【フジトミ】東京原油の買い続かず、午後は軟調地合いが支配的
(東京原油・石油製品)
10日の東京原油・石油製品はマチマチ。原油期先10月限は前日比30円安の3万4840円、ガソリン期先11月限は同30円安の4万7790円、灯油期先11月限は同80円高の4万7670円。
海外石油市場は総じて反落する一方、円安も進行したため、夜間の東京石油市場は売り買いを交錯していた。注目の米APIの在庫統計で、原油在庫は大幅減少となったが、原油輸入の大幅減が影響したためで、一時的な減少にとどまる可能性もあり、市場の反応はイマイチ。一方、石油生産減少の下でのガソリン在庫の急増はガソリン需要の一層の不振を示すものであり、NYガソリンが一段と急落し、WTIの上値を抑制していた。東京は朝方、円高進行もあり、マイナス圏で推移していたが、日経平均株価の上伸を映して円安も進行し、プラス圏回復も。ただ、円安にブレーキがかかると、またマイナス圏に値を消すなど、不安定な値動きとなった。昼以降、円高再燃とWTIの軟化もあり、ガソリン・原油はマイナス圏の動きが中心となった。
(東京貴金属)
10日の東京金は変わらず。金期先4月限は前日と変わらずの4458円、白金期先4月限は同20円安の3320円。
東京金は朝方、円安やNY金の戻りを好感して水準を切り上げ、4465円の高値を示現したが、昼には円高気味の為替とNY金の水準切り下げで、マイナス圏に値を消すなど、売り買いが交錯する展開をみせた。米長期金利の上昇でドル高が進行し、円安も一時、急ピッチに進行したが、NY金も急落していたため、東京金は下落していた。NYダウが引けにかけて値を崩したことで、NY金が大きく買い直され、東京金のしっかりした展開をもたらしていた。ただ、NY金の下振れリスクはなお警戒すべきであり、東京金市場での買いも限定的だったといえる。東京白金はNYの値崩れを受けてまた売り直されているが、どこまで行っても戻り売りスタンスは維持すべきで、6月が下げの本番とみる。
(東京ゴム)
10日の東京ゴムは引けにかけて上げ幅縮小し、小幅高にとどまる。期先10月限は前日比0.4円高の209.1円。
夜間の東京は前日大引けの引け味が良かったこともあり、戻りをみせていたが、時間外の上海ゴムの戻りや円安もあり、朝方はさらに上伸した。ただ、ゴム独自の新規の買い材料が見当たらず、上値も限られていた。午前中に何度か210円割れをみせたが、売りは続かず。売り飽きもあるようで、売りたい向きももう一段の戻り賛成と考えられる。本日は前日と対照的に引けにかけて水準を切り下げていた。結局、上海ゴムの上値の重い展開を嫌気したとみる。
(東京トウモロコシ)
10日の東京トウモロコシは円安とシカゴ高を好感して上伸。期先5月限は前日比70円高の2万2380円。
日本時間11日深夜1時に発表される需給報告を前にしたポジション調整かたがた、シカゴは小幅高となった。さらに円安進行も加わり、東京は夜間から上伸へ。朝方は円高進行もあり、上げ幅を縮小していたが、打診買いに10時台には2万2400円を示現した。やや強引な買いが目立っており、連休明けは買い煽りが目立つ相場つきが続いていた。深夜1時に需給報告が発表され、今回から2017年度の需給バランスも明らかにされるため、市場は注視している。発表後は再び米コーンベルトの天気に関心が移行するとみられ、強引に買い進まれた東京の反動安を週末にかけて期待したいところ。
(東京米国産大豆)
10日の東京一般大豆は急伸。期先4月限は前日比320円高の4万7650円。
久しぶりに東京一般大豆は夜間から急伸している。シカゴ上伸と円安を好感したためで、朝方にはさらに上伸し、先限は4万8000円を上回った。かなり強引な上げで、これまで売り材料を無視してきただけに、買われ過ぎは否めない。昼前に先限は上げ幅を縮小しているが、修正安はこれからとみられる。
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