えんむすびAI 開発ストーリー 第10回 ― 買い足しの間隔と本数(ナンピンを“計画的に”並べる)
前回(第9回)は、ATRで公平に「出遅れた一輪」を選ぶ話でした。では、買ったあとにさらに逆行したら? えんむすびAIは買い下がり(ナンピン)で平均建値を下げて待つ設計です。ただ、ナンピンはやり方しだいで、味方にも凶器にもなる。今回は、買い足しを「どの間隔で・何本まで」並べるかを、感情ではなく“計画”で決める、という話をします。
裁量でいちばん溶かしやすいのが、計画のないナンピンです。下がるたびに「もう底だろう」と感情で買い足す。間隔はバラバラ、本数は無制限。気づけば一気に深く潜り、戻ってこられなくなる――私自身、そこで痛い目を見ました。
だからEAにするときに、まず決めたことがあります。「いくらで」買い足すかは決めない。「どれだけ逆行したら」「何本まで」を先に決める。値ごろ感を捨て、ルールに置き換える。ここが、ナンピンを設計に落とすときの肝でした。
買い足しの間隔は、固定のpipsではなくATR(その通貨の普段の値幅)の何倍かで決めます。前回登場した“ものさし”が、ここでも効いてくるわけです。よく動く通貨は広めに、穏やかな通貨は狭めに――ボラに合わせて、間隔が自動でそろいます。
効果は2つ。ひとつは、荒れた相場で間隔が勝手に広がり、同じ値幅に弾を撃ち込みすぎないこと。もうひとつは、感情の入り込む余地がなくなること。直近の建値から決められたATR幅ぶん沈んだら、はじめて次の一輪。それ以外では動きません。
もうひとつ大事なのが、1サイクルで並べる最大の本数です。無制限に買い下がれてしまうと、相場が一方向に走ったとき、資金が尽きるまで弾を撃ち続けてしまう。これは絶対に避けたい。
だからえんむすびAIでは、本数の上限を自分の資金から逆算して決めておくという考え方を採っています。「ここまで来たら、もう新しい買い足しはしない」というラインを、感情が高ぶる前の冷静なうちに引いておく。攻めの道具に、先にブレーキを付けておくイメージです。
※図はえんむすびAIの「計画的なナンピン」の考え方を示したイメージです。
毎回お伝えしていることを、今回も。間隔を等間隔にして、本数に上限を置いても、全面的で長期的な円高が来れば、上限まで並べた建玉がそろって含み損になります。計画的なナンピンは「耐え方を整える」工夫であって、損失をなくす魔法ではありません。上限まで並んでも口座が耐えられるよう、本数の上限は必ず余裕資金から逆算する。ここだけは、何度でも繰り返します。
- 計画のないナンピン(バラバラの間隔・無制限の本数)が、いちばん危ない
- 買い足しの間隔は固定pipsでなく「ATRの幅」で等間隔に ― ボラに合わせて自動でそろう
- 本数には上限を置き、「どこまで耐えるか」を冷静なうちに先に決める
- 計画的でも全面・長期の円高では上限までそろって含み損 → 上限は余裕資金から逆算
※本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。掲載している運用結果は過去の実績であり、将来の利益を保証するものではありません。FX・CFD取引はリスクを伴います。投資判断はご自身の責任において行ってください。