ぼろ株バンザイ! ②中原駿の「推奨どうでしょう」+α その5 7月25日更新
スナップ(SNAP NYSE)
目標価格 16ドル
<概要>
スナップは米国のソーシャルメディア企業。写真・動画共有アプリの「スナップチャット」を通じ、短いビデオや画像イメージで情報交換やコミュニケーションのサービスを提供する。また、コンテンツの編集や発表などをパートナーに提供。同社開発のサングラス「スペクタクルズ」により、人間の視点でのビデオ撮影を可能にするサービスも提供している。広告効果を測定するために多数のサードパーティ及び社内ソリューションを提供する他、パートナーと協力して、広告が実際に特定のユーザーに配信されたことを確認する。キャンペーンの到達範囲と頻度、及びキャンペーンを閲覧したユーザーの人口統計を測定する。本社所在地:カリフォルニア州ベニス。
<指標>
時価総額13,810,166千ドル(7/22)発行済株式数1,386,562,899株(7/22)
PER(実績)(連) ---倍(20:04)PBR(実績)(連) 4.26倍(20:04)
EPS(実績)(連) -0.31(2021/12)BPS(実績)(連) 2.34(2021/12)
<ニュース>
写真・動画共有アプリ「スナップチャット」を運営する米スナップが発表した4-6月(第2四半期)決算で売上高がアナリスト予想を下回った。21日の発表によると、4-6月の売上高は13%増の11億1,000万ドル(約1,500億円)。アナリスト予想は11億4,000万ドル。スナップは5月、自社で示した当初の成長見通しを考慮しないよう投資家に求めていたが、この見通しに届かなかった。広告主が予想以上に予算を減らしている。こうした傾向についてスナップは幅広い景気の不透明感が背景にあると説明した。4-6月にはスナップチャットの1日当たりアクティブユーザー数(DAU)が3億4,700万人。ユーザー数の伸びは競合相手のフェイスブックやツイッターを上回り、アナリスト予想も超えたが材料視されず。同社は21日付書簡で「マクロ経済の逆風、プラットフォームの方針変更、競争激化が重なり、キャンペーン予算の伸びが限定的だった」。経済の不確実性を理由に同社は7-9月(第3四半期)の見通しを公表しなかった。4-6月の純損益は4億2,200万ドルの赤字で、市場予想平均(3億3,270万ドル)を上回る赤字。経営陣は「採用ペースを大幅に落とす」計画。スナップ取締役会は従業員報酬向け株式発行分を一部相殺するため、今後1年間で最大5億ドルの株式買い戻しプログラムを承認した。
この決算を受け、アナリストからはスナップ株の投資判断引き下げが相次いだ。
1)JPモルガンは投資判断を「オーバーウエート」から「アンダーウエート」に、目標株価を24ドルから9ドルに引き下げ。
・「TikTok(ティックトック)」の強力なエンゲージメントと急速なマネタイズの成長が「スナップのビジネスに非常に大きな影響を及ぼしている」。
・スナップにかかる圧力は、アルファベット傘下グーグルとメタ・プラットフォームズという2つのより大きなプラットフォームへの圧力よりも強い。
2)アトランティック・エクイティーズも、投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に、目標株価を18ドルから13ドルに引き下げ。
・スナップは「これまでのセクター内でのバリュエーション面でのプレミアムを失う」。
・TikTokはスナップの中核メッセージングサービスに影響を与えることはないだろうが、スナップの「マネタイズ可能な時間を侵食」しつつある。
<ギャン理論による株価分析・目標>
(●=15.5カ月サイクル(15±3)、▲=22.3週サイクル、△=11週サイクル)
米国株式特有の15.5カ月サイクルと22.3週サイクルが有効。他のIT銘柄同様、ボトムは18年12月で、第一15.5カ月サイクルが20年3月に、第二15.5カ月サイクルが21年5月13日の49.9ドルでボトムアウトしたとみなしている。15.5カ月サイクルは3つの22.3週サイクルあるいは2つの31週サイクルからなるが、複雑なコンビネーションパターンは過去第三15.5カ月サイクルにのみ見られたようだ。
現在2018年12月から始まった長期サイクルの第三15.5カ月サイクルサイクルの中にあり、22年9月±3カ月がターゲットとなる。サイクル的には15.5カ月サイクルの第三22.3週サイクルのすでに24週目となっている。いつボトムアウトしてもおかしくないレベル迄売り込まれたことになる。
8という数字に強い抵抗とサポートがある銘柄で2020年3月の安値は7.89とほぼ8ドルといっていいだろう。8-16-24とその中間である12、20もポイントとなってきた。16、12ドルといった重要なレベルを割り込んだため、全値戻し8ドルがポイントか。
赤字、スタートアップ企業的体質など金利上昇期には向かない銘柄だが、一定程度の自律反発はサイクル的には十分あり得るだろう。
8ドル前後まで下げ、重要な反発が起きるのを確認したうえで;
ターゲットは①12②16③20。
【中原 駿 プロフィール】
「週刊中原駿レポート」毎週月曜日執筆中。
祖父はソニー、母はパイオニアで財をなした投機の家系で育つ。
相場歴20年以上の知る人ぞ知る本物のトレーダーであり、ラリー・ウィリアムズ、トム・デマークの戦略にも精通、その技術は誰もが認める。「ギャン理論」はその投資メソッドに門外不出のものが少なくなく、米国では授業料が高額な「ギャン・セミナー」を受講しなければ取得できないものも多数。中原氏はこのセミナーを受講した日本でも数少ないギャン理論研究のスペシャリストとしても知られる。また、表舞台にはめったに登場しない事でも有名である。