【第3回】CHAOS_GOLD 木曜だけ動かさない理由──4日稼働がもたらす収益曲線の安定
「なぜ木曜日だけ動かさないんですか?」
CHAOS_GOLD_LISKOFF_MT5を使い始めた方から、最初によく届く質問のひとつです。月・火・水・金は稼働するのに、木曜日だけプログラム上で完全にオフになっている。土日の市場休場と違い、木曜は普通に相場が動いているにもかかわらず、意図的に動かさない設計になっています。
「稼働しない日があるなら、その分チャンスを逃しているのでは?」と感じる方もいるかもしれません。ところが実際には逆で、木曜を外したことで7年間の収益曲線が安定し、PF2.96・RF11.49という結果に寄与しています。
今回は、なぜ木曜日を選んで除外したのか、その背景にあるゴールド相場の週次パターンと設計思想を詳しく解説します。
アノマリー手法の根幹は「時間帯に統計的な偏りがある」ことでした。しかし同じ21時・18時・4時のエントリーでも、曜日によって偏りの強弱が異なります。
7年間のゴールド相場データを分析したとき、木曜日は他の曜日と比べていくつかの不安定な特性が観測されました。
特に「新規失業保険申請件数」は毎週木曜に定例発表される指標で、週によっては大きく予想を外れ、ゴールドに100〜200ドル規模の急変動をもたらすこともあります。CHAOS_GOLDのような「時間帯の統計的優位性」を利用するEAにとって、こうした突発的な指標起因の動きは設計の前提を崩す「ノイズ」です。
月〜水・金の4日間は、アノマリーの偏りが機能しやすい環境が整っている。木曜だけ、その前提が崩れやすい──これが定休日を設けた根本的な理由です。
EAの設計でしばしば見落とされるのが「稼働しない選択」の重要性です。多くのEAは「いかに多くのトレードをするか」を最大化しようとします。しかし勝率・PFを長期維持する上では、エッジのない場面でのトレードを徹底的に省く設計が有効です。
バックテストで木曜を除外しない場合と比較すると、木曜を含めた全5日稼働では月次・週次ベースで損失が出るケースが増加し、年間PFが下がる傾向が確認されました。稼働日数を「減らす」ことで、結果的に7年間の利益合計と安定性が向上するという逆説的な結果です。
これはEA設計において「チャンスを増やす」より「負けやすい場面を排除する」アプローチの優位性を示しています。PF2.96・RF11.49という数値は、こうした細かな設計判断の積み重ねから生まれています。
私が裁量トレードをしていた頃、毎日チャートに張り付いて「動きがあれば何かしなければ」という強迫的な感覚がありました。結果、エッジのない場面でもエントリーを繰り返し、損失を積み上げました。
EA設計でも同じ落とし穴があります。毎日エントリーできるロジックは一見「効率的」に見えますが、勝率の低い場面を混ぜ込むことで長期的な期待値を下げます。CHAOS_GOLDの木曜定休は「エッジのない日を見極めて、意図的に休む」という設計の象徴です。
- トレード数が多い
- ノイズ相場でも強制エントリー
- 短期は派手に見えやすい
- PF・RFが長期で劣化しやすい
- エッジのある4日間に絞る
- ノイズ日(木曜)は完全回避
- 短期は物足りなく見える場合も
- PF・RFが7年間安定して維持
「木曜日に何もしていない」というのは欠点ではありません。7年間の統計が裏付けた、意図的な設計です。
EA稼働中の木曜日、MT5の画面を開いても新しいエントリーは入りません。「今日は何も起きていないが大丈夫か?」と不安になる方もいます。これは設計通りの動作ですので、安心してください。
- 保有中のポジションの含み損益を確認する
- 証拠金維持率が適切なレンジにあるか見ておく
- 翌日(金曜)の稼働前に相場環境を把握しておく
- 週次レポートなどで相場の方向性を頭に入れる
木曜日に「何も起きない」ことは、EAが設計通り動いている証拠。週次でポジション状況を整理し、翌週以降の稼働準備を整える日として活用するのがおすすめです。
なお、木曜日に保有中のポジションが存在する場合は、それは水曜日以前に建てられたものです。木曜は新規エントリーこそしませんが、既存ポジションの決済ロジックは通常通り動作しています。
- 木曜は週次指標・ポジション整理・アノマリー消失の3要因でノイズが集中しやすい
- 木曜を除外することで7年間のPF・RFが安定して維持された
- 「チャンスを増やす」より「負けやすい場面を排除する」設計が長期安定の鍵
- 木曜日に動きがないのは欠陥ではなく、統計に基づく意図的な設計
※本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。掲載している運用結果は過去の実績であり、将来の利益を保証するものではありません。FX・CFD取引はリスクを伴います。投資判断はご自身の責任において行ってください。
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