第5弾 価格が"隙間"に戻る理由。FVG(フェアバリューギャップ)の使い方【SMC基礎⑤】
こんにちは、naoです。
前回はオーダーブロック(OB)を解説しました。大口が仕込んだ場所を特定することで、押し目・戻りのエントリー精度が上がるという話でした。
今回は「FVG(フェアバリューギャップ)」——日本語では「フェアバリューギャップ」または「需給ギャップ」とも呼ばれる概念を解説します。
OBと並んで、SMCの中で最もよく使われるエントリー根拠のひとつです。
■ FVG(フェアバリューギャップ)とは?
FVGとは、価格が急激に動いたときに生まれる「価格の隙間」のことです。
通常、価格は少しずつ上下しながら動きます。ところが、大きなニュースや大口の強い注文が入ると、価格が一気に飛んで「取引が成立していない価格帯」が生まれることがあります。これがFVGです。
チャート上での確認方法は3本のローソク足を使います。
【上昇FVGの確認方法】
・1本目のローソク足の高値(上ヒゲ先端)
・3本目のローソク足の安値(下ヒゲ先端)
・この2点の間に価格の空白(隙間)がある → FVG確定
【下降FVGの確認方法】
・1本目のローソク足の安値(下ヒゲ先端)
・3本目のローソク足の高値(上ヒゲ先端)
・この2点の間に価格の空白(隙間)がある → FVG確定
■ なぜFVGに価格が戻るのか
「隙間ができたら埋められる」——これは株のギャップ理論でも知られていますが、FXにも同様の原理があります。
急激な動きが起きたとき、その価格帯では十分な売買が成立していません。「取引されなかった価格帯」に未決済の注文が残っているため、価格はそこに引き寄せられる性質があります。
また、大口の観点から見ると——急激な上昇でポジションを一部しか建てられなかった大口が、戻ってきた価格帯で残りを積み増す動きも影響しています。
さらに、英語圏のSMCコミュニティでは「アルゴリズムの設計」という観点もよく語られています。ICTが提唱するIPDA(Interbank
Price Delivery Algorithm)という概念で、インターバンク市場では価格を効率的に届けるアルゴリズムが動いており、FVGのような「価格が処理されていない帯」を自然と埋めに来る動きをする——という考え方です。これは諸説あり完全に証明されたものではありませんが、FVGが繰り返し機能する背景の一つの解釈として、英語圏では広く共有されています。
■ FVGへの戻り方と反発確率——50%ラインの重要性
FVGに価格が戻ってきたとき、「どこまで戻ったか」で反発の可能性が大きく変わります。
私の体感では、こういう傾向があります。
ヒゲでタッチして実体がゾーン外で確定 → 一番反発しやすいパターン。FVGが機能している証拠として最も信頼できる形。
実体がゾーン内に入っても中間点(50%)以下で確定 → まだ反発の可能性は残っている。ただし次の足の動きを慎重に確認したい。
実体が中間点(50%)を超えて確定 → 体感80%以上はそのまま全フィルに向かう。このラインを超えたらFVGとしての機能はほぼ終わりと判断している。
この中間点は、英語圏ではCE(Consequent Encroachment)と呼ばれるラインです。「ヒゲはOK、実体でCEを超えたら無効化に近い」というのがSMCコミュニティでの共通認識で、私の体感とも一致しています。
FVGを使うときは、反発の起点として見るなら「ヒゲタッチ〜CE以下での実体確定」までが勝負です。CE超えで乗るのは根拠が薄くなると理解しておきましょう。
■ 効くFVGと効かないFVGの違い
FVGはチャートのいたるところにできますが、すべてが同じように機能するわけではありません。
【効くFVG】
・インパルス(勢いのある値動き)の中で発生したFVG
・OBやリクイディティスウィープと同じ方向・同じエリアに重なるFVG
・上位足(4H・日足)で確認できるFVG
・未フィル(まだ価格が戻っていない)のFVG
・相場の大きなトレンド方向と一致するFVG
【効きにくいFVG】
・レンジ相場の中で発生した小さなFVG
・すでに一度タッチ・フィルされたFVG
・下位足のみで確認できる孤立したFVG
・トレンドに逆らう方向のFVG
私が特に重視するのは「OBとFVGが重なる(オーバーラップする)エリア」です。大口の仕込み場所(OB)と取引されなかった価格帯(FVG)が一致しているところは、反応の信頼度が格段に高まります。
■ OBとFVGを組み合わせた実践的な使い方
ここまでの4弾をまとめると、SMCのエントリー根拠はこう積み上がります。
①市場構造(第1弾)で大きなトレンド方向を確認
②BOS/CHoCH(第2弾)でトレンドの継続・転換を判断
③流動性・スウィープ(第3弾)で大口が狙っている場所を把握
④OB(第4弾)+ FVG(第5弾)で精密なエントリーゾーンを特定
エントリーのイメージ:
「上位足でOBを確認 → その付近にFVGが重なっている →
価格がそのゾーンに戻ってきたタイミングで下位足のCHoCH/BOSを確認 → エントリー」
このロジックが積み重なれば、「なんとなく反発しそうだから」ではなく「根拠が複数重なっているからエントリーする」という判断ができるようになります。
■ naoの本音:FVGは"使い方の解像度"が全てを決める
FVGはOBと違って、SMCを学んでから知った概念です。最初は「隙間があったら戻る」という説明だけ読んで試してみたけど、普通に抜けられることも多くて、しばらくは半信半疑でした。
実践を重ねて気づいたのは、15分足と1時間足のFVG入口は機能しやすいということ。そしてもうひとつ——FVGゾーンの中にローソク足が終値で残ったとき、そのFVGはかなりの確率で抜けていく。
数値で検証したわけじゃないけど、チャートを見続けてきた体感としてはっきりある。
ちなみにこれ、英語圏のSMCコミュニティでは「IFVG(Inversion Fair Value Gap)」として知られている現象で、理論としても存在しています。実践から掴んだことが後から裏付けられた、という体験でした。
だから今は「FVGに来た=エントリー」ではなく、「FVGに来てどう反応しているか」を見ています。 終値で内側に入り込んできたら、そのFVGはもう信頼しない。
ただ、OBと重なっているFVGは別格です。 単体のFVGとは反応の強さが全然違う。大口の仕込み場所(OB)と需給ギャップ(FVG)が一致している場所は、信頼度が格段に上がります。FVG単独では半信半疑でも、OBと重なった瞬間に「ここは本命」と判断が変わる——それが今の私のルールです。
■ まとめ:今日の3大ポイント
① FVG(フェアバリューギャップ)とは急激な値動きで生まれた「取引されなかった価格帯」。3本のローソク足の隙間で確認する。
② 効くFVGの条件は「インパルス内での発生」「未フィル」「上位足で確認」「OBと重なる」。条件が多いほど信頼度が高い。
③ OBとFVGが重なるエリアは「大口の仕込み場所」と「需給ギャップ」が一致する最高精度の反応ゾーン。SMCエントリーの核心はここにある。
次回からはこれまでの基礎をベースに、より実践的なエントリー手法・時間足分析・tundere【R】との組み合わせについて解説していきます。
基礎5弾を通してSMCの地図が頭に入ってきたでしょうか。ここからが本番です。引き続きよろしくお願いします!
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【著者プロフィール】
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nao|FX専業トレーダー歴16年・EA開発者
SMC/ICTを軸にGOLDのスキャ・デイトレに特化。
トレードを続ける中で「正しく読めてもメンタルでブレる」という問題に直面し、
裁量エントリー×EA自動管理のハイブリッドツール「tundere【R】」を開発。
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