




WavePower Resonance Enhanced
〜海の波から学んだ、相場を読む新しい眼差し〜
【ご注意】 本インジケータは、中級者向けです。騙しサインを見抜きながらご利用ください。ご自身の判断の支援に、そして独自の活用方法を見出していただける方のための応用的ツールです。
第1章:海辺で生まれた発想
あなたは海岸に立ったことがあるでしょうか。
波は絶え間なく押し寄せては引いていく。その動きは一見ランダムに見えますが、よく観察すると不思議な規則性があることに気づきます。大きな波の後には小さな波が続き、しばらくすると再び大きな波がやってくる。そこには「リズム」があるのです。
1970年代、スコットランドの海岸で、ある技術者たちがこの波のリズムに注目しました。「この波のエネルギーを効率よく電気に変えられないか?」という問いから、波力発電の研究が始まったのです。
彼らはすぐに気づきました。波からエネルギーを取り出すには、波のリズムを「読む」必要がある、と。
第2章:共振という魔法
子どもの頃、ブランコに乗った経験を思い出してください。
最初は誰かに押してもらいますが、慣れてくると自分の体を動かすだけでどんどん高く漕げるようになります。これは、あなたがブランコの「揺れるリズム」に合わせて体を動かしているからです。
これを物理学では「共振(レゾナンス)」と呼びます。
ブランコには固有の揺れ周期があります。その周期にピッタリ合わせて力を加えると、小さな力でも大きな揺れを生み出せる。逆に、タイミングがずれると、どんなに力を入れても揺れは大きくなりません。
波力発電の技術者たちは、これを海の波に応用しました。海の波にも「よく現れる周期」がある。その周期を検出し、発電機の動きをそれに同調させれば、効率よくエネルギーを取り出せる。
本インジケータ「WavePower Resonance」は、まさにこの発想を相場に持ち込んだものです。
相場の価格変動にも「波」がある。その波の周期を検出し、「共振」のタイミングを見つけ出す。それが、このインジケータの核心です!!
第3章:相場という名の海
さて、ここで相場の話に移りましょう。
チャートを見てください。価格は上がったり下がったりを繰り返しています。これは海の波と同じです。ただし、海の波と違って、相場の波は目に見えにくい。なぜなら、大きな波の上に小さな波が乗り、さらにその上にもっと小さな波が乗っているからです。
このインジケータは、自己相関分析という手法を使って、この複雑な波の中から「いま最も支配的な周期」を見つけ出します。
「自己相関」というのは、過去の自分自身との相似性を測る方法です。
たとえば、あなたが毎朝7時に起きる習慣があるとします。今朝7時に起きたあなたと、1日前の7時のあなた、2日前の7時のあなた...を比べると、「24時間周期」で行動パターンが似ていることがわかる。これが自己相関です。
相場の価格も同じように分析できます。「いまの価格パターンは、何本前のパターンと最も似ているか?」を調べることで、相場に潜む周期を検出するのです。
第4章:位相という時計の針
周期がわかったら、次に重要なのは「いま、その周期のどこにいるのか」を知ることです。
これを「位相(フェーズ)」と呼びます。
時計を思い浮かべてください。時計の針は12時から始まって、3時、6時、9時と進み、また12時に戻ってきます。これが1周期です。「いま何時?」という問いに答えるのが、位相を知ることです。
相場の波にも同じことが言えます。
- 0度〜90度(12時〜3時):波が谷から上昇し始める段階
- 90度〜180度(3時〜6時):波が山頂に達する段階
- 180度〜270度(6時〜9時):波が山頂から下降する段階
- 270度〜360度(9時〜12時):波が谷に向かう段階
このインジケータでは、位相をラジアン(0〜2π、約0〜6.28)で表示しています。πは約3.14なので:
- 0 rad ≒ 谷
- π/2 rad(≒1.57)≒ 上昇の中間
- π rad(≒3.14)≒ 山頂
- 3π/2 rad(≒4.71)≒ 下降の中間
- 2π rad(≒6.28)≒ 再び谷
なぜ位相が重要なのか? それは、波乗りを想像すればわかります。サーフィンで波に乗るには、波が盛り上がる「前」にパドリングを始めなければなりません。波が崩れてからでは遅いのです。
相場も同じ。価格が上がり始める「前」に買い、下がり始める「前」に売る。位相を知ることで、その「前」を捉えられるのです。
第5章:ダンピング 激流の中で身を守る
波力発電所には、もうひとつ重要な仕組みがあります。それが「ダンピング(減衰)」です。
嵐の日、海は荒れ狂います。巨大な波が次々と押し寄せる。こんなとき、発電機を全開で動かしたらどうなるでしょう? 壊れてしまいます。
だから、波力発電所は波が荒いときには発電機の動きを抑制する「ダンパー」を備えています。エネルギーを取り出せる量は減りますが、装置を守ることができる。
相場にも「嵐」があります。それがボラティリティ(変動率)の高い相場です。
ボラティリティが高いとき、価格は激しく上下します。こういうときにシグナルを鵜呑みにすると、ダマシに遭いやすい。
