レバレッジは危険? 初心者は低レバレッジでやるべき? という疑問への回答
FX
「FXはレバレッジがあるので危険、だからこそ株の方が優良」
「FX初心者は2-3倍程度の低レバレッジでやるべき」
「25倍はハイレバ、破滅への入り口」
投資の世界、特にインデックス投資のみが正義という人や、株式投資系の発信では、こうした言葉が呪文のように繰り返されています。
確かに、レバレッジをかけて一瞬で資金を溶かす人は後を絶ちません。しかし、あえて断言します。「レバレッジ=悪」と決めつけ、思考停止で忌避するのは間違いです。
特に、資金が少ない我々個人トレーダーにとって、レバレッジは「持たざる者が資産を築くための唯一の武器」になり得ます。
あなたがもし「レバレッジ=借金=怖い」というイメージを持っていてFXに敬遠しているのであれば、この話を最後まで読んで頂く価値が高いと思います。
というのは、FXというのは人生のどこかで出会い、何割かの人が資金を投入し、そして確かに9割の人が資金を減らして退場してしまうからです。
しかしそれは、「何かしらお金に困って」あるいは「まとまった余ったお金ができて増やしたくなった」時に、射幸心だけでFXに参入してしまう弊害にあります。
レバレッジの扱い方をきちんと把握しておき、それを習得するまで謙虚に学ぶ姿勢があれば、残り1割の「資金を増やす人」か、少なくとも「資金を減らさない人」になれるのです。
そのため、レバレッジへの悪い印象からFX敬遠するのではなく、FXに参入しなくとも、挑戦したくなった時に向けて、正しい知識を獲得しておくこと。それが、長い人生で何度かやってくる「FXへ興味が出るタイミング」で、結果的に自分の身を守ることにつながります。
「扱い方を知らないこと」こそが真の敵です。
今回は、漠然とした恐怖を取り除き、レバレッジを「危険な劇薬」から「最強の加速装置」に変えるための思考法をお伝えします。
■レバレッジは「借金」ではなく「時間短縮装置」である
多くの人がレバレッジを恐れる根本には、「身の丈に合わないお金を動かす罪悪感」のようなものがあります。しかし、投資におけるレバレッジの本質は借金ではありません。
レバレッジとは、「時間をショートカットする機能」です。
残酷な現実ですが、資金力による格差は絶対的です。 例えば、資金1億円の富裕層が年利5%で運用すれば、何もしなくても年間500万円が入ってきます。 一方、必死に貯めた10万円で同じ年利5%を出しても、得られるのはたったの年間5,000円。飲み会1回でなくなってしまう金額です。
現物取引(レバレッジ1倍)だけで少額から資産を築こうとすれば、複利の効果が出る前にこちらの寿命が尽きてしまいます。
ここで「レバレッジ」という変数が登場します。 資金効率を高め、本来なら25年かかる資産形成を、1年に短縮する。つまり、レバレッジとは「リスクを取って、お金で時間を買っている」*状態なのです。
「時間を味方につける」のが積立投資なら、「時間を短縮する」のがレバレッジ投資。 どちらが良い悪いではなく、少額から成り上がりたいなら、どちらを選ぶべきかは明白ではないでしょうか。
■危険なのは「倍率」ではなく「損失を管理しないこと」
「でも、レバレッジが大きいと、そのうち必ず大怪我をする気がする」
その危機感を持っておくメンタリティは非常に重要です。
しかし、誰も「車は事故を起こすから危険だ、一生歩こう」とは言いません。
教習所で運転技術を学び、ブレーキの踏み方を覚えるはずです。
レバレッジも全く同じです。
多くの退場者がやっているのは、「ブレーキのない車で、アクセルをベタ踏みしている」状態です。
つまりは、損切りのスキルなく、入れられるフルロットで勝負している状態です。
・感情に任せて、資金の危険水域を超えてエントリーする
・逆行したら「戻るはず」とお祈りして損切りしない
・さらにナンピン(買い増し・売り増し)して傷口を広げる
これはレバレッジが悪いのではなく、「資金管理(マネーマネジメント)」ができていないだけです。
レバレッジは単なる「増幅器」です。あなたのトレードスキルがプラスなら利益を増幅させますが、マイナス(無計画)なら損失を増幅させます。
そこで必要になるのが、損失の管理です。
・感情的になっていても、資金を決めたライン以上はリスクにさらさない
・お祈りトレードになっていると感じたら損切る
・傷口を広げる前に一旦リセットしてルールを確認する
こういうことが必要になります。
そういう意味では、FXはあなたの実力や精神状態を映し出す「鏡」なのです。
■戦略:「いくら張るか」ではなく「いくら失うか」で設計する
では、具体的にどうすればレバレッジを味方にできるのでしょうか。 プロのトレーダーやEA(自動売買)開発者が行っているのは、「逆算の設計」です。
