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「相場の世界は数字の世界」「人の心は裁量の世界」です。

数字の世界であるはずの相場に対して、曖昧で、揺れ動く心理が支配してしまっていれば、合理的な判断も、トレードの客観的な改善もできません。数学といっても、高等で難解なものではありません。

使うのは小学生のときに学んだ四則演算（足し算、引き算、掛け算、割り算）です。裁量が入り込む余地があるのが問題ではなく、数値に基づいた基準やモノサシで自分のトレードを確認しているかどうかが問題なのです。

つまり、数字です。例えば、自分の各トレードでどのくらいのリスク（損失）をとっているのか、トレード前に最低限のリターンとリスクの関係を把握しているか、どの程度のボラティリティーになると、心が揺れてしまうのか、そもそもボラティリティーはどうやって測るのか、レバレッジを数値管理したトレードをしているか、トレード資金を1通貨ペアに全賭けしていないか、リミットの水準を決めるための統計的な手法・・・などなど、です。

もっと基本的なことをいえば、チャートにカーソルをあてて、移動平均の位置や乖離率、ヒゲの長さやローソク足1本1本のボラティリティーを測っているかも重要です。つまり、今回はリスク管理や資金管理を時間の許す限り深掘りしていきたいということです。管理テクニックを磨くためにはそれぞれの仕組みを知ることが大切です。

そして、いつものことながら知識だけでなくそれらを使いこなせるようになることがより重要です。基準やモノサシが正確になれば、裁量が入っても問題はありません。メカニカルトレードでない限り、必ず裁量の入り込む余地はあります。

しかし、その裁量が幅を利かせてしまうと、目茶苦茶なトレードになってしまいます。つまり、正しい基準やモノサシを持つことによって相場観が磨かれ、本来の意味で良い裁量を働かせることができるようになります。そして、仮に相場の世界で迷子になっても、正しい基準やモノサシを持っていれば、ちゃんと元の鞘に収まることができるようになります。

こうしたことを正しくおこない、不安心理や油断、慢心に脅かされないトレーダーとしてのスキルを磨くきっかけにしていただきたいと思います。