なぜゴールドEAは多いのに原油EAは流行らないのか?EA開発者がCFDを検証して見えた本当の理由
なぜゴールドEAは多いのに、原油EAはほとんどないのか?
これ、原油のEA開発をやったことがある私からすると、はっきりした理由があります。
結論を先にいうと、原油はテクニカルが効きにくいからです。
「よく動く銘柄なんだから、EAで利益を狙いやすそう」と思う人もいるんですが、実際は逆で、動きが変則すぎて扱いづらいんですね。
私はこれまで、FXだけでなく、ゴールドや原油、それからUS30、NASDAQ、S&P500、日経平均株価なども含めて、いろいろバックテストしてきました。
その中で感じたのは、原油はかなり特殊だということです。
ゴールドも難しいです。株価指数も簡単ではありません。
でも、その中でも原油は別格で難しいです。
なぜかというと、単純にテクニカルが効きにくいとか、ボラティリティが高いとか、そういう話だけではないからです。
EA開発に必要な前提そのものが壊れやすいんです。
特に大きいのは、次の2つです。
- スプレッドが広い
- 過去チャートをもとにしたロジックが意味をなさない
特に2個目の理由がヤバイです、バックテストで良い結果が得られない、さらに、実運用でも使い物にならない。
なので、原油って、EAにするのが本当に難しいんです。
原油EAが難しい理由1 スプレッドが広すぎる
まず、原油EAが難しい最大の理由のひとつが、スプレッドの広さです。
これはかなり重要です。
でも、初心者の方ほど見落としやすいところでもあります。
たとえばドル円やユーロドルみたいなメジャー通貨は、スプレッドが比較的狭いですよね。
だから、短期売買でもコスト負けしにくいんです。
でも原油は違います。
スプレッドが広いので、エントリーした瞬間から不利なんですね。
しかも、24時間動かすと、取引回数が増えやすいです。
ロジック次第では1日に何度も売買します。
すると、そのたびにスプレッドコストが積み重なります。
つまり、原油みたいにスプレッドが広い銘柄は、ちょっと優位性があるくらいでは全然足りないんです。
しっかりした優位性がないと、トレードすればするほど削られていくということが普通に起こります。
私はTDS(Tick Data Suite)で原油の時系列データを取って、検証してきました。
データ自体は取れますし、バックテストもできます。
ただ、やってみるとよくわかるんですが、原油はまず「勝てるロジックを探す」以前に、スプレッドに耐えられる構造にするのが難しいです。
ここがドル円とはかなり違います。
ドル円なら、多少エントリー精度が荒くても、スプレッドが狭い分だけまだ救われることがあります。
でも原油は、その救いが少ないです。
ちょっとしたエントリーのズレ、決済の遅れ、優位性の薄さが、そのまま成績悪化につながりやすいです。
要するに、原油は「動くから取れそう」に見えるんですが、実際にはコストの時点で相当不利なスタートを切っているわけです。
原油EAが難しい理由2 過去チャートが通用しにくい
もうひとつ、原油が難しい理由があります。
こっちのほうが、むしろ本質かもしれません。
それが、過去チャートが通用しにくいということです。
EAって、結局は過去のレートやチャートをもとに作るものです。
MQL4でもMQL5でもそうですが、何かしら過去の動きのパターン、癖、優位性を見つけて、それを自動化していくわけですよね。
つまりEA開発の根本には、
過去に機能したものは、今後もある程度は機能するはずだ
という前提があります。
でも原油は、この前提が崩れやすいんです。
戦争や中東情勢、増産減産の影響をモロに受ける
原油って、為替以上に世界情勢の影響を受けやすいです。
たとえば、
- 戦争
- 中東情勢
- OPECの増産、減産
- 供給不安
- 輸送問題
- 制裁
- 地政学リスク
こういったものが、かなりダイレクトに価格へ反映されます。
つまり、チャートの形だけ見ていてもダメなんです。
過去のチャートで機能していたロジックが、ニュース一本で急に通用しなくなることがあります。
このへんが、普通のFX通貨とはかなり違います。