このインジケータは、ボラティリティを常に監視し、荒れた相場では自動的にシグナルの信頼度を下げます。これがダンピング係数です。
- ダンピング100%:平穏な海。シグナルは信頼できる
- ダンピング60%:やや荒れた海。シグナルは7割程度の信頼度
- ダンピング30%:嵐。シグナルは参考程度に
「退くも相場」という格言がありますが、このインジケータはそれを数値化してくれるのです。
第6章:波の一生 若い波と老いた波
ここで、このインジケータの最もユニークな機能のひとつ、「波のライフサイクル」について説明しましょう。
人間に寿命があるように、相場の波にも寿命があります。
波が生まれたばかりのとき(0〜30%)、それは「若い波」です。エネルギーに満ちあふれ、予測通りに動く可能性が高い。
波が成長して中年期(30〜70%)に入ると、それは「健全な波」です。まだ力強く、信頼できる動きを見せます。
しかし、波が老年期(70〜90%)に入ると、状況が変わります。波は疲れ始め、いつ崩れてもおかしくない。これが「老化した波」です。
そして90%を超えると、波は「終焉」を迎えます。いつ反転してもおかしくない、危険な領域です。
このインジケータは、シグナルが出た時点での波の年齢を測定し、老いた波でのシグナルには「?」マークを付けます。
「BUY x2.3」なら自信を持って買えますが、「BUY? x2.3 (92%)」なら「買えるけど、もう波が終わりかけだよ」という警告です。
これは、「Galaxy Local Train 555」という非常にシグナル確度が高い、初心者向けインジケータにも搭載されているものです。波の「生年月日」を追跡することで、シグナルの賞味期限を教えてくれるのです。
第7章:水平線の効用 反発を見抜く目
最後に紹介するのは、「水平線反発フィルター」という機能です。
「関西ではソースの二度付は厳禁だが、相場は二度付有り」
過去に価格が何度も止まった水準は、将来も価格が止まりやすい。釈迦に説法で僭越ですが、これをサポート(支持線)、レジスタンス(抵抗線)と呼びます。
このインジケータは、過去の価格から自動的にサポートとレジスタンスを検出し、現在の価格がそれらの近くにあるかどうかを監視します。
そして、価格がサポートで跳ね返った(反発した)場合、SELLシグナルを抑制します。なぜなら、サポートで反発したということは、買い手が強いということ。そこでSELLを出すのは、流れに逆らうことになるからです。
逆に、価格がレジスタンスで跳ね返された場合、BUYシグナルを抑制します。
これにより、「明らかな上昇トレンドなのに、なぜSELLシグナルが出るんだ?」という理不尽な状況を減らすことができます。
第2部:パネルとビジュアルの読み方
さて、ここからは実践編です。このインジケータが表示する情報を、ひとつひとつ解説していきましょう。
情報パネル(左下)
画面左下に表示される黒いパネル。これがインジケータの「ダッシュボード」です。
[CYCLE DETECTION]
Period: 34 bars
意味: いま検出されている支配的な周期は34本である
これは「相場の心拍数」のようなものです。34本周期なら、価格は約34本ごとに上下の波を繰り返す傾向がある、ということです。
Phase: 4.82 rad (276deg)
意味: いま波の位相は4.82ラジアン(276度)である
276度は「9時」の位置。つまり、波は谷に向かっている最中です。
右側に表示されるステータス:
- BUY ZONE: 買いゾーン(約258〜344度)
- SELL ZONE: 売りゾーン(約86〜172度)
- ASCENDING: 上昇中
- PEAK ZONE: 山頂付近
- DESCENDING: 下降中
- TROUGH ZONE: 谷付近
位相プログレスバー
[===緑===|===赤===|=============白い縦線(現在位置)]
- 緑のゾーン: BUY ZONE(買いを検討する領域)
- 赤のゾーン: SELL ZONE(売りを検討する領域)
- 白い縦線: 現在の位相位置
このバーを見れば、一目で「いま買い時か、売り時か、待ち時か」がわかります。
[RESONANCE POWER]
Multiplier: x2.35
意味: いま共振倍率は2.35倍である
これは「波の勢い」を表します。
- x1.0〜1.5: 弱い波。シグナルが出ても確信度は低い
- x1.5〜2.0: 普通の波。シグナルはそれなりに信頼できる
- x2.0〜2.5: 強い波。シグナルの信頼度は高い
- x2.5〜3.0: 非常に強い波。絶好のタイミング
バーが黄金色に輝いているときは、波のエネルギーが最大に達しています。
[DAMPING CONTROL]
Factor: 85% | Vol: 1.24%
意味: ダンピング係数は85%、ボラティリティは1.24%
- Factor(ダンピング係数): 100%に近いほど安定した相場。低いほど荒れた相場
- Vol(ボラティリティ): 価格変動率。高いほど激しく動いている
バーが緑色なら安心、赤色なら警戒してください。
[WAVE LIFECYCLE]
Wave Age: 67% [HEALTHY]
