敬三
ใช่ไหม?