スタートダッシュで目標達成率は2倍変わる。
こんにちは、下山です。
吉本興業関連のニュースも
以前のように連日報道されることはなくなりましたが、
今改めて、一連の報道を通じて感じたことを
書いてみたいと思います。
まず思うのが、
「見る角度によって物事は全く違って見える」
ということです。
芸人さんの立場、社員さんの立場、
社長さん、会長さんの立場、
いろんな立場があります。
芸人さんの中でも
ベテランの方、若手の方、
というように立場が色々とあります。
そして、それぞれの立場によって
見えるものは全く違います。
特に上から見るのと下から見るのとでは
大きく違うわけですが、
苦しい思いをしていて
会社に不満を持っている芸人さんからすれば
会社に対する印象は良くないでしょうし、
「トップ変われ!」と思うのが自然でしょう
ただ、トップが変われば
それで万事解決とかというと、
そう単純な話ではありません。
トップが変わった後の処理も大変ですし、
次、トップになる人によっては、
もしかしたら状況がさらに悪化する可能性もあるわけで。
『史記(横山光輝著・小学館文庫)』
という漫画を最近また読み直しているのですが、
2巻にこんな話があります。
黄河の氾濫を治めるために村の美人な娘を
神輿に入れて黄河の神様に花嫁として差し出す、
というお祭りを行う風習がありました。
そしてそのお祭りのたびに
村人から大金が徴収されていました。
そのため村人がすごく疲弊します。
そのことを聞いた官僚が祭りを見に来ます。
そして「今回の花嫁を見せてみろ」
と言い、生贄となる村の娘と対面します。
その官僚は「美人ではない。」と言い、責任者を呼びつけます。
そして、責任者に対して
「もっと美人な娘を送るから待っていてくれと黄河の神様に伝えてこい」
といい、
責任者を川に突き落とします。
当然、その責任者は帰らぬ人となります。
そこで責任者の弟子にも
「お前も見てこい」と言い、
また川に突き落とします。
そして祭りの関係者を
次々と川に突き落としてしまいます。
結局、黄河の神様にまつわる風習は無くなりますが、
その後、情を一切挟まない官僚主導のもと、
黄河から12本の用水路を引く大規模な工事が始まり、
村人はその工事にかりだされることになります。
トップがいなくなれば
それで万事がうまくいくわけではない・・・
という話に繋がるストーリーですが、
吉本の場合も、
例えばトップが変わって、
次期トップがガチガチの契約が組まれるよう、
仕組みを作っても、
また新たに問題がでてくるかもしれませんよね。
例えば契約できない芸人さんが
出てくるかもしれませんし、
契約できても報酬が見合わず
舞台に立つチャンスが一切与えられなくなる
芸人さんも出てくるかもしれません。
=======================
スタートダッシュで目標達成率は2倍変わる。
=======================
もしかしたら今あなたご自身も、
「上司変われ、社長変われ」
と祈るような日々を送っているかもしれません。
でも、上が変わってもあなたの悩みが
根本的に解決することは無いでしょう。
根本的な解決は、結局のところ
あなたが変わることでしか成し遂げられません。
もちろん、あなたもご存知の通り、
変わることは簡単なことではありません。
きっとあなたもこれまで
変わろうと試みては挫折したことが何度もあるでしょう。
意気揚々と掲げた目標を
中途半端で投げ出してしまったことがあるでしょう。
でも、ちょっとしたことを意識するだけで
目標を成し遂げ、あなたが変われる確率は
急激に高まります。
では、具体的に何を意識すれば良いのか?
ここからはそのコツを紹介いたします。
考えてみてください。
何か物事を成し遂げる際、
一番エネルギーが必要になるのは
どういった場面でしょう?
それは、スタートです。
飛行機が離陸の際に
最もエネルギーを使うという話を
聞いたことがあるかもしれませんが、
それと同じで何か物事を始める際に
最もエネルギーを消費するものです。
例えばゴールまでの距離が10だとすると
走り出しの0から2あたりの地点が一番苦しい時期です。
逆に考えると、
スタートを乗り越えることができれば
その先は自動操縦のようにかなりラクになります。
スタートダッシュがいかに重要かを
具体的に示す実験を紹介しましょう。
洗車場で行われた
スタンプカードのキャンペーンにまつわる実験です。
=======================
カードに8つのスタンプがたまると、
洗車が1回無料になる。
しかし、同じ洗車場で、
別の客のグループには少し異なるスタンプカードを渡した。
洗車が1回無料になるためには、
8個ではなく10個のスタンプを集める必要があった。
ただし、そのカードには
“スタート・ダッシュ”が与えられていた。
カードを受け取るときに、
すでに2個のスタンプが押されているのだ。
どちらの客も「ゴール」は同じだ。
8回洗車で1回無料。
しかし、心理は異なる。
一方は、
ゴールまですでに20%進んでいる。
しかし、
もう一方はゼロから始めなくてはならない。
数ヶ月後、
8個用のスタンプカードを受け取った客は、
19パーセントしか無料の洗車までこぎ着けなかった。
一方、
スタート・ダッシュを切った客では34パーセントが
スタンプをためきった(しかも、ためきるまでの時間も短かった)。
チップ ハース, ダン ハース
『スイッチ!(早川書房)』2016年10月15日
P.171より
=======================
全く同じことをするにしてもスタートダッシュがある、
もしくはスタートダッシュがあると思えるだけで
2倍近くも達成率が変わるということを
この実験は示します。
何か成し遂げたいことがあれば、
スタートダッシュができるかどうかが
目標達成の成否のカギを握るということです。
もちろん、スタートダッシュで
全てが決まるわけではありませんが、
極めて大きい要素であることは間違いありません。
ですから、もしあなたが変わるために
何か成し遂げたい目標があるのなら
スタートダッシュを意識してみてください。
はじめにダラダラとしてしまうと、
挫折確率は一気に上がります。
それでは本日も
最後までご覧くださいましてありがとうございます。
下山敬三