ベータトレードでいこう！

投資を成功するために必要なことは大局を捉えること、すなわちベータトレードであるという理論を説明するとともに入門書の要素も持つ インデックス化、グローバル化、相関性が投資成功のためのキーワードであると筆者は説く。そのベータトレード理論を株、為替、商品のそれぞれに当てはめ具体例とともに分かりやすく解説している。 投資成功のための全体理論を分かりやすく論じており、投資の初級者、初心者にとっても一度は読んでおきたい一冊。 さらに「多くの投資家は単純なことは簡単であると勘違いしているようであり、より複雑怪奇なことに挑もうとしている。」という言葉は、中、上級者であっても心しておかねばならない事ではないだろうか。 　電子出版という方法で既存の枠 を超えたほうがより多くの人にこの重要なメッセージが伝わるのではないかという著者の心意気の伝わる一冊である。 本書では、まずインデックス化の項目でマーケットの代表選手について説く。これをベータというが、このベータ値の動きだけ把握できれば、後は他の何をやっても同じことだという話しである。株式投資でいえば、平均株価だけを追っていればよいということになる。どこの国がどうしただの、どの会社がどうなったというような個別事情を細かくは究明しないのだ。 グローバル化で重要なのは、連動性のひとことに尽きる。マーケットにおけるベータは、世界的な規模で同時進行的に推移するものだ。世界経済のパイは確実に大きくなってきているが、その一方でリスクが同一方向に偏りだしてしまっているともいえる。自分の投資している市場とは違うからといっても、よそを見逃すことは許されないようになってきているのが実情だ。 そして相関性についてだが、これはリスクのネイチャーが異なっていても、その動きは無視できないことを示唆している。株だけしか持っていなくても為替相場の動きには注意しなくてはいけないということ。特にマーケットが危機に瀕したときなど、投資を続けるべきか、撤退すべきかを決断するための材料は、他の市場も探ってからでないとなかなか難しいものだ。逆に相関性を知ることによって、自分の興味の対象であるリスクファクターの近い将来も占えるということにもつながる。 「海外市場で相場が上がったので、本日の日本のマーケットも・・・」というようなコメントはよく聞くところではるが、それをどう評価したらいいのだろう。これから始まる日本の相場も上がるんだろうと思って、朝いちで買い向かっていくべきなのだろうか。答えは否である。ではいったい何が市場を揺さぶっているのか。相場変動の源泉はいったい何であるのかを本書を通してみてみたい。市場のベータを考慮に入れることによって、今まで見ていた風景が変わってくるかもしれない。そして自分の投資スタイルを振りかえってみて、何が無駄な労力であったのか、何を見るべきであったのかを、きっと理解していただけるのではないだろうか。 はじめに 第１章 インデックス化 （１）ベータとは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・005 （２）インデックス化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・009 （３）個別の特殊事情・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・012 第２章 リスクファクター （１）株価のベータ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・014 （２）為替のベータ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・020 （３）金利のベータ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・025 （４）商品のベータ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・029 （５）リスクファクター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・032 （６）プラットフォーム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・034 第３章 グローバル化 （１）24時間取引・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・036 （２）株価では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・040 （３）金利では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・045 （４）為替では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・048 （５）商品では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・051 第４章 相関性 （１）外部環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・053 （２）株価と金利・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・054 （３）株価と為替・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・056 （４）為替と金利・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・057 （５）商品と為替・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・058 （６）株価と商品・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・061 4 （７）金利と商品・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・063 第５章 いろいろな相関モード （１）円キャリートレード・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・065 （２）リスクモード・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・068 （３）金融モード・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・073 （４）質への逃避・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・076 （５）有事のドル買い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・078 （６）日本売り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・079 （７）相場の変わり目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・080 （８）ベータのベータ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・083 第６章 ベータトレードのために （１）テクニカル分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・084 （２）ファンダメンタルズ分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・092 第７章 アルファ効果 （１）小型株ファンド・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・098 （２）スプレッド取引・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100 （３）デカップリング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・103 おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・106 慶応義塾大学法学部政治学科、小此木政夫ゼミにて東アジア問題を中心にした国際政治学を専攻。野村証券入社、本社・商品本部で株式トレーダーを経て、女性初の総合職として本店営業部へ。株式オプション課や営業課を経験する。退社後は人事コンサルティングの分野で活動し、心理学や行動科学を習得、さまざまな投資家へのアドバイスも開始する。2005年にアルジャントレード（株）を立ち上げ、海外の先物市場や外国為替取引のノウハウの蓄積を利用した投資・運用サービスに関わっている。現在、同社における代表取締役。ファイナンシャル・プランナー。 「外国為替取引（FX）はこうして稼ぐ」　明日香出版 「学校では教えてくれない投資と金融の授業」　明日香出版社 「日経225/日経225ミニ　日経先物取引の戦い方」　明日香出版社 「FX　最強投資術」　実業之日本社 「夜の外国市場で儲けるテクニック」　明日香出版社 「FX　練習帳」　実業之日本社 「利確と損切りのタイミングを読む成功者の法則」明日香出版社 2010年3月2日　初版発行 ベータトレードでいこう！ ～時代を味方につけて、賢く着実なパフォーマンスを～ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 著者　　持田　有紀子 発行所　株式会社ゴゴジャン 〒112-0004　東京都文京区後楽２－２３－１２　６Ｆ https://fx-on.com　http://nk-on.com