FXの過去検証(バックテスト)とは? やり方・手順・続け方の全体ガイド
はじめに
「過去検証が大事」とはよく言われます。 でも、何から始めて、何を記録して、どこまでやればよいのかは、意外と説明されていません。
この記事は、FX の過去検証の全体像をまとめた案内です。 くわしいやり方は、それぞれの記事に分けて書いています。気になるところから読んでください。
この記事で分かること
- 過去検証とは何か、何のためにするのか
- 過去検証の 3 つのやり方と、それぞれの向き不向き
- 準備から振り返りまでの 6 つの手順
- 続けるためのコツ
過去検証とは
過去検証とは、過去のチャートを使って、自分の売買のルールや判断を試すことです。 「バックテスト」とも呼ばれます。
バックテストという言葉は、自動売買のプログラム(EA)の成績を過去のデータで計算することを指す場合もあります。 この記事で扱うのは、自分の目で見て、自分で判断する裁量トレードの過去検証です。
過去検証でできることは、大きく 2 つあります。
- ルールを確かめる:自分のルールで売買したら、過去の相場でどんな結果になったかを数える
- 判断を練習する:本番のお金を使わずに、「ここで入るか、見送るか」を何度もくり返す
どちらも、本番の相場では時間がかかることです。 本番では、同じ場面が来るまで何日も待つことがあります。過去のチャートなら、その場面をすぐに何十回も見られます。
過去検証の 3 つのやり方
1. チャートを手でスクロールする
MT5 などのチャートを左へ戻し、少しずつ右へ進めながら判断します。
- 道具が要らず、今日から始められる
- 先の足が画面の右側に残っているので、答えが目に入りやすい
- 注文・損益・理由の記録は、すべて手作業
2. デモ口座で練習する
実際の相場を、仮想のお金で取引します。
- 実際の約定・スプレッドで練習できる
- 相場が動くのを待つので、練習できる回数が時間に縛られる
- 過去の特定の相場(大きな指標の日など)を選んで練習することはできない
厳密には過去検証ではありませんが、練習の方法として比べておきます。
3. 過去の足を 1 本ずつ再生するツールを使う
過去のチャートを 1 本ずつ再生しながら、仮想口座で注文します。
- 先の足を見ずに判断できる(ツールのしくみによる)
- 再生の速さを変えられるので、短い時間で回数を増やせる
- 記録が自動で残るものが多い
- ツールを入れる手間がかかる。費用がかかるものもある
どれが正しいということはありません。 大切なのは、先の値動きを知らずに判断しているかと、記録が残るかの 2 点です。
先が見えてしまうと何が起きるかは、こちらの記事にくわしく書いています。
▶ 先が見えると練習にならない理由 ─ 過去検証に「後知恵」が入る3つの場面
https://www.gogojungle.co.jp/finance/navi/articles/126818
過去検証の 6 つの手順
手順 1:ルールを文章にする
最初に、試したいルールを文章にします。 「押し目で買う」のようなあいまいな言葉のままだと、場面ごとに判断がぶれて、あとで数えられません。
- どんな相場のときに(例:上位足が上向き)
- どこで入るか
- どこで損切りするか
- どこで利確するか
この 4 つを、ほかの人が読んでも同じ判断ができる言葉で書きます。
手順 2:過去のデータを用意する
MT5 で過去検証をするなら、練習したい通貨ペアの過去のデータ(ヒストリー)を読み込んでおきます。
細かく見たいときは、1 分足のデータが要ります。 1 分足のチャートを開いてキーボードの Home キーを押すと、過去へさかのぼって読み込まれます。 MT5 は時間足ごとに別々にデータを持っているので、1 時間足のチャートで Home を押しても 1 分足は増えません。
手順 3:先を見ずに判断する
チャートを少しずつ進めながら、「入る・見送る」を判断します。 手で進めるときは、次の足へ進める前に判断を書くと決めておくと、後知恵が入りにくくなります。
手順 4:1 回ごとに記録する
最低限、次の項目を残します。
- 日時・通貨ペア・時間足
- 買いか売りか
- 入った理由
- 損切りと利確の位置(入る前に決めたもの)
- 結果(pips や損益)
- 切った理由
- ルールどおりだったか(○×)
入った理由は、結果を知る前に書きます。あとから書くと、結果に合わせた説明になってしまいます。
手順 5:まとまった回数で振り返る
数回の結果だけでは、たまたまの勝ち負けに振り回されます。 ある程度の回数がたまってから、次のような点を見ます。
- 勝った回と負けた回で、入った理由に違いはあるか
- ルールどおり(○)の回と、ルール破り(×)の回で、損益に差はあるか
- 損切りの位置は、あとから見て適切だったか
手順 6:ルールを 1 つだけ直して、また試す
直すときは、一度に 1 か所だけ変えます。 いくつも同時に変えると、どの変更が効いたのか分からなくなります。
直したら、手順 3 に戻って、また同じように試します。
続けるためのコツ
過去検証は、1 回で終わるものではありません。続けられる形にしておくことが大切です。
- 1 回の時間を決める:1 日 20 分など。長くやるより、毎日少しずつのほうが続きます
- 途中でやめられるようにする:どこまで進めたかを記録しておき、翌日はそこから再開します
- 記録の手間を減らす:書き写す作業が重いと、練習より記録が負担になります
- 成績より行動を見る:勝ち負けより「ルールどおりに入れたか」を先に見ます
道具で手間を減らす
手順 3 の「先を見ずに判断する」と、手順 4 の「記録する」は、手作業では手間がかかるところです。
MT5 用のインジケーター「FX過去検証トレーナー」は、過去のチャートを 1 本ずつ再生して、仮想口座で注文と記録ができる練習用のツールです。
- 先の足はデータとして存在しないので、スクロールしても見えません
- 損切りと利確は、チャートの線をドラッグして決めます。線の横に損益比(RR)と想定損失が出ます
- 入った理由・切った理由・○×を、1 回ごとにノートへ残せます
- 途中で保存して、次の日に続きから再開できます
できないこともあります。 手数料・スワップは計算に入りません。設定した最小の足(既定は 1 分足)より細かい値動きも再現しません。 手順 1 のルールづくりと、手順 5・6 の振り返りは、道具ではなく自分で行う部分です。
MT5 でツールを使って練習する手順は、こちらの記事にまとめています。
▶ MT5で「先が見えない」過去検証をする方法 ─ 手でスクロールする落とし穴と、1本ずつ再生する練習
https://www.gogojungle.co.jp/finance/navi/articles/126682
まとめ
- 過去検証は、過去のチャートでルールを確かめ、判断を練習すること
- 大切なのは「先を知らずに判断しているか」と「記録が残るか」
- ルールを文章にする → データを用意する → 先を見ずに判断する → 記録する → 振り返る → 1 か所だけ直す、をくり返す
練習ツールについて
この記事で紹介した練習は、MT5 用のインジケーター「FX過去検証トレーナー」でできます。 過去のチャートを 1 本ずつ再生し、仮想口座で注文・記録・振り返りまで行える練習用のツールです。
無料版があります。 すべての機能・通貨ペア・期間で、決済 30 回まで(通算)練習できます。期限はありません。 お使いの MT5 で動くか、普段のインジケーターが使えるかを、先に確かめられます。
▶ 無料版(商品ID 86772) https://www.gogojungle.co.jp/tools/indicators/86772
回数を気にせず練習したい方は、製品版をご覧ください。 無料版で書いたトレードノートと保存した検証は、そのまま製品版で開けます。
▶ 製品版(商品ID 86765) https://www.gogojungle.co.jp/tools/indicators/86765
ご注意
- このツールは練習のための道具です。利益を保証するものではありません。実際の発注は行いません。
- この記事は練習の方法の紹介です。特定の売買や手法をすすめるものではありません。