MT5で「先が見えない」過去検証をする方法 ─ 手でスクロールする落とし穴と、1本ずつ再生する練習
はじめに
過去のチャートで練習しようとして、こんな経験はありませんか。
- チャートを左へ戻したら、右側の値動きが目に入ってしまった
- 「ここで買う」と決める前に、答えを知っていた
- 記録を表に書き写すのが面倒で、3 日で止まった
過去検証(過去のチャートを使って、自分の判断を試すこと)は、裁量トレードの練習の基本です。 ただ、やり方しだいで練習にならないことがあります。
この記事で分かること
- 手でスクロールする過去検証で、何が練習を邪魔しているのか
- 手でやるときに、少しでも「先を見ない」ための工夫
- MT5 で過去の足を 1 本ずつ再生して、注文と記録まで行う手順
手でスクロールする過去検証の落とし穴
MT5 でいちばん手軽な過去検証は、チャートを左へ戻して、少しずつ右へ進める方法です。 道具は要りません。今日から始められます。
ただ、この方法には 3 つの落とし穴があります。
1. 先の足が画面の端に見えてしまう
チャートを戻しても、先の足は消えていません。画面の右側にあります。 スクロールを少し行き過ぎただけで、その後の値動きが目に入ります。
一度見た値動きは、忘れることができません。 「なんとなくここは上がりそう」と感じたとき、それが自分の判断なのか、 さっき見た答えなのか、自分でも区別がつかなくなります。
2. 足ができあがる途中を見られない
スクロールで見えるのは、できあがった足だけです。 実際の相場では、足は 1 本の中でも上がったり下がったりしながら形になります。
「陽線で閉じると分かっていれば入れた」場面でも、 形ができる途中では迷うはずです。その迷いを練習できません。
3. 記録が別の作業になる
エントリーした価格、損切りの位置、結果を、表やノートに手で書き写す必要があります。 書き写す作業が重いと、練習そのものより記録のほうが負担になり、続きにくくなります。
手でやるときに「先を見ない」ための工夫
道具を使わずに続けるなら、次の 3 つを決めておくと、後知恵(答えを知ってからの判断)が入りにくくなります。
- 進める前に書く。 次の足へ進める前に、「買う・売る・見送る」とその理由を 1 行書きます。書いてから進めます
- 損切りと利確も先に書く。 入ると決めたら、損切りと利確の価格を書いてから進めます。途中で動かしたら、それも記録します
- 見てしまったら、その場面は数えない。 先が見えてしまった場面は、成績に入れずに飛ばします
ただし、これは意思で守る方法です。 疲れているときほど、書く前に進めてしまいます。 「先の足が画面に無い」状態を道具で作れば、意思に頼らずに済みます。
過去の足を 1 本ずつ再生して練習する
ここからは、MT5 用のインジケーター「FX過去検証トレーナー」を使う場合の手順です。 (インジケーター:チャートに載せて使う MT5 の部品。自動売買のプログラムとは別物で、このツールは発注を一切しません)
先の足は「隠している」のではなく「無い」
このツールは、練習用の銘柄(例:USDJPY.trn)を別に作り、そこへ過去の足を 1 本ずつ入れていきます。 まだ入れていない先の足は、データとして存在しません。 右へスクロールしても、次に何が起きるかは見られません。
右端の足の先には、まだ何も入っていません。スクロールしても先は出てきません。
手順 1:無料版を入れる
ここでは、ゴゴジャンで配布している無料版で説明します。 無料版は、すべての機能・通貨ペア・期間で、決済 30 回まで(通算)練習できます。期限はありません。
- 記事の最後にある無料版の商品ページから、zip をダウンロードします
- zip を解凍し、中の
.ex5ファイル 2 つ(本体とビーコン)を、MT5 のMQL5\Indicatorsフォルダに入れます (MT5 の「ファイル」→「データフォルダを開く」からMQL5→Indicatorsと開きます) - MT5 の「ツール」→「オプション」→「エキスパートアドバイザ」で、「DLLの使用を許可する」にチェックを入れます
- ナビゲータの「指標」を右クリックして「更新」します
「アルゴリズム取引を許可」は、このツールには要りません(チェックが入っていても問題はありません)。
手順 2:過去のデータを読み込む
再生には、MT5 に保存されている過去のデータ(ヒストリー)を使います。 細かい値動きまで再生するため、1 分足のデータが要ります。
- 練習したい通貨ペアの 1 分足(M1)のチャートを開きます
- キーボードの
Homeキーを押し、左下の読み込み表示が止まるまで待ちます
1 時間足のチャートで Home を押しても、1 分足のデータは増えません。 MT5 は時間足ごとに別々にデータを持っているためです。
手順 3:いつものチャートに本体を載せる
- 練習したい通貨ペアのチャートを開きます。普段使っているインジケーターを載せたチャートにしてください
- ナビゲータの「指標」に出ている
FXBacktestTrainer_free_ggjをチャートへドラッグします (FXBacktestTrainerBeaconはチャートに入れません) - 載せたチャートは黒い画面(制御チャート)に変わり、
<通貨ペア>.trnという練習チャートが別に開きます。 黒い画面のチャートは閉じずに置いておきます
練習チャートには、普段のインジケーターと配色がそのまま写ります。 開いた直後は数秒「準備中」と出ます。消えるまで待ってください。
手順 4:1 本ずつ進めて、注文する
》 再生で再生、■ 停止で止まります。キーボードの→で 1 本ずつ進められます- 速度(
↑/↓キー)が 0〜6 のときは 1 分足ずつ進むので、1 時間足などの足ができあがる様子が見えます Buy/Sellで成行の注文です- 損切りと利確は、
買 SL・買 TP(売りなら売 SL・売 TP)で線を出し、チャートの線をドラッグして決めます。 決めてからBuy/Sellを押します - 指値・逆指値も使えます
手順 5:入った理由を先に書く
パネルの ノート タブで、注文する前に「入った理由」を書けます。 書いた内容は、次に出した注文にそのまま付きます。
「記録モード」を厳格にすると、入った理由を書くまで注文できなくなります。 先ほどの「進める前に書く」を、意思ではなく道具で守れます。
手順 6:途中でやめて、明日続ける
決済のたびと 5 分ごとに自動で保存されます。 MT5 を閉じても、次に起動したとき「前回の続きがあります」と出るので、読込 から続きを始められます。
このツールでできないこと
先に書いておきます。
- 手数料・スワップ・部分決済は計算に入りません。証拠金と強制ロスカットもありません
- 1 分足(設定した最小の足)より細かい値動きは再現しません
- 普段のインジケーターは多くがそのまま使えますが、全部ではありません。 ほかの通貨ペアを直接読むもの(通貨強弱など)や、今日の日時で判断するもの(時間帯の枠など)は正しく動きません
- 口座通貨は日本円のみ、対応は MT5(Windows)のみです
お使いのインジケーターが動くかどうかは、無料版で載せて確かめるのがいちばん早いです。
練習の手順は、こちらの記事にまとめています。
▶ MT5で「先が見えない」過去検証をする方法 ─ 手でスクロールする落とし穴と、1本ずつ再生する練習
https://www.gogojungle.co.jp/finance/navi/articles/126682
まとめ
- 手でスクロールする過去検証は、先の足が画面に残っているので、後知恵が入りやすい
- 手でやるなら「進める前に書く」「見てしまった場面は数えない」を決めておく
- 先の足が「無い」チャートで 1 本ずつ再生すれば、答えを知らないまま判断する練習ができる
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▶ 先が見えると練習にならない理由 ─ 過去検証に「後知恵」が入る3つの場面
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▶ FXの過去検証(バックテスト)とは? やり方・手順・続け方の全体ガイド
https://www.gogojungle.co.jp/finance/navi/articles/126878
練習ツールについて
この記事で紹介した練習は、MT5 用のインジケーター「FX過去検証トレーナー」でできます。 過去のチャートを 1 本ずつ再生し、仮想口座で注文・記録・振り返りまで行える練習用のツールです。
無料版があります。 すべての機能・通貨ペア・期間で、決済 30 回まで(通算)練習できます。期限はありません。 お使いの MT5 で動くか、普段のインジケーターが使えるかを、先に確かめられます。
▶ 無料版(商品ID 86772) https://www.gogojungle.co.jp/tools/indicators/86772
回数を気にせず練習したい方は、製品版をご覧ください。 無料版で書いたトレードノートと保存した検証は、そのまま製品版で開けます。
▶ 製品版(商品ID 86765) https://www.gogojungle.co.jp/tools/indicators/86765
ご注意
- このツールは練習のための道具です。利益を保証するものではありません。実際の発注は行いません。
- この記事は練習の方法の紹介です。特定の売買や手法をすすめるものではありません。