?トランプ「トゥルースAPI」月1600万円の情報格差、日本ではなぜ話題にならない?
「大統領の投稿を、他の投資家より数ミリ秒早く受け取れる」――これに月1600万円払う企業があると聞いたら、どう思いますか?
トランプ大統領のSNS「Truth Social」を運営するTrump Media & Technology Group(TMTG)は8月1日、「Truth API」を開始しました。
影響力の大きいアカウントの投稿を、機械が処理しやすい形でリアルタイム配信するサービスです。
料金は月6万~10万ドル。高いように見えますが、相場を動かす情報なら話は変わります。

?なぜ海外では「投資の問題」になっているのか?
トランプ氏の投稿は、関税や外交などの政策発表を含み、市場を動かすことがあります。だからこそ、情報を「誰より早く受け取れること」そのものに値段が付くわけです。
実際、米国ではすでに10社超が契約。民主党議員からSECへの調査要請も出ており、8月12日にはThe InterceptとFreedom of the Press Foundationが提訴しました。

問題は単なる「トランプ氏の新しい金儲け」ではありません。大統領の発信と金融市場、そして私企業の利益が近すぎるのではないか、という話です。
さらにトランプ氏自身がTMTGの約41%を保有していると報じられています。つまり「市場を動かす可能性がある情報」を扱う会社と大統領自身の経済的利益が無関係とは言い切れない。
ここが海外で大きな論争になっている理由でしょう。

?日本では「スキャンダル」で終わってしまう?
ところが日本では、「トランプがまた商売を始めた」というニュースとして消費されがちです。
でも、投資家にとって本当に重要なのは、トランプ氏の商売そのものではありません。
情報には値段があり、速度にも値段がある。これがTruth APIの本質です。
1秒より100ミリ秒、100ミリ秒より1ミリ秒早く情報を受け取り、アルゴリズムが注文を出す。人間が「ニュースを読んでから考える」世界とは、そもそもゲームのルールが違います。

日本の個人投資家からすれば「月1600万円?誰がそんなものを買うの?」となるでしょう。しかし、買う企業が10社以上あるということは、それだけ情報の早さに経済的価値があるということです。
日本でこのニュースが大きく広がらないのは、投資を「株を買って値上がりを待つもの」と捉える人が多く、情報そのものが市場で売買される感覚がまだ遠いからなのかもしれません。

?チャートが動く前に、情報が動いている
実はこの「Truth API」については、一か月前にも取り上げました。
そのときも感じたのですが、これは単なるトランプ氏の新ビジネスや政治スキャンダルとして見る話ではありません。投資において「情報」がどれほど大きな価値を持っているのか、という話です。

もちろん、チャート分析も重要です。買われすぎ、売られすぎ、トレンドライン、サポートやレジスタンスなど、チャートには売買のタイミングを考えるためのヒントがたくさんあります。
しかし、そのチャートを大きく動かすきっかけは何でしょうか。
大きなトレンドが発生したり、それまでの流れが突然変わったりする。その背景には、政策、経済指標、要人発言、戦争や外交などの「情報」があります。
つまり、情報があり、その結果としてチャートが動いている。

?月1600万円を払う企業がいるという事実
チャートだけを見ていると「上がった」「下がった」という結果は分かります。しかし、その変化を生み出した情報まで見れば、「なぜ動いたのか」という原因に近づけます。
Truth APIが示しているのは、まさにそこです。市場を動かす情報には、それだけの価値がある。そして、その情報を少しでも早く入手することに月1600万円を払う企業まで存在する。

チャート分析を否定する話ではありません。むしろ、情報を理解したうえでチャートを見る。
これからのトレードでは、その組み合わせがますます重要になっていくのではないでしょうか。
Truth APIが突きつけているのは、トランプ氏の倫理問題だけではありません。「情報を早く得ること」そのものが巨大なビジネスになるという、現代の金融市場の現実です。
トレーダーにとっては、むしろこちらの方が重要なニュースではないでしょうか。
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