【フジトミ】シカゴ穀物は全面安
(NY貴金属)
8日のNY金は売り買いが交錯する中、横ばいとなった。NY金期近6月限は前週末比0.2ドル高の1227.1ドル、NY白金期近7月限は同9.4ドル高の919.6ドル。
フランス大統領選挙でマクロン候補の勝利が伝えられると、リスク後退から1221.0ドルの安値を示現した。しかし、1220ドル台維持の動きもあり、一気に1230ドル台を回復。ただし、米利上げ観測に対する警戒や週明けの日経平均株価の大幅高を嫌気して、1230ドル台維持にならず。ただ、欧州時間帯に入り、株価の戻りも一服したこともあり、テクニカルな買いに1236.9ドルまで上伸し、前週末の高値を上回ったが、一時的な上昇にとどまった。その後はまたアッサリと1230ドル割れへ。1200ドルまでの下落に対する警戒もあり、1230ドル台での買いがなかなか続かず。NY白金は引き続き、自律反発の動きをみせている。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
8日のWTI原油は波乱含みの展開の中、小幅続伸。WTI原油期近6月限は前日比0.21ドル高の46.43ドル、北海ブレント期近7月限は同0.24ドル高の49.34ドル。RBOBガソリン6月限は同1.32セント高の151.78セント、NYヒーティングオイル期近6月限は同1.90セント高の145.56セント。
前週末にWTI期近6月限が43.76ドルの安値示現後に46ドル台まで大きく戻し、週明け序盤はさらに戻りに拍車がかかった。下ヒゲのかなり長いチャートを形成したため、テクニカルな買いが影響したようだ。しかし、米国の原油増産傾向に変わりなく、46.98ドルが戻り一杯となり、47ドルを壁にした動きを嫌気して、その後、46ドル割れへ。45.83ドルまで下落した後、また、テクニカルな買いに46.81ドルまで買い直される場面も。NY石油製品の戻りが支援材料になっていた。しかし、実勢悪に変わりないとの思惑からまた大きく売り直され、米国の取引時間帯に45.73ドルの安値を示現。その後は、またテクニカルな買いに46ドル台を回復したが、上値は重い。産油国の減産延長が話題になっているものの、米国の増産によって相殺され、延長の効果は期待薄とされ、テクニカルな買いも抑制されていた。
(CBOT大豆)
8日のCBOT大豆は小麦やコーンの地合い悪化を嫌気して大きく値を消している。期近7月限は前日比9.00セント安の964.00セント、新穀11月限は同6.25セント安の960.25セント。
4月の中国の貿易収支で、4月の大豆輸入が前月比13.4%増の802万トンとなったが、南米中心の輸入とみられ、シカゴ大豆の支援材料にならず。一方、米コーンベルトの天候回復によって、今後、作付最盛期を迎える大豆の作付進展期待もあり、前週までのファンダメンタルズを無視した買いに対する警戒もあり、売りを浴びて、やや大きく値を崩すこととなった。米農務省が発表した週間輸出検証高は弱い内容となり、売り材料に。シカゴ引け後に発表される全米平均の大豆の作付進捗率に対する事前予想平均は16%。
(CBOTコーン)
8日のCBOTコーンは小麦急落が影響して反落。期近7月限は前日比4.25セント安の366.50セント、新穀12月限は同4.00セント安の384.50セント。
週明けに発表される冬小麦の作柄改善期待もあり、週明けから小麦は軟調地合いを強いられた。冬小麦の最大の生産地であるカンザスで前週、クロップツアーが実施され、降霜によるダメージがなかったような高いイールドが示されたこともあり、弱気な作柄状況を警戒する状況にあった。コーンに関しても、主産地であるコーンベルト西部での作付遅れ改善が期待されていた。シカゴ引け後に発表される全米平均のコーンの作付進捗率に対する事前予想平均は44%(前週34%)で、作付進展にはやや慎重な事前予想である。
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