メンタルを強くするためには[為替鬼]
読者の皆さんは、トレードで大切な「3つのM」という言葉を聞いたことがありますか。これはアレキサンダー・エルダー氏の名著『投資苑』(パンローリング社刊)で有名になった概念ですが、Mind(心理・メンタル)、Method(戦略・手法)、Money(資金管理)の3つを表します。これらの3つはどれもトレードに不可欠な要素で、3つのMがひとつでも欠けると、長期的に勝ち続けることはほとんど不可能です。
たとえば、どんなにトレード手法が優秀でも、資金管理が杜撰だといつか破綻しますし、メンタルが弱くて売買ルールが守れなければ、優れた手法も意味がありません。逆に、資金管理やメンタルがどんなに優れていても、トレード手法にエッジ(統計的優位性)がないと、継続的に利益を上げることはできないでしょう。今回の記事では、マインド(心理・メンタル)について、私見を述べていきたいと思います。
目次
1. 同じ手法でも人によって結果が異なるのはなぜか
2. トレードにおけるメンタルとは何か
3. 損切りができない原因とは
4. なぜ損大利小になるのか
5. どうしたらメンタルが強くなるか
6. 勝つことよりも正しい決断を優先する
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※この記事は、FX攻略.com2014年2月号の記事を再編集したものです
同じ手法でも人によって結果が異なるのはなぜか
本誌をお読みになるほどの勤勉な読者の皆さんなら、トレードで利益を出そうと、日々努力されているに違いありません。その努力の大半は、もしかしたらチャートを見ながら売買ロジックを試行錯誤する、いわゆる「テクニカル分析」に関するものではないでしょうか。
もちろん、それで、継続的に利益が積み上がっているのならば、大変に素晴らしいことです。しかし、なかなかうまくいかないと、日々苦悩している方も多いかもしれませんね。
私は仕事柄、今までに数千人のFXトレーダーとお会いする機会がありましたが、長期的に勝てない最大の原因は、トレード手法や資金管理よりも、投資家のメンタル面に問題がある場合がほとんどだと感じています。
トレード手法や資金管理の能力は、投資経験を積めば積むほど、それに比例して上達するのが一般的です。しかし、メンタル面については、ただトレード経験を積み重ねるだけでは、強化されるものではありません。そのため、同じ売買ロジックでトレードしているはずなのに、あるトレーダーは勝ち、別のトレーダーは負けるという、一見奇妙なことが頻繁に起こります。このような現象は、それぞれのトレーダーによって、メンタル面の強さが千差万別だからこそ発生するのです。
よろしいですか?