もちろんドル円だって、日銀とかFOMCとか、要人発言で動きます。
でも原油は、それ以上に「外の事情」に支配されやすいんですね。
なので、チャートだけを材料にしたEAとの相性が悪くなりやすいです。
チャートベースの優位性が意味をなさない
原油で一番怖いのはここです。
バックテストではうまく見えていたロジックが、実運用に入った途端に崩れる。
これが本当に起こりやすいです。
たとえば、レンジを想定した逆張りロジック。
あるいは、一定の押し目戻りを前提にしたロジック。
こういうものって、普段は機能していても、戦争や供給ショックみたいなイベントが入ると、一気に壊れます。
つまり、テクニカルがまったく効かないというより、
効く時期と効かない時期の差が大きすぎるんです。
この「再現性の低さ」が、原油EAの最大の難しさだと思っています。
私自身もいろいろ検証してきましたが、原油って、ある期間だけ見れば良さそうに見えるEAは作れます。
でも、それを長く運用できるかというと、話は別です。
EAって、結局は継続的に動かせないと意味がありません。
そう考えると、原油はかなり厳しいです。
では、なぜゴールドEAは流行ったのか
じゃあ逆に、なぜゴールドEAはここまで多かったのか。
ここも気になりますよね。
結論からいうと、これまでの金相場が、ナンピン系EAと比較的相性がよかったからです。
ナンピンマーチン系と相性がよかった
ゴールドEAって、かなりの割合でナンピンマーチン系、グリッド系が多いです。
含み損が出たら少しずつポジションを重ねて、戻ったところでまとめて取る、というタイプですね。
これがなぜ広まったかというと、過去の金相場では、ある程度戻る場面が取りやすかったからです。
もちろん、いつでも簡単だったわけではありません。
でも、原油よりはまだ「戻り」を期待しやすい局面が多かったんです。
その結果、見た目の勝率が高いEAが作りやすくなります。
販売もしやすいです。
実際、ゴールドEAが多い理由のひとつはここだと思っています。
ただし、ここは誤解しないでほしいんですが、
勝率が高いことと、安全であることは別です。
ナンピンマーチン系は、平常時にはすごくきれいに勝てます。
連勝もしやすいです。
でも、大きな一方向相場が来た時に、一気に崩れます。
最近のゴールドは昔ほど安全ではない?
昔は「金は比較的安定しているから、ナンピンしやすい」と言われることもありました。
実際、その考えで作られたゴールドEAもかなり多かったと思います。
でも、最近の金相場を見ていると、もうそんなに簡単な話ではありません。
金って安全資産として買われる一方で、
- 戦争や地政学リスク
- ドル高ドル安
- 金利見通し
- インフレ
- リスク回避の流れ
こういうものが一気に重なる相場だと、以前よりかなり大きく動くようになっています。
なので、
「ゴールドだからナンピンに向いている」
とは、もう言えません。
むしろ最近は、ゴールドEAの弱点がかなり出やすい相場になっていると思います。
ゴールドも最近はかなり危ない
原油ほどではないにしても、最近のゴールドはかなり荒いです。
ゴールドEAを好む人の中に
「原油よりはマシ」
「通貨よりも値幅が取れる」
「ナンピンと相性がいい」
と考える人が多かったと思います。
でも、ここ最近は金もかなり上下に振られています。
上に大きく伸びたと思ったら、次は大きく下げる。
しかもその値幅が大きい。
こうなると、ナンピンEAは本当に危険です。
なぜかというと、ナンピンって結局、
戻ることを前提にポジションを積み増す手法だからです。
でも、戻る前にさらに強く逆行したらどうなるか。
含み損が膨らみますよね。
ロットが増えていれば、そのダメージも一気に大きくなります。
私はナンピンEAを作ること自体はできます。
ロジックとして組むこともできます。
でも、自分で運用するかと聞かれたら、基本的にはやりません。
理由は単純で、一回の大相場で全部持っていかれるリスクがあるからです。
平常時の見た目が良くても、そこに資金を入れ続けられるかは別問題です。
このあたりは、実際に開発して検証してきたからこそ、かなり慎重に見ています。