意味: 現在の波は寿命の67%地点にある(健全な状態)
- [YOUNG](水色): 0〜30%。若い波。信頼性高い
- [HEALTHY](緑): 30〜70%。健全な波。まだ大丈夫
- [AGING](オレンジ): 70〜90%。老化中。注意が必要
- [OLD WAVE!](赤): 90%以上。危険。シグナルに「?」マーク
[H-LINE BOUNCE]
Filter: SUPPORT BOUNCE [BUY ONLY]
意味: サポートラインでの反発を検出。BUYシグナルのみ有効
- NEUTRAL(グレー): 特に反発なし。通常モード
- SUPPORT BOUNCE [BUY ONLY](緑): 支持線で反発。SELLは抑制
- RESIST BOUNCE [SELL ONLY](赤): 抵抗線で反発。BUYは抑制
右上のウィジェット
画面右上に表示される3種(円形と棒状・棒状)のビジュアル。
Phase Wheel(位相ホイール)
円形の時計のようなもの。丸点が現在の位相を示しています。
- 上(12時): 谷
- 右(3時): 上昇中間
- 下(6時): 山頂
- 左(9時): 下降中間
円の縁が脈打つように光るのは、共振エネルギーの強さを表しています。
Energy Meter(エネルギーメーター)
縦の棒グラフ。エネルギーの流れを視覚化しています。
棒が上に伸びているとき → エネルギー蓄積中(買いに有利) 棒が下に伸びているとき → エネルギー放出中(売りに有利)
Resonance Meter(共振メーター)
「RESON」と書かれた縦の棒。共振倍率を色で表現しています。
- 暗い緑 → 弱い共振(x1.0〜1.5)
- 明るい緑 → 普通の共振(x1.5〜2.0)
- 黄色 → 強い共振(x2.0〜2.5)
- 金色 → 最強の共振(x2.5〜3.0)
メインチャート上の表示
シグナル矢印
緑の上矢印 + 「BUY x2.3」 → 買いシグナル。x2.3は共振倍率。
赤の下矢印 + 「SELL x1.8」 → 売りシグナル。x1.8は共振倍率。
オレンジの矢印 + 「?」マーク + 「BUY? x2.1 (93%)」 → 買いシグナルだが、波が93%まで老化している。要注意。
サイクルバンド(点線)
チャート上に表示される青い点線は、現在の支配的な周期から計算された価格チャネルです。
- 上の点線: 周期内の高値圏
- 中央の灰色点線: 周期の中心値
- 下の点線: 周期内の安値圏
価格がこのチャネルの外に出たときは、周期が変化しつつあるサインかもしれません。
水平線(H-Lineフィルター有効時)
緑の点線(水平): 検出されたサポートライン
赤の点線(水平): 検出されたレジスタンスライン
水色の小さな矢印: サポートでの反発を検出
マゼンタの小さな矢印: レジスタンスでの反発を検出
サブウィンドウの波形
画面下部のサブウィンドウに表示される波形は、このインジケータの「心電図」です。
水色の太い曲線(Phase Wave)
位相を波形として可視化したもの。
- 波の山 → 売り圧力が強い
- 波の谷 → 買い圧力が強い
金色のヒストグラム(Resonance Power)
共振の強さを棒グラフで表示。 棒が高いほど、そのタイミングでのシグナルは信頼できます。
水色の点線(Energy Inflow)
エネルギーの流入(買いエネルギー)を表示。
オレンジの点線(Energy Outflow)
エネルギーの流出(売りエネルギー)を表示。
グレーの点線(Cycle Envelope)
周期の振幅(波の大きさ)を表示。
マゼンタの線(Damping)
ダンピングの強さを表示。この線が上にあるほど、相場は荒れています。
エピローグ:海と相場、そして私たち
海の波と相場の波。
一見まったく別のものに見えますが、どちらも「見えないエネルギーが形になったもの」という点では同じです。
波力発電の技術者たちは、海の波を制御することはできないと知っていました。彼らができたのは、波を「理解」し、そのリズムに「調和」することだけでした。
相場もまた、制御することはできません。しかし、理解することはできる。そのリズムに調和することはできる。
WavePower Resonance Enhancedは、そのための道具です。
海辺に立つ技術者の目で、相場という海を眺めてみてください。そこには、これまで見えなかった波のリズムが、きっと見えてくるはずです。
良い波を、良いトレードを。
開発者より
WavePower Resonance Enhancedは、中級者以上の方にご利用いただくときっと良い事があるインジケータです。
今までにない視点を得られ、興味深いシグナルをご覧頂くことが出来るでしょう。
きっと驚かれることと思います。
単純な売買シグナルインジケータとしてのご利用には、適しておりません。
しかしながら今後の改良によって大化けする可能性はあると思います、引き続きバージョンアップを図ってまいります。
ご利用中、お気付きになられた点、アドバイスなど頂けましたら幸いです。
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