「通貨ポートフォリオは百害あって一利なし」という風潮
というタイトルを作ってみたところで、そういう風潮はあるのかと疑問になってきました。 少なくともfx-onさんのようにEA等を販売しているところ、必然的にシステムトレードが好きな人が集まるような場所においては、そのような風潮は少ないと思います。 あるの?ないの?どっちなのというところでございますが、精確にはそのような文章を読んだということです。 今回のテーマは「通貨ポートフォリオと相関係数」、パタパタと指を進めてみたいと思います。
投資の基本は分散?
「リスクを分散させるためには複数の銘柄に分散投資するのが有効であると言われていますが、これは株式投資だけで為替には当てはまらない」 という文章がありました。 そもそも二足のわらじを履くのはだなと言い出すとキリがないので進めると、どうやら為替において分散はリスクが大きいという意見です。具体的に下記のような分散が例に出されています。 ・ドル円「買い」 ・ユーロ円「買い」 ・トルコリラ円「買い」 ・南アフリカランド円「買い」 以上4つのポジションを同時に持つ、でもこれはすべて「円売り」ということには変わりなく、ポートフォリオとして機能しない。 お、おう・・・ そりゃそうなんすよね・・・(体育会系っぽい) トルコリラ円「買い」が渋い選択とかはさておき、この分散例を出して読者を説得させるというのは少し無理があるような気がしました。せめて、ユーロポンド「買い」、オージーカナダ「買い」、ランド円「買い」くらいバラけさせて、そこで相関係数なりを出してほしかったというところです。
「相関係数」についておさらい
今しがたちょろっと出てきた「相関係数」は下記のように定義されます。 2つの確率変数の間の相関(類似性の度合い)を示す統計学的指標 少し分かりにくいですよね。 もう少しくだけると、相関係数は-1から1までの数字で表すことができ、1に近づくと正の相関(似た動きをする)、-1に近づくと負の相関(逆の動きをする)、0に近いと相関が弱い(ほとんど関係ない)とされています。 より実感がわきやすい例を出すと、ドル円が上昇した日はクロス円の他の通貨ペアも上昇しやすい(正の相関がある)というイメージです。反対に、ユーロドルが上昇するとドルスイスは下落するなどは負の相関があると表すことができます(スイスフランショックで大きく下落したスイスフランですがかなり値を戻している模様です)。
「相関係数」を調べてみる
続いては「相関係数」を調べてみましょう。 相関係数は日々少しずつ変化しています。 「FX 相関係数」のように検索するとたくさん出てくるサイトの中から、今回は松井証券さんの「通貨ペア別 相関係数 (過去200営業日)」のリンクを貼っておきたいと思います(特に深い意味はありません)。
松井証券→通貨ペア別 相関係数 (過去200営業日)
いちばん上の行を見ると分かるようにクロス円はどれも高い相関係数となっているため、同時に同じ方向にポジションを持つときは注意が必要です。 あくまで目安までに相関係数は以下の様な見方ができます(できますと言っておいてただのコピーです) ・0.7>:強い ・0.4〜0.7:中間 ・0.2〜0.4:弱い ・0.2<:ない この数字を参考にすると、直近において(2015年3月現在)、ドル円と豪ドル円は相関係数は0.10となっているので「ない」という読み方ができます(なんとなくですがドル円と豪ドル円が「ない」は危ないかと…)。 反対にドル円とポンド円を同じ方向に持って「ぽーとふぉりお(`・ω・´)ゝ キリッ」と言っていると危ないということが分かります(私です)。 相関係数を使うと手法で使う通貨ペアの目安にもなるので、興味のある方は参考にしてみるのもおすすめです。私は先程の例を出すと、ドル円とポンド円、ポンド円とポンドドルのように三つ巴になるような形でいずれかの通貨が材料になったときに積極的に利益を狙っていくことが多いです。 勝率は高くはありませんが、直近のユーロドルの下げやユーロ円の下げなど(ドル高とは言えユーロが弱い)では、もう南国の海辺で寝そべっていたいほどになると思います(日焼けするので行きませんが)。
まとめ
相場だけでなくすべてのことに様々な意見があります。 たとえば先ほどの「ポートフォリオは関係ない」と書いていた方は20年以上お金関係のお仕事をされている方です。 一方、「相関係数とかあるからひょっとしたらあるかも」と、「俺、君のこと好きかも」のようにあやふやにしておいていつでも逃げ道を作っている私はほんの5年かそこらの経験です。 あと何年か経ったときに私が「関係なかったでござる」と達観しているやもしれません。 「通貨ポートフォリオと相関係数」、トレードをする上でお役に立てれば幸いです。 written by すべてがFXになる



