【フジトミ】東京石油市場は急落も、下げ渋りが目立つ
(東京原油・石油製品)
8日の東京原油・石油製品は急落も、海外原油急落にはイマイチ反応せず、下げ渋りの展開となった。原油期先10月限は前営業日比810円安の3万4800円、ガソリン期先11月限は同610円安の4万7870円、灯油期先11月限は同820円安の4万7550円。
連休明けの東京石油市場は続落しているが、連休前の夜間の値位置から下げ幅を縮小している。円安進行と週明けの海外原油の戻りが影響したとみる。ただし、連休前の夜間取引終了時間の値位置から海外原油は大幅安を強いられており、週明けの戻りを加味しても、原油で1000円前後の下落でおかしくはなかった。つまり、原油期先の3万5000円台回復は行き過ぎで、3万4500円台でも問題ない、海外原油の急落だったといえる。3万5000円を下回った後は狭いレンジで推移していたが、割高な値位置に変わりなし。海外原油のテクニカルな戻りを期待して、買いが無難とみるが、東京は下げ渋りもあって、上値は限られそうだ。日本時間13時前に発表された中国の貿易収支で、4月の原油輸入は3439万トン(前月比11.7%減、前年同期比5.6%増)、石油製品輸入は249万トン(前月比7.8%減、前年同期比0.8%減)。売り材料に評価されるが、海外市場ではまだテクニカルな買いが優勢とみる。大引けにかけてWTIの上げ幅縮小を嫌気して、東京原油は売り込まれ、朝方の安値更新を演じた。
(東京貴金属)
8日の東京金はNY金急落を嫌気して大幅安。金期先4月限は前営業日比62円安の4447円、白金期先4月限は同26円安の3340円。
連休明けの東京金は急落し、4450円割れも演じている。米FOMC声明を受け、6月の米利上げの可能性が高まり、NY金市場からの資金引き揚げの動きが加速し、1220ドル台まで急落。フランス大統領選挙の結果を受け、週明けに1221.0ドルまで急落し、前週の安値更新をみせた。しかし、その後、アッサリ1230ドル台回復したが、前週末の戻り高値である1236.0ドルを上抜けず、その後は上げ幅縮小へ。NY金の高値からの値崩れもあり、東京金は4450円割れもみせた。14時半過ぎにNY金は1230ドル割れをみせ、東京金は安値を更新したが、日経平均株価の上げ幅拡大が寄与したとみる。
(東京ゴム)
8日の東京ゴムは連休中の上海急落を映して急落。期先10月限は前営業日比15.1円安の206.6円。
連休中の上海ゴムの動きが注目されたが、国際商品急落の影響もあり、大きく売られ、1万5000元から急落。その急落を嫌気して、朝方から売りが殺到し、東京先限は205円台で始まり、その後、205.1円の安値を示現。円安や日経平均株価の急伸もあり、利食いの買い戻しに209.8円まで戻したものの、210円が壁になり、軟調地合いを強いられていた。
(東京トウモロコシ)
8日の東京トウモロコシは連休中のシカゴ安を受けて下落している。期先5月限は前営業日比20円安の2万2280円。
連休中のシカゴは米コーンベルト西部の天候回復による作付進展期待から下落している。週末に下げ幅を縮小したこと、週明けの円安もあり、連休明けの東京は下げ幅縮小へ。週明けに再開したシカゴコーンはまた売り直されたが、東京の下げ渋りは相変わらず。石油市場の出直りの動きなどが売り手控えにつながったとみる。しかし、コーンの主産地である米コーンベルト西部の天候回復や、週明け発表される作付進展を期待すれば、この下げ渋りは格好の追撃売りだったともいえる。売りスタンスは維持しつつ、明朝の作付進捗率を見極めたい。14時にかけての強引な戻りもあり、下げ幅を縮小し、一層割高な値位置を形成することに。
(東京米国産大豆)
8日の東京一般大豆は動意薄。期先4月限は前営業日比440円高の4万7320円。
連休明けの東京一般大豆の仕掛けはサッパリで、玉次第の展開となった。昼過ぎに発表された中国の4月の大豆輸入は802万トンで、前月比26.7%増、前年同月比13.4%増となった。数字上ではシカゴの支援材料になる可能性もあるが、南米の輸入拡大を受けた数字とみられる。週明けのシカゴは一段安避けられず、東京は踏み上げが無難。
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