【フジトミ】清算値決定後、海外原油は下げ幅拡大
(NY貴金属)
12日のNY金は上伸するものの、上げ幅を縮小している。NY金期近6月限は前日比3.9ドル高の1278.1ドル、NY白金期近7月限は同1.6ドル安の967.9ドル。
地政学リスクを踏まえた買いが膨らみ、アジア時間帯に1281.8ドルの高値を示現した。北朝鮮を巡るリスクが一気に高まったためで、先行き不透明な展開が買いを助長していた。ただ、急騰に対する利食い売りもみられ、1280ドル台は一時的にとどまった。それでもリスク警戒から1270ドル台を維持し、200日移動平均線を越えた展開を続けることに。NYダウの値崩れは支援材料になっており、NY金が下値から切り返す要因にもなっている。週末にかけて一層、緊張が高まるとみられ、1270ドル台での下値固めからの一段高も連想されている。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
12日のWTI原油は反落。清算値決定後に53ドルを割り込み、下げ幅を拡大する動きをみせていた。WTI原油期近5月限は前日比0.29ドル安の53.11ドル、北海ブレント期近6月限は同0.37ドル安の55.86ドル。RBOBガソリン5月限は同1.60セント安の174.17セント、NYヒーティングオイル期近5月限は同0.14セント高の165.20セント。
注目の米EIAの在庫統計で、原油在庫は前週比216.6万バレル減、ガソリン在庫は同297.3万バレル減となり、いずれも強い内容だった。発表後、瞬間的な戻りをみせたが、それまでの上値の重い展開から抜け出せず、そのままズルズルと値を崩していた。サウジによる協調減産延長はすでに情報として流れており、支援材料になり切れず。一方で、WTIは原油の認証在庫であるクッシング在庫の増加傾向が売り材料になっていたという。今週は27.6万バレル増にとどまっているが、ここにきての増加傾向が顕著であるが、米国の原油増産を受けた動きとみられ、結果的に原油増産が重石になったとみられる。原油はさらに増加している。また、NYガソリンの値崩れが目立つが、ガソリンの需要が低調であり、市場が期待しているほどの、ドライブシーズンを踏まえた動きになっていない。そのガソリンも清算値決定後、下げ幅をさらに拡大している。
(CBOT大豆)
12日のCBOT大豆はテクニカルな買いに総じて急伸している。期近5月限は前日比9.25セント高の948.50セント、新穀11月限は同8.25セント高の956.75セント。
前日、弱気な米農務省の需給報告を受けて、ほぼ1年振りの安値を示現したが、その後、引けにかけて切り返し、下ヒゲの長いチャートを形成することに。再開後も堅調地合いをみせたことで。目先の底入れ観測が高まり、テクニカルな買いを誘うことに。需給バランスは良くないものの、買い戻しの流れに沿っての切り返し局面では弱材料に反応薄。期近5月限は9.50ドル台を回復する場面もあったが、つなぎ売りを浴びて、その後、9.50ドル台から値を消している。しばらく、テクニカルな戻りは続きそうだが、新規のファンダメンタルズ面での買い材料が乏しいだけに、自律反発一巡後は売り込まれる可能性も。
(CBOTコーン)
12日のCBOTコーンは小反発。期近5月限は前日比2.25セント高の368.75セント、新穀12月限は同1.50セント高の392.00セント。
米農務省の需給報告を終えて、時期的には作付に市場の関心が集まるタイミングとなる。米コーンンベルトでは週末に降雨が予想されており、一部で収穫遅れを警戒する声も挙がっていた。大豆急伸に対する追随高もみられ、期近5月限は3.70ドル台回復もみせた。ただし、今週はここまで晴天に恵まれ、気温もかなり上昇したことで、作付がかなり進展したとの見方もあり、そうなれば週末の降雨は恵みの雨となる。目先は週末の降雨に神経質な展開が予想されるという。降雨予報による作付遅れ懸念の割には上げ渋っており、引けにかけて上げ幅を縮小していた。
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