【フジトミ】シカゴ穀物は全面安
(NY貴金属)
6日のNY金は反発しているが、上げ幅を縮小している。NY金期近6月限は前日比4.8ドル高の1253.3ドル、NY白金期近7月限は同0.7ドル安の958.9ドル。
米FOMC議事録をキッカケにしてNYダウが急落し、そのヘッジとして金が買い進まれ、再開後には1260ドル台に水準を切り上げた。議事録で資産縮小が指摘されたことで、米長期金利の今後の上昇が懸念され、株安につながったとみられている。本来であれば、金利上昇は金利を産まない金にとっても売り材料であるため、次第に金の先行きに対する懸念も高まり、1260ドル台示現が格好の売り場となり、その後は上げ幅を縮小していた。その後は1250ドル台を維持していたが、米中首脳会談を控えて、リスク警戒の買いが支えになっていたという。週末の米雇用統計に対する警戒もあり、金利動向には目先、敏感とみられ、1250ドル割れもまた警戒されているようだ。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
6日のWTI原油は続伸。WTI原油期近5月限は前日比0.55ドル高の51.70ドル、北海ブレント期近6月限は同0.53ドル高の54.89ドル。RBOBガソリン5月限は同1.43セント高の172.96セント、NYヒーティングオイル期近5月限は同0.94セント高の161.29セント。
NYガソリンが需要期を期待した買いに反発しており、これを支援材料にしてWTIやブレントも買い進まれる展開となった。前日発表された米EIAの在庫統計で、ガソリンの需要は後退するなど、需要期に対する期待がトーンダウンしていたが、NYダウの持ち直しもあって、再び思惑買いにつながったという。米国の原油増産が続いているが、ガソリンの需要に対する思惑買いが勝る展開になっていた。ただ、WTIも米国の増産基調とリビアの生産改善もあり、52ドルは当面の大きな壁とみられている。ブレントは55ドルちょうどまで上伸したことで、目先の上値確認との見方もある。引き続き、NYダウの値動きに注目しつつ、週末の米ベーカー・ヒューズの掘削リグでさらなる増加を警戒する動きも高値付近でみられたようだ。
(CBOT大豆)
6日のCBOT大豆は反落し、ほぼ安値引けとなった。期近5月限は前日比5.75セント安の938.50セント、新穀11月限は同6.50セント安の947.50セント。
引けにかけて下げ幅を拡大していたが、テクニカルな売りを浴びており、期近5月限は再び9.30ドル台に値を崩している。中国の習国家主席の訪米による米国大豆の大量成約の思惑もあったが、トランプ米政権に対する手みあげは厳しい状況と考えられており、思惑が徐々に後退し、高値からの値崩れにつながっていた。11日に発表される需給報告に対する警戒もくすぶっており、弱基調は続くとの市場ムードの表れが、早々の反落をもたらしたとみられている。
(CBOTコーン)
6日のCBOTコーンはテクニカルな売りを浴びて反落している。期近5月限は前日比4.00セント安の360.75セント、新穀12月限は同3.75セント安の385.50セント。
引けにかけて売り込まれる展開となったが、同様にテクニカルな売りを浴びて急落した小麦の地合い悪化に追随して下落する格好だった。米農務省が発表した週間輸出成約高は強い内容だったものの、市場の関心は乏しく、米コーンベルトでの作付に理想的な天候や作付シフト観測が重石になっていたという。期近5月限は再び200日移動平均線を下回り、再び3.60ドル割れを試すとの見方が支配的。米コーンベルトでは週半ばに降雨が確認されているが、週末から週明けにかけて気温がかなり上昇するだけに、恵みの雨だったと評価されている。
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