ゴールドEAの最近のパフォーマンスから見えること
個別のEA名を出す必要はないと思うので、全体傾向だけ話します。
最近のゴールドEAは、かなり厳しいものも多いはずです。
特にナンピンマーチン系は、今のような大きく上下に揺さぶられる相場では逆行を食らいやすいです。
これって当たり前なんですね。
相場が落ち着いている時期は、少し逆行しても戻ってきます。
だから、ナンピンしても最後は助かる。
その結果、成績が良く見える。
でも、今みたいに相場が一段上のボラティリティになると、その「戻る前提」が崩れます。
すると、
- 含み損が増える
- ロットが増える
- 証拠金が圧迫される
- 損切りできずに耐える
- さらに逆行する
こういう流れになりやすいです。
なので、「ゴールドEAは人気だから優秀」という見方は危険です。
正確には、ゴールドEAは作りやすかった時期があったというほうが近いと思います。
そして今は、その前提自体がかなり怪しくなっている。
ここはしっかり見ておいたほうがいいです。
原油・ゴールド・株価指数CFDを検証してわかった共通点
ここまで原油とゴールドを中心に話してきましたが、実はUS30とかNASDAQ、S&P500、日経平均みたいな株価指数CFDも、EA開発という意味では共通点があります。
それは何かというと、
スプレッドやコストが重く、しかもニュースや外部要因で相場の性格が変わりやすいということです。
つまり、バックテストで勝てたからといって、そのまま安心して実運用できるとは限らないんです。
CFD系って、値幅が大きいので魅力的に見えます。
でもそのぶん、ノイズも大きいし、急変動も起きやすいです。
さらに、銘柄ごとに反応する材料がかなり違います。
- 原油なら戦争や供給問題
- ゴールドなら地政学や金利
- 株価指数なら金融政策や景気後退懸念
こういう背景を無視して、チャートだけで押し切るのはなかなか厳しいです。
私も100本以上のEA・インジケーターを開発してきましたが、結局感じるのは、
派手な銘柄ほど難しいということです。
一見、儲かりそうに見える銘柄ほど、実は落とし穴が多い。
これは本当にあります。
最終的にドル円とユーロドルに絞った理由
いろいろ検証してきた結果、私が今メインで考えるのは、ドル円とユーロドルです。
結局メジャー通貨ペアに落ち着きました。
取引量が多い通貨はEAと相性がいい?
まず、ドル円とユーロドルは取引量が多いです。
取引量が多いということは、それだけ参加者が多くて、流動性が厚いということです。
これはEA開発ではかなり大事です。
なぜなら、流動性がある通貨のほうが、
- スプレッドが安定しやすい
- 異常な値飛びが少ない
- ロジックの再現性が取りやすい
- バックテストと実運用のズレが比較的小さくなりやすい
こういうメリットがあるからです。
もちろん、ドル円もユーロドルも簡単ではありません。
でも、少なくとも原油やゴールド、株価指数CFDに比べれば、EA開発としてかなり扱いやすいです。
逆張りならユーロドルのほうが合うこともある
ここは実際に検証していて感じるんですが、逆張りロジックだと、ドル円よりユーロドルのほうが成績がいいことがあります。
これはユーロドルが常にレンジという意味ではありません。
ただ、逆張り系のロジックを作ると、ユーロドルのほうが素直にハマる場面があるんですね。
海外のEAクリエイターがユーロドル中心で作るケースが多いのも、このへんは関係していると思います。
世界的に見れば、ユーロドルのほうが主役ですからね。
一方で、日本人にとってはドル円のほうが馴染みがあります。
ニュースも追いやすいですし、感覚もつかみやすいです。
なので、私は
ドル円を主軸にしつつ、逆張り系ではユーロドルも有利
という見方をしています。
ポンド円をやめた理由
以前はポンド円のEAも作っていました。
でも今は、ポンド円のEA開発はほぼやっていませんし、自分でもあまり触っていません。
理由はシンプルで、暴れやすいからです。
ポンドって、ハマるときはすごくいいんですが、崩れるときも大きいです。
