【フジトミ】東京石油市場とゴム市場、トウモロコシ市場が揃って急伸
(東京原油・石油製品)
11日の東京原油・石油製品は円安・海外原油急伸を好感して大幅高を演じている。原油期先10月限は前日比1020円高の3万5860円、ガソリン期先11月限は同1040円高の4万8830円、灯油期先11月限は同1070円高の4万8740円。
海外原油の急伸と急ピッチの円安を好感して東京石油市場は夜間から急伸し、一時1000円以上の大幅高を演じた。ただ、海外原油が清算値決定にかけて値を消したこともあり、上げ幅を縮小した。日中取引では円安を材料にして買い直す動きがみられ、原油は再び1000円以上の上昇をみせたが、海外原油の高値から値を消した水準に変わりないため、原油期先は3万6000円台回復にならず。円高もあり、昼前に3万5760円まで軟化したが、海外原油の上伸がみられ、昼には3万5900円台を回復。NYガソリンの一段高がWTI・ブレントの連想買いにつながったとみられる。引き続き、東京市場を仕掛けるうえで、NYガソリンの動向から目が離せない。
(東京貴金属)
11日の東京金は円安を好感してしっかり。金期先4月限は前日比円高の44円、白金期先4月限は同円高の33円。
東京金は夜間及び日中取引とも狭いレンジで推移しており、商いは極めて低調だった。NY金は水準を切り下げる半面、円安がそれをカバーする格好で東京金のこうちゃく相場をもたらしていた。東京白金はNY白金の戻りと円安を好感して大きく買い直され、夜間取引から3350円台回復をみせた。引けにかけて金・白金ともドルベースの上伸を材料に水準を切り上げ、ほぼ高値引けとなった。
(東京ゴム)
11日の東京ゴムは期近限月が渡し物薄を警戒して急騰を演じた。期先10月限は前日比4.7円高の213.8円。
夜間では戻りをみせたが、時間外の上海ゴム安を受けて日中取引では売り直されるとみられた。しかし、急ピッチの円安を好感した買いに逆に買い進まれ、夜間の高値をアッサリ更新する上伸をみせた。期近限月の上げが目立っていたが、期先はその分、ヘッジ売りを浴びて次第に上げ幅を縮小し、210円を試す動きをみせた。ところで、期近限月が急伸している。期近急騰の材料はイマイチ不透明だが、期先の下げ渋り要因に。期先はヘッジ売りで上げ渋っている半面、期近急騰もあり、期先の売りも次第に手控えられた。当限は輸入するためのコンテナの手配が付かず、品薄を踏まえて当限が急伸し、サヤ拡大を警戒して期先も買い戻されたとみる。6月からの渡しには問題ないとみられるため、期先への売りヘッジも根強かったと考えられる。引けにかけて期先も上伸し、ほぼ高値引けとなった。夜間の一段高も連想される。
(東京トウモロコシ)
11日の東京トウモロコシは円安とシカゴ急伸を映して夜間取引から大きく買い進まれた。期先5月限は前日比350円高の2万2730円。
米農務省の需給報告後にシカゴコーンは急伸し、東京トウモロコシは大幅高を演じた。発表後のシカゴ急伸に東京はなかなか反応しなかったが、円安や石油市場の急伸を受けてようやく水準を切り上げ、2万1600円台に乗せた。シカゴの上げ幅縮小の局面では2万2500円台半ばまで軟化したが、シカゴがまた上伸したことで、2万2600円台を回復した。朝方は円安を好感する格好で2万2700円台に水準を切り上げた。ただ、再開したシカゴの反落もあり、米コーンベルトの弱気な天気予報を意識することになり、買いは後退し、2万2600円台に水準を切り下げた。昼には上げ渋りに加えて期近の急伸も影響して2万2700円を回復。米コーンベルトの天気予報を加味すれば、ここから売り上がりたいが、シカゴ市場のテクニカルな買いと円安には要警戒。
(東京米国産大豆)
11日の東京一般大豆は小しっかり。期先4月限は前日比50円高の4万7700円。
米農務省の需給報告前に東京先限は値を崩し、実際の発表には全くの動意薄。前日朝方にかけてのかなり強引な買いに対する修正安を強いられることに。引けにかけてようやく買い進まれたが、4万8000円を試す勢いは感じられず。
https://www.fujitomi.co.jp/?p=15062