FX自動運用にはMT4とMT5、どちらを選べばいい?
FX
FXの自動売買を始めようとすると、必ず出てくるのが「MT4とMT5、どちらを使えばいいの?」という疑問。
どちらもMetaQuotes社が開発した取引プラットフォームで、EA(FXの自動売買プログラム)を動かすことができます。
しかし、それぞれに得意分野や特徴があり、目的によって選び方が変わってきます。
■ EAの種類はまだMT4が圧倒的に多い
日本市場では、今もMT4対応のEAが圧倒的に多いのが現実です。
MQL4という言語で開発されたMT4のEAは古くから流通しており、国内外を問わず数え切れないほどの製品があります。
ゴゴジャンを見ても、MT4版が主流で、販売者・利用者ともに数が多いです。
つまり、「使いたいEAがMT4対応のみ」というケースがまだまだ多いわけです。
この場合は迷わずMT4を選ぶのが現実的です。
■ スキャルピング・デイトレレベルでは大差なし
EAの実際の動作レベルでいえば、スキャルピングやデイトレなどの短期売買では、MT4でもMT5でもパフォーマンス差はほとんどありません。
バックテストの精度や約定スピードの違いはあるものの、リアル口座での成績に大きな差が出るケースは少ないです。
なお、MT5はスキャルピングよりもさらに高速な、数ミリ秒単位でトレードをする超高速取引に対応しています。そのようなプロ向けの超高速トレードをするのであればMT5必須になりますが、個人投資家レベルではそこまでの機能はあまり必要とはしないのが通例です。
MT5はマルチスレッド処理が可能で、パソコンのCPUを効率的に使って高速処理が可能です。
一方、MT4はシングルスレッドですが、その分シンプルで動作が軽く、古いPCやVPSでも安定します。
結論として、日々のEA運用においてはどちらでも問題なしと言えます。
■ 無料で正確なバックテストならMT5が有利
バックテスト精度を重視するなら、MT5が優位です。
理由は、MT5は標準でティックデータに近い高精度なデータを使えるため、追加ツールなしで正確な検証が可能だからです。
また、複数通貨ペアを同時に扱うマルチカレンシーEAのテストにも対応しています。
ただし、MT4でも「Tick Data Suite(TDS)」というツールを使えば、同様に高品質なティックデータによるバックテストができます。
TDSは有料ソフトですが、2週間の無料トライアルもあり、その間に十分な検証を行うことも可能です。
なお、WindowsのHyper-V機能で仮想環境を構築すれば、TDSのトライアルを再利用できるという話もあります。
ただし、これは公式サポート外の方法なので、自己判断での利用をおすすめします。
MT4で1分足以上のデータを使った無料のバックテストで十分ということであれば、開発元のMetaQuotes社のデータを使ったり、OOOOri社のMT4を使うといった方法があります。少しインポートの手間がかかりますが、Dukascopy社から手動でデータを持ってくるという方法も根強い人気があるようです。
■ 証券会社の対応状況:現状はMT4優勢、MT5が追い上げ中
国内のFX業者を見ても、まだMT4対応のブローカーが主流です。
GMOクリック証券や外為ファイネストなど、長年MT4を提供してきた業者が多く、安定した環境が整っています。
しかし最近では、OANDA Japanや、外為ファイネストなどでMT5対応口座が拡大しています。
今後はMT5対応が主流になっていく流れも見え始めています。
したがって、今後長期的にEAを活用していくなら、MT5に慣れておくのも良い戦略です。
■ 結論:EA対応を最優先、慣れた方でOK
最終的な結論としては、「使いたいEAがどちらに対応しているか」で選ぶのが一番シンプル。
市場にはMT4専用EAもMT5専用EAも存在し、両方に対応したバージョンを出している開発者もいます。
実際、僕(トレーダーヒロ)も、最近の開発スタイルは、まずMT5でEAを開発し、ある程度OANDA MT5でバックテストを動かして調整をしてからMT4に移植する手順を踏んでいます。
ということで、もし両方のEAを使う環境があるなら、慣れている方を使えばOK。
まずはデモ口座でバックテストやデモフォワードを回してみて、EA運用に慣れてみるのがおすすめです。
今日は以上です。それではまた!
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