【三通貨パリティで読むFX ─ 日常の“歪み”を稼ぎに変えるTriParity分析】第5回:三通貨パリティをチャートに落とすとこう見える ─ Distortionラインと『先導レッグ』可視化
第5回:歪みは見えた。次に迷うのは「どのペアで建てるか」
Distortionラインと「先導レッグ」の完全可視化 — 判断を「1アクション」にするための最終ピース
第4回までで、三角関係の歪みをZ(Distortion Line)として見るところまで来ました。 しかしZが見えると、次に必ずこう迷います。
「歪みは分かった。
แต่…チャートが3枚ある。
結局、どのペアを売買すればいいの?」
この“最後の迷い”を消すのが第5回です。今回の内容は、下のYouTube動画でも図解つきで解説しています。
- Z(Distortion Line)=いつ入るか
- 先導レッグ(Leading Leg)=どのペアで建てるか
この2つを重ねて、判断を「1アクション」にします。
Z(歪み)は見えた。でも壁にぶつかる
Zで「行き過ぎ」は数値化できました。ところが現場では、必ずこうなります。
- Zが反応している
- 3つのチャート全部が動いて見える
- どれも“それっぽい”
そして初心者ほど迷います。
「先生!3つのチャート全部で歪みが出てます!
結局、どれを売買すればいいんですか!?」
ここがTriad運用の最後の難所です。逆に言うと、ここさえ解ければ判断は一気にラクになります。
まず復習:これは「1ペアの指標」ではない
ここで大事な復習を一つだけ。
Distortion Lineは、RSIのような“1ペアの行き過ぎ指標”ではありません。
Distortion Lineが見ているのは、3通貨の三角関係(Triad)が本来の形からどれだけ歪んでいるかです。つまりZスコアが表しているのは「このペアが高い・安い」ではなく、「三角形全体が歪んでいる」という事実です。だからこそ、Zが出ても「チャートが3枚ある問題」が残る。そして、その解決策が「先導レッグ」です。
同じ「歪み」でも、3枚のチャートの景色は違う
Triadは一つの三角形です。でも、価格チャートは3種類です。
チャート3枚は、同じ三角形を別角度から投影した“映像”にすぎません。
だから、同じZでも3枚の値動きの“表情”は違います。上昇に見えるもの、レンジに見えるもの、下落に見えるもの。
ここで起きがちな失敗がこれです。
- 一番目立つチャートで飛び乗る
- 実はそこは“押され役(フォロワー)”
- 伸びない、苦しい、判断が遅れる
歪みを狙うなら必要なのはこれです。歪みを作った張本人=「先導レッグ」を特定すること。
先導レッグの定義:「一番動いたペア」ではない
先導レッグは、誤解されやすい言葉です。はっきり言います。
先導レッグは「一番動いたペア」ではありません。
定義はこれです。
三角関係のズレ(Parity Gap)の変化に、最も効いたペア
=歪みに一番寄与したペア
3本は相関して動きます。だからpips(値幅)が大きいペアが“原因”とは限りません。
私たちが知りたいのは「誰がこの歪みを作ったのか?」。その答えが先導レッグです。
「感覚」を「数字」にする:寄与率(%)
ここからがキモです。
「主役っぽい」ではなく、主役を数字で決めるのがTriParity流です。
考え方はシンプルです。
- 歪み(スプレッド)は、3本の価格変化の合成で作られる
- ざっくり言うと
3本の価格変化 × 係数(β)=スプレッド(歪み)
この考え方から、こういう問いに答えられます。「この歪みは、どのレッグの寄与が一番大きかった?」そして、それを寄与率(Contribution Rate, %)として可視化します。
%が一番大きいペア = 先導レッグ(主役)
主役は入れ替わる:ExpansionとRegression
もう一つ大事なポイントがあります。先導レッグは固定ではありません。
行き過ぎる局面(Expansion)と、戻る局面(Regression)で、先導レッグが交代することがあります。
- 行き過ぎを作った主役A
- 回帰を主導する主役B
- 途中で“バトンパス”が起きる
だから「Zだけ」では足りない。先導レッグも常時監視する必要がある。これがTriad運用の強みであり、コツです。
ツール上の可視化:迷いを消す情報表示
「じゃあ実際、どう表示されるの?」という話です。ツール上では、シグナル付近にこう表示します。
例:USDJPY / RE / 46%
- この歪みは、主にUSDJPYが46%の力で牽引している
- つまり、主役(先導レッグ)はUSDJPY
さらに重要なのはここです。数字が高いほど「原因がはっきりした歪み」。原因がはっきりしているほど、判断がラクになります。
実戦フロー:「主役のチャート」だけを見る
初心者に一番おすすめの運用ルールはこれです。
3枚のチャートを並べて監視する。
そして、主役(先導レッグ)のチャートだけを見る。
ルールは1行です。
先導レッグ(主役)のチャートにだけ、シグナルや矢印が点灯する。
メリットは明確です。
- 「どれで建てる?」という判断コストがゼロになる
- 光った場所が戦場
- 見落としが減る
- 作業疲れが減る
最初は本当に、光ったチャートだけ見て、他は見ない。これでOKです。
Distortion Line × 先導レッグ=判断の一本化(When / Which / Goal)
ここまでを、手順として一本にまとめます。
① WHEN(いつ?)
Zが行き過ぎて、戻り始めた瞬間(=歪み→回帰が始まったタイミング)
② WHICH(どれ?)
寄与率が最も高い「先導レッグ」でエントリー(=主役のチャートで判断)
③ GOAL(どこまで?)
Zが0に戻る地点(Z Exit)を目指す
合言葉:Zでタイミング、%で銘柄、Z=0で出口
よくある誤解と注意点:33%付近は「待機」
最後に、負けを減らすための注意点です。
「一番動いたペア=先導」ではありません。見るべきは、あくまで歪みへの寄与(%)です。そして、寄与率が33% / 33% / 34%のように拮抗する時があります。これは原因が散らばっている状態。つまり読みづらい。
このときの正解:WAIT(待機)
無理に触らず見送る。見送るのも立派な戦略です。初心者ほど、この判断が勝率を上げます。
まとめ:第5回の到達点(+次回予告)
第5回の到達点をまとめます。
- Distortion Line= 歪みの大きさ(タイミング)
- 先導レッグ= 歪みの原因(取引銘柄)
- 合体= 迷いが消え、判断が速くなる
これでTriad運用の最後の迷い、「どのペアで建てる?」が消えます。
そして次回です。ここまで来ると、多くの方がこう感じます。「これって三角裁定(アービトラージ)と同じでは?」
次回は、その不安に正面から答えます。通常アービトラージとTriParityの“歪み回帰”の決定的な違いを解説します。
免責(投資ナビ+向け)
本稿は教育目的の一般情報であり、特定の通貨ペア・売買を推奨するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。
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