ダウ理論を実践で使う方法
今回は、相場の基本であるダウ理論を理解し、実践でどのように使うのかお伝えしていきます。ダウ理論は、ずっと昔の理論なので使えない。そう思っているあなたこそご覧ください。
ダウ理論は、チャールズダウさんが編み出した理論なのですが大きく分けて6つのことが言われています。
①チャートはすべてを織り込む
②トレンドは、短期・中期・長期の3種類に分類される
③主要なトレンドは3段階存在する
④価格は相互に確認されなければならない
➄トレンドは出来高でも確認されなければならない
⑥トレンドは明確な転換シグナルが出るまで続く
順番にこれらのことを見ていきます。
①チャートはすべてを織り込む
例えば、個別株の銘柄の決算がよい。あるいは、なんらかの悪材料はすでにチャートの中に織り込んでいると考えます。
何か、大きな暴落が起きる前にチャートというのは先に動いているケースが多くあります。例えば、コロナショックでみてみましょう。こちらは日経225のチャートになります。
出典:https://jp.investing.com/
少し見えにくいと思いますが、左側の縦線が2020年2月20日の下落開始時になります。右側の線が当時の首相・安倍さんが学校を休校にした日です。
学校の一斉休校は大きな出来事で、この段階で世の中はパニックになります。しかし、実際に相場はすでに一段落の下落が起きた後です。
このように、チャートは先に進んでいることが多い。これを相場の世界ではチャートは価格に織り込まれているという言い方をします。
もちろん、その後のニュースで大きな下落になっていますが、ダウ理論の実践するには先にチャートは反応していることを覚えておいてください。
②トレンドは短期・中期・長期に分類
これは、時間軸の話になります。短期トレンドは短いタイムSPANのトレンドになります。例えば、15分、30分、1時間足のトレントなど。
中期トレンドは、中ぐらいの期間のトレンドです。4時間、日足のトレンドです。長期トレンドは、週足、月足のトレンドです。
この時間軸の感覚は、とても重要で例えば5分足~日足まで全部のトレンドが同じ方向であれば、エントリーは、当然その方向に沿ったものが勝ちやすい。
デイトレードで、私がよく使うのは15分足、1時間足、4時間足です。仮に15分足が上昇トレンド、1時間足が下落トレンド、4時間が上昇トレンドの場合。
1時間足が上昇トレンドになるタイミングで買っていく等トレンドの方向性にそって、売買していきます。これが、トレンドフォローという私が行っている基本戦略です。
トレンドフォローという戦略を利用するためには、この短期、中期、長期のトレンドはとても重要です。
③主要なトレンドは3段階存在する
この図の①が先行期、転換してすぐの上昇です。②追随期、ここがもっとも利益が伸びやすいと言われるポイントです。
③利食い期、ここまでくると利確をそろそろ考えましょうという時期です。エリオット波動を勉強されている方はご存知だと思いますが、ダウ理論でも同様のことが言われています。
③価格は相互に確認されなければならない
暗号資産であれば、ビットコインの動きとアルトコインの動きを確認するということになると思います。
ただ、この原則についてだけは私は確認はしますが、売買の意思決定には利用していません。独歩高や独歩安などもありますので、あくまで参考程度です。
なぜそう考えているのかというと、NYダウやビットコインなどといったその指標の中で、王者的な存在の銘柄を売買していると、他のものが後からついてくることが多いからです。
とはいえ、日経225とか取引するのであればアメリカの指標はみますし、イーサリアムやリップルを売買するのであれば、ビットコインは確認します。
➄トレンドは出来高で確認
2021年のビットコイン(BTC/JPY)チャートを見てください。
価格はどんどん上昇していますが、出来高は赤線のところになり減少しています。上昇トレンドが継続するためには、相場の勢い出来高が伴わないと続かないということです。
ダウ理論の原則を知ってさえいれば、そろそろ利確するべきタイミングだな。今は、バブルになっているなっていうのがわかります。
ビットコインの暴落にもあわなかったわけです。ダウ理論の中でも、重要度の高い原則だと思います。
⑥トレンドは明確な転換シグナルまで続く
こちらも⑤と同様に重要です。⑤がそろそろ利確のために利用できるのであれば、⑥はエントリーに利用するためのものです。
下記の日経225のチャートを見てください。
こちらをみていただくとわかりますが、大きく上昇した後に右はしのほうが保ち合っていることがわかると思います。
この場合は、ダウ理論では高値切り下げこそしていますが、安値が切り上げているため明確なトレンド転換していません。
そのため、まだ上昇トレンドの中にいるということが判断できると思います。つまり、この保ち合いは上昇トレンドの中にいるので上に抜けやすいと判断できます。
実際のチャートで確認してみましょう。
後に下落はしていますが、いったんは上に上がっていますよね。ここでエントリーする戦略を保ち合いブレイク戦略といいます。
保ち合いがどちらにブレイクするのかを判断する際に、このダウ理論⑥の原則は非常に重要になります。今、トレンドがどちらの時に出た保ち合いなのか。
それを鑑みて、エントリー。保ち合いをブレイクした後に短期的に利確する戦略です。この戦略は、ダウ理論⑥が考え方の基盤となる戦略です。
まとめ
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