【トラブル防止】EA口座に入れる最適な資金量を計算する!
EA(自動売買)を運用するうえで、「どれくらいの資金を口座に入れておくべきか?」というのは、多くの方が悩むポイントです。
資金が少なすぎると、ちょっとした値動きで証拠金維持率が下がり、ポジションが強制ロスカット(強制決済)されてしまうこともあります。
また、資金がそれなりにあっても、ちょっとしたドローダウン(損失)を想定していなかったばかりに、それで心が折れ、運用をやめてしまうこともありえます。
また、安全性を高めるあまりに資金を入れすぎても運用効率が下がってしまいます。
ここでは、トラブルを防ぎつ利益も確保する「ちょうどいい資金量」の見積もり方を紹介します。
■ 証拠金維持率から逆算・・→結論ややこしい
ぱっと思いつく方法として、「証拠金維持率がXXX%を切らないようにしたい」がありますが、実際にはとても分かりにくい方法になります。
EAを運用する目的は、「日々の相場変動に耐えながら、長期的に安定して利益を出すこと」です。
したがって、証拠金維持率よりも、「過去のバックテストにおけるドローダウン」を基準に考えるのが合理的です。
■ 基本ルール:「相対ドローダウン × 2~3倍」
シンプルに言えば、EAの長期バックテストで確認できる「相対ドローダウンの2~3倍」に相当する金額を、一時的に損失しても問題ない資金として口座に入れておくのが目安です。
これは、バックテストとリアル運用との乖離(スリッページ・約定遅延・ブローカー条件の違いなど)を考慮した安全マージンです。
たとえば、ドル円を0.1Lot(1万通貨)で運用するケースを考えます。
ドル円が150円の場合、1万通貨=150万円のポジションを建てることになります。
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レバレッジ1倍なら150万円が必要
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レバレッジ25倍なら、150万円 ÷ 25 = 6万円 が最低証拠金
ただし、6万円だけでは証拠金維持率がギリギリ1*0%です。少しでも含み損が出るとロスカットになってしまうため、これでは明らかに不足です。
ここで、例えば私のEAですが、バックテスト結果を見てみましょう。
15年超のバックテストで、相対ドローダウンは 約32,450円(1.59%) です。
このEAを0.1Lot運用した場合、バックテスト上では約3万円の一時的なマイナスを経験しているということです。
リアル運用では、約定条件や価格乖離により、このドローダウンが2~3倍になることがあります。
2.5倍を見込むと、約 81,000円。
つまり、一時的に8万円のマイナスが発生しても冷静に見守れるだけの資金が必要ということです。
■ 安全運用例
では、実際にどれくらい入れておくと安心か?
目安は次のようになります。
| 資金量 | 想定ドローダウン時 | 残高 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 30万円 | −8万円 | 22万円 | ギリギリ運用継続可 |
| 50万円 | −8万円 | 42万円 | 余裕あり |
| 100万円 | −8万円 | 92万円 | 安全運用・複数EA併用可 |
このように、「一時的に8万円減っても問題ない」と感じる金額を基準に、口座に入れる資金を決めるのが現実的です。
■ Lotを下げてリスクを抑えるのも有効
もちろん、資金を増やす以外に、Lot数を減らすという選択肢もあります。
たとえば0.1Lotを0.05Lotに減らせば、必要証拠金・想定ドローダウン・リスクはすべて半減します。
その分、利益も半分になりますが、リスク管理としては非常に効果的です。
■まとめ
EA運用で最も怖いのは、想定外のドローダウンでメンタルが持たなくなり、EAを止めて資金を引き上げてしまうこと。
ドローダウンの後に良い流れが来て、利益が得られることは良くあることですが、メンタルが崩壊してしまうと、その利益の機会をじっくり待つことができなくなってしまいます。
長期的に運用を続けることで、EAの本来のポテンシャルが発揮されます。
ぜひ、バックテストのドローダウンを参考に、「相対ドローダウン × 2~3倍」を目安に安全な資金設計をしてみてください。
今日書きたいことはそんなところです。
それではまた!
Is it OK?