【えんむすびAI開発ストーリー 第16回】なぜ「えんむすび」と名づけたのか ― 名前に込めた願い
前回まで、季語や「縁結び処」パネルなど、このEAをくるむ世界観をお話ししてきました。世界観編の締めくくりに、いちばん根っこにある「名前そのもの」の話をさせてください。なぜ、このEAを「えんむすびAI」と名づけたのか。じつは名前のなかに、このEAの仕組みと願いが、まるごと畳み込まれています。
※「円(えん)」と「縁(えん)」――同じ読みの二語が、このEAの設計そのもの。
名前の出発点は、シンプルな言葉あそびでした。このEAが見張るのは、USDJPY・GBPJPY・EURJPYという三つの「円(えん)」クロスです。そして、その三つの関係を「結ぶ」ことで成り立っています。円を結ぶ。そこに同じ読みの「縁(えん)」を重ねて、「えんむすび」。
ただの語呂合わせで終わらせたくはありませんでした。名前は、毎日いちばん多く目にする言葉です。だからこそ、口にしたときにEAが何をしているのかが思い出せる名前にしたかった。「円を、縁で、結ぶ」。この一言が、ロジックの要約になっています。
第9回でお話ししたように、このEAは三つの円クロスを見比べて、仲間より出遅れた一輪をそっと買います。出遅れるというのは、ほかの二つから少し離れてしまった、ということ。その離れた一輪を買い迎えることは、ばらけた三つの関係をもう一度つなぎ直す動きでもあります。
縁結びとは本来、離れているもの同士を引き合わせること。相場の世界で言い換えれば、出遅れて取り残された銘柄を、また流れのなかに結び戻す。「えんむすび」という名前は、この振る舞いをそのまま写し取ったものなのです。
「結ぶ」には、もうひとつの意味を込めています。第11回でご説明したバスケット利確の発想です。このEAは、含み益の玉と含み損の玉を一本ずつバラバラに決済しません。育った勝ち玉が、まだ沈んでいる負け玉の手を引いて、いっしょに外へ出る。全体がプラスになったところで、まとめて結びを解きます。
負け玉を一つだけ切り離して確定させない――これは、損切りをしない設計と一本につながっています。玉と玉を結んでおくからこそ、待つことができる。「むすび」は、世界観の飾りではなく、決済ロジックの核そのものなのです。
この連載のタイトルは「散っても、また咲く」です。名前にもその願いを重ねました。運用していれば、含み損で苦しい時季は必ず訪れます。桜が一度散るように、いったん離れ、冷え込むこともある。それでも縁が切れていなければ、時季がくればまた結ばれ、また咲く。そう信じられる関係でありたい、と思っています。
もうひとつ。ここで言う「縁」は、相場のなかの三通貨だけの話ではありません。このEAと、使ってくださるあなたとの縁でもあります。数字に追い立てられて短い付き合いで終わるのではなく、穏やかに、長く付き合えるEAであってほしい。投げ出さずに季節を一巡できる関係を結びたい――その願いを、まるごと名前にしました。
やわらかな名前ですが、リスクを和らげる名前ではありません。えんむすびAIは損切りをしない設計です。三つの円クロスが一斉に同じ方向へ動く急速な全面的円高では、結びを解く前に含み損が膨らみ、口座が破綻する可能性があります。「結んで待つ」設計は、戻ってきてくれる相場では強みになりますが、戻らずに一方向へ進み続ける相場では弱点に変わります。必ず余裕資金で運用してください。推奨証拠金の目安は、0.01ロット×3銘柄あたり約100万円です。この弱点には、次回のリスク編で正面から向き合います。
- 三つの「円」クロスを結ぶ → 同じ読みの「縁」を重ねて「えんむすび」
- 出遅れた一輪を買う=離れた銘柄を流れに結び戻す動き
- 勝ち玉と負け玉を結んでまとめて利確(バスケット)=損切りしない設計の核
- 願いは「散っても、また咲く」=EAと使い手の長い縁を結ぶこと
- ※名前はやさしくても、全面円高のリスクは消えない。余裕資金で
※本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。掲載している運用結果は過去の実績であり、将来の利益を保証するものではありません。FX・CFD取引はリスクを伴います。投資判断はご自身の責任において行ってください。