初心者はこう考えます。
×「この10万円で、レバレッジを最大までかけて勝負しよう」
勝てるトレーダーはこう考えます。
◎「このトレードで許容できる損失は資金10万円のうちの2%(2000円)までだ。損切り幅は20pipsだから、逆算すると……ここで張れるロット数はこれくらいだな」
この思考プロセスにおいて、「何倍のレバレッジか」は重要ではありません。 重要なのは、「負けた時にいくら失うか」が固定されていることです。
きちんと損切り注文(ストップロス)を置き、損失額をコントロールできているなら、レバレッジが10倍だろうが100倍だろうが、あなたが失うのは「最初に決めた2000円」だけです。
実際、バックテストなどで長期統計データを取得できている場合、「期待利益」「期待損失」が分かっている状態にあります。
この場合、期待利益・期待損失を大きくしたり小さくしたりするために何を動かす必要があるかというと、レバレッジではありません。投入するロット数になります。
例えば、15万円所有していたとします。
ドル円が150円だったとして
レバレッジ1倍で取引をする場合、150,000÷150x1倍=1000通貨=0.01ロットをトレード可能です。(証拠金維持率ギリギリ)
レバレッジ25倍で取引をする場合、150,000÷150x25倍=25,000通貨=0.25ロットをトレード可能です。(証拠金維持率ギリギリ)
(10万通貨を1ロットとして表現しています)
例えば、0.01ロット分「買い注文」を入れた場合、バックテストでは年間、3000円の利益が得られる期待値があったとしましょう。逆に、バックテスト上での最大ドローダウン(一時的な損失)が150円だったとしましょう。
この場合、
レバレッジ1倍で0.01ロット買っても、
レバレッジ25倍で0.01ロット買っても、
10,000円の利益期待・500円の最大ドローダウン想定という点は同一です。
ただ、レバレッジ25倍だと、0.25ロットまで注文を出すことができるため、
250,000円の利益期待・12,500円の最大ドローダウン想定の取引までリスクを取れるということです。
15万円の資金で0.25ロットは実際にはリスクが高すぎます。もっと低く抑える必要があります。仮に0.1ロットにしたとして、100,000円の利益期待・5,000円の最大ドローダウン想定というという形になります。
15万円の資金をそこまで増やせるのであれば、悪くない話です。
もちろんリスクがある話になりますが、レバレッジとは「少ない資金でも、張れるロット数を拡大可能とする」ための仕組みです。
ただし、ロット数が拡大すると損失想定額も増えます。
「最初に決めた2000円」を許容損失額とするのであれば、例えば「0.04ロットまでにしよう」みたいな決め方ができます。
この場合、例えばレバレッジ4倍でもいいしレバレッジ25倍でもどちらでも変わらないということになります。
(証拠金維持率は変わるので、レバレッジ4倍だとロスカットになる可能性が高まるという点は違いがあります。その点は注意してください)
これを理解すると、レバレッジが怖いわけではなく、ロット数を張りすぎるのが怖いと理解ようになるはずです。
とすると、そこにあるのは「リスクを限定しながら、リターンの可能性を最大化する」という、極めて合理的で冷徹なビジネスの判断だけになってきます。
■レバレッジではなく損失想定額を管理すればいい
レバレッジは敵ではありません。 あなたの夢を叶えるためのブースターであり、時間を短縮するための強力なツールです。
基本的にレバレッジは25倍で想定し、損失想定が資産の2-4%以下などになるようロット数を調整するのが分かりやすいと思います。
(もちろん完全に高金利目的で、低レバレッジで運用するんだという場合は1-3倍程度が正解です)
もしレバレッジに関してエラーが発生するとすれば、それはレバレッジそのものが問題ではありません。
「早く楽に儲けたい」という強欲や、 「損を確定させたくない」という恐怖、 そして、計画なきトレードを行う怠慢が問題になっているはずです。
まずは少額で、「いくらまでなら失っても良いか」を決め、逆算してロットを計算し、注文を出す練習をしてみてください。 その「規律」さえ身につければ、レバレッジは決してあなたを裏切りません。
期待値がプラスの取引であれば、継続しているうちにプラスが上回ってくるからです。
正しく恐れ、正しく使いこなす。 その先に、少額資金からでも掴み取れる未来が待っています。
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