EAって、裁量よりも機械的に動かすので、そういう急な荒れ方と相性があまり良くないことがあります。
なので、長く安定して運用を考えるなら、私はやっぱりドル円とユーロドルのほうがいいと思っています。
これからEA開発をする人に伝えたいこと
これからMT4やMT5でEA開発を始めようとしている人には、まずこれを伝えたいです。
最初から難しい銘柄にいかないほうがいいです。
原油、ゴールド、US30。
どれも魅力的に見えます。
値幅も大きいので、「うまくハマれば取れそう」と思いますよね。
でも、実際にEAとして作って、検証して、長く回そうとすると、かなり難しいです。
だから最初は、やっぱり王道でいいと思っています。
- ドル円
- ユーロドル
まずはこのあたりで、
バックテストの見方、フォワード計測、スプレッドの影響、ロジックの有効性、こういったEA開発の基本をしっかり掴んだほうがいいです。
派手な銘柄にいくのは、そのあとでも遅くありません。
むしろ、最初に難しい銘柄に手を出してしまうと、
「EAってこんなに難しいのか」
「何を作ってもダメじゃないか」
となってしまいやすいです。
でも実際は、銘柄選びが悪いだけということもかなりあります。
なので、これから始める人ほど、メジャー通貨を選ぶことをおすすめします。
AIトレードでも銘柄選びはかなり大事
私はAIトレードの開発もやっていますし、デモ版も無料で公開しています。
https://www.gogojungle.co.jp/finance/navi/articles/114420
また、普段の開発でもAI駆動開発をかなり取り入れています。
ChatGPT、Codex、Cursor、必要に応じてGeminiなども使いながら、開発効率はかなり上がっています。
ただ、ここで勘違いしやすいのが、
AIを使えばだれでもEAを作れるわけではない
ということです。
AIでコードを書くのは簡単です。
開発スピードも速くなります。
MQL4やMQL5のプログラミングも何も考えずにできます。
でも、だからといって、勝てるEAが作れるわけではありません。
むしろAIを使うほど、
「どの銘柄を選ぶか」
「なぜそのロジックが効くのか」
「その優位性は今後も残るのか」
この設計部分がさらに重要になります。
つまり、AI駆動開発の時代だからこそ、
ロジックの優位性がますます大事なんです。
まとめ
ゴールドEAは多いのに、原油EAがほとんど流行らない。
この理由は明確です。
原油EAが難しいのは、
- スプレッドが広い
- 戦争や中東情勢、増産減産の影響を受けやすい
- 過去チャートをもとにした優位性が崩れやすい
このあたりが大きいです。
一方で、ゴールドEAが多かったのは、これまでナンピン系やマーチンEAと相性がよかった時期があったからです。
ただし、最近の金相場はかなり大きく動いていて、ゴールドだから安心とも言えなくなっています。
私自身、ゴールド、原油、株価指数CFDまでいろいろ検証してきた中で、最終的にたどり着いたのは、ドル円とユーロドルのような王道の通貨でした。
EA開発をこれから始める方ほど、
メジャー通貨から入ったほうがいいです。
また、私はAIトレードも開発しており、デモ版も無料公開しています。
興味のある方は、ぜひそちらもご覧ください。
【無料】AIトレードのデモ版を公開!|ChatGPT・Gemini・Grok対応、ソースコードを丸ごとコピー可!
https://www.gogojungle.co.jp/finance/navi/articles/114420
【有料】「AI Breakout Line」AIがチャートを分析し、ブレイクアウトポイントを検知して自動でエントリーするEAトレードシステム
https://www.gogojungle.co.jp/finance/navi/articles/114426
【有料】「AI Signal Trader」AIがニュース・経済指標・SNSを監視し、売買判断を行う次世代型トレードツール
https://www.gogojungle.co.jp/finance/navi/articles/114430
よろしいですか?