なぜ私たちは、ナンピンのEAを作るのか
こんにちは、Yokoです。
第1回を読んでくださった皆さま、ありがとうございました。今回は予告どおり、少し根っこのお話です。
「なぜ私たちは、ナンピンのEAを作るのか」
ナンピンは、怖い
最初に正直に書いておきます。ナンピンは怖い仕組みです。
ナンピンは、含み損を抱えたポジションに買い増しをして、平均の建値を有利にしていく手法です。相場が戻ってくれれば、まとめて利益で終われます。勝率が高く、資産曲線もきれいな右肩上がりになりやすいのが特徴です。
でも、その裏側では負けを先送りしているとも言えます。相場が戻らずに一方向へ走り続けたとき、積み上がったポジションは口座全体を揺さぶる大きな損失になります。「コツコツドカン」という言葉があるとおり、ナンピンの怖さは、普段は見えない「尻尾」の部分に集まっているのです。
Kenjiはいつも、「ナンピンのバックテストは、きれいな右肩上がりより、一番苦しかった場面を見ろ」と言います。
実際に、壊れた設定もあります
これは開発の裏話です。
Rising Tideを作る途中で、もっと利益が伸びる「攻めた設定」もいくつも試しました。ある時期までは、本当に驚くほど資産が増えていきます。ところが、2026年3月のゴールドの急落に差しかかったところで、どの攻めた設定も口座が破綻してしまいました。
どれだけ途中の成績が良くても、一度の急落で口座がなくなってしまえば意味がありません。それらの設定は、すべて商品化を見送りました。
今お届けしている設定は、この急落を含む12年間を生き残ったものだけです。数字は控えめに見えるかもしれませんが、これが私たちの出した答えです。
それでも、ナンピンを選ぶ理由
では、そんなに怖いのになぜナンピンなのか。理由は3つあります。
① ゴールドという相場の性格に合っているから
ゴールドは、長い目で見ると上昇してきた資産です。そして短期的には、大きく売られたあとに反発しやすい性質があります。「売られすぎたところを拾い、戻りを待つ」ナンピンの考え方は、ゴールドのこの性格と相性が良いのです。どの通貨ペアでもナンピンが向いているわけではなく、相場を選ぶことが第一歩だと考えています。
② 怖さを「設計」で小さくできるから
ナンピンの怖さはゼロにはできません。でも、小さくすることはできます。私たちのEAには、例えば次のような工夫を入れています。
| ナンピンの間隔を、相場の荒れ具合(ATR)に合わせて広げる 荒れている時ほど、間隔を空けて慎重に拾います。 |
| 急騰・急落を感知したら、ポジションを取らない 短い時間に値段が大きく動いたときは、新しいポジションを取らずに相場が落ち着くのを待ちます。ナンピンが一番危ないのは、一方向への急な値動きに次々と買い向かってしまうときだからです。 |
| 危ない時間帯・危ない日には、新しく始めない 重要な経済指標の前後などです。 |
| 最後の歯止め(ブレーキ)を持つ 含み損が決めた金額を超えたら、口座を守るために止まる仕組みです。 |
③ 検証で、怖い場面を何度も確かめられるから
私たちは、12年分のバックテストを基本にしています。この中には、コロナ危機の乱高下や、2026年3月の急落も含まれています。
怖い場面を、実際のお金を使う前に何度も見ておく。それが、私たちがナンピンと付き合うための約束事です。
私たちが「控えめな倍率」を選ぶ理由
ナンピンには、「倍率」という大切な数字があります。ナンピンするたびに、ロットを何倍にしていくかという数字です。
倍率を上げれば、相場が少し戻っただけで大きな利益が出ます。いわゆる「爆益」です。SNSなどで無料配布されているゴールドEAの中には、この高い倍率で派手な成績を見せるものも少なくありません。業界ではよく知られた作り方です。
でも、その裏側を表にしてみると、こうなります。初期ロット0.01で、20段までナンピンした場合です。
| ナンピン倍率 | 20段目のロット | 20段の合計ロット |
|---|---|---|
| 1.0倍(等倍) | 0.01 | 0.20 |
| 1.06倍 | 0.03 | 0.37 |
| 1.1倍 | 0.06 | 0.57 |
| 1.3倍 | 1.46 | 6.30 |
| 1.5倍 | 22.17 | 66.49 |
| 2.0倍 | 5,242.88 | 10,485.75 |
金色の行が、私たちの3本が既定で使っている倍率です。
倍率1.5倍では、20段目のロットが最初の2,000倍以上になります。ここまで積み上がると、あと少しの逆行で口座が耐えられなくなります。
私たちは、あえて控えめな倍率を既定値にしました。
| 錬金術 Rising Tide | 1.1倍 |
| 錬金自在(安定型) | 1.06倍 |
| 錬金術Duo | 等倍(ロットを増やさない) |
同じ20段のナンピンでも、1.1倍なら20段目のロットは最初の約6倍、合計でも0.57ロットにとどまります。Duoなら、何段になっても最初と同じロットのままです。
相場が戻ったときの利益は、高倍率のEAほど派手ではありません。その代わり、私たちのEAには2つの強みがあります。
強み① 長く生き残ること
逆行が続いても、口座が持ちこたえる時間が長くなります。私たちは、2026年3月の急落を含む12年間を生き残れることを基準にしています。
強み② 低いレバレッジでも運用できること
高倍率のナンピンは、ハイレバレッジの口座環境で運用できるユーザー様を前提にしていることがほとんどです。ロットが一気に膨らむので、それだけの証拠金の余裕がないと、すぐに耐えられなくなってしまうからです。
私たちの3本は、既定の設定のままレバレッジ20倍の口座でも、強制ロスカットされずに完走することを確かめています(Rising TideとDuoは12年間、錬金自在は7年間の検証です)。
| EA(既定設定) | 最低証拠金維持率 (レバレッジ20倍) |
|---|---|
| 錬金術 Rising Tide | 50.76% |
| 錬金自在(安定型) ※7年間の検証 |
20.13% |
| 錬金術Duo M15モード | 196.33% |
| 錬金術Duo M5モード | 20.50% |
ただし、証拠金維持率が一番苦しい場面でどこまで下がるかは、EAやモードによって違います。国内の業者の中には、維持率100%や50%で強制ロスカットになるところもあります。低いレバレッジの口座でお使いになる場合は、ご自身の業者のロスカット水準を確かめたうえで、資金に余裕を持たせるか、Duoなら維持率に余裕のあるM15モードをお選びください。
爆益よりも、12年間生き残ること。
そして、ハイレバレッジ口座に頼らなくても運用できること。
これが、私たちのゴールドナンピンの一番の特徴です。
なお、錬金自在には、リスクを取って利益を狙いたい方のために、倍率を上げた「アグレッシブ」「超アグレッシブ」の設定もご用意しています。ただしこれはあくまで選択肢で、ハイレバレッジ口座専用の設定です。既定は安定型の1.06倍です。この違いは、次回以降に詳しくお話しします。
最後の歯止めは、使ってくださる方の資金管理
もう一つ、大切なことがあります。
どれだけEAの側で工夫をしても、ナンピンの安全性を最終的に決めるのは、口座の資金とロットのバランスです。同じEAでも、推奨より大きなロットで動かせば、12年間耐えた設定でも簡単に壊れてしまいます。
だからこそ私たちは、商品ページやマニュアルに、良い数字だけでなく「一番苦しかった場面」の数字も載せています。それを見て、ご自身の資金で耐えられるかを判断していただきたいからです。
ナンピンがどうしても合わない方へ
ここまで読んで、「やっぱりナンピンは好きになれない」と感じた方もいらっしゃると思います。それは、とても健全な感覚です。
そういう方のために、私たちはナンピンをしない「黄金の守人」も用意しています。この子のお話は、連載の最後にじっくりさせてください。
次回予告
次回は、「錬金シリーズ3本、どれが私に合う?」というお話です。Rising Tide、Duo、錬金自在を比較表でまとめて、どんな方にどの1本が向いているかをお伝えします。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
Yoko
※本記事は過去の検証結果をご紹介するものであり、将来の利益を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。