【フィボナッチ実戦ノート】第3回:「61.8%は最終防衛ライン」と言われるが、実際はどうなのか
反発する場所を探すだけでは、もったいない
前回は、23.6%や61.8%といった数字がどこから来たのかを書きました。今回は、その数字ひとつひとつが何を意味しているのか、という話です。
フィボナッチを引くと、線が何本か出ますよね。多くの解説では「このあたりで反発しやすい」とひとまとめに説明されます。ですが、実は5本の線には、それぞれ別の顔があります。
23.6%――浅いぶん、心もとない
もっとも浅い水準です。強いトレンドほど、ここで反発して伸びていくと言われます。買いたい人が、まだ多く残っている。そういう読み方ですね。
ただし、23.6%は単独ではあまり当てにされていないようです。私も、23.6%だけを頼りに反発を期待して、外れたことがあります。過去に何度も反発した価格帯や、移動平均線。そうした他の節目と重なって、初めて意識されます。実務での扱われ方は、そちらに近いと思います。
38.2%――乗り遅れた人が入ってくる場所
23.6%より一段深い水準です。初動に乗れなかった人がいます。無理のない価格を待って、入ってくる。そういう場所だとよく説明されます。
強いトレンドの調整幅は、ここまでが目安です。「健全」とされることが多いようです。なので、押し目買いの代表的な水準として、真っ先に名前が挙がります。
50%――実はフィボナッチではない
意外に知られていません。50%は、フィボナッチ数列から出てくる比率ではないのです。23.6%・38.2%・61.8%・78.6%は、数列の項を割り算して出てきます。ですが、50%だけはそこに含まれていません。
半値まで戻すことが多い。買い方と売り方が拮抗する節目、という相場の経験則です。それが、後からフィボナッチの線に付け加えられた形のようです。つまり、出どころが違う数字が、同じ画面に並んでいるわけですね。
61.8%――もっとも語られる水準
黄金比そのものです。「ここを守れれば元のトレンドが続く」。「ここを割ると、トレンドの起点まで戻る可能性が出てくる」。そう言われる、フィボナッチのなかでもっとも注目される水準です。
ただ、ここで一つ触れておきたいことがあります。61.8%が本当にそこまで強い節目なのか、疑問を持つ声も見かけます。私も一度、61.8%を過信して痛い目にあったことがあります。反発を信じて待ちすぎて、そのまま突き抜けられました。「よく効くと言われる水準」と「実際によく効く水準」は、必ずしも同じではないようです。あくまで目安です。多くの人が意識している、という程度に見ておくのが妥当だと思います。
78.6%――止まるか、終わるか
もっとも深い水準です。100pipsの上昇があったとして、78.6%まで戻ると、残っているのは21.4pipsだけです。上昇の8割が、戻りで消えている計算になります。
ここで止まれば「深めの押し目だった」と言えます。ですが、割れると「上昇はもう終わった」という見方に切り替わりやすい。そういう分岐点的な水準とされています。
ハーモニックパターンという手法では、むしろこの深さそのものを狙います。出現頻度は低いぶん、出てきたときの意味は大きい。そういう水準だと思います。
それぞれ意味は違う、ただしフィボナッチだけで相場は動きません
ここまで5つのレベルを見てきました。並べてみると、浅いところほどトレンドの強さを、深いところほど転換の可能性を示す。そういう軸が見えてきますよね。
ただ、大事なことをひとつ。フィボナッチの線そのものが相場を動かしているわけではありません。多くの人が同じ線を見ているから、結果として効いているように見える。前回書いた通り、そういう性質の指標です。
だからといって、それぞれの意味を知らなくていい、ということにはならないと思います。むしろ、線の意味を知っているからこそ、次の判断材料になります。「今回は浅めで反発した。強いトレンドかもしれない」。そういうふうに読めるわけです。
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私が使っているFTSは、引いたフィボナッチのレベルを価格つきで表示したり、どのレベルに何pipsで届くのかが、線を引いた時点で分かります。
表示するレベルの構成も自由に決められるので、相場に合わせてカスタマイズ出来、他のインジケーターやダウ理論等との相性もとても良いです。
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次回
第4回では、どの高値と、どの安値から引くのかを書きます。
今回は「レベルそれぞれの意味」の話でしたが、そもそも起点が違えば、レベルの位置は全部ずれます。実際に計算してみると、起点を一段変えるだけで61.8%が12pips以上動きました。ここは意外と語られていない割に、結果が大きく変わる部分だと